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オンブバッタ(負飛蝗)
 「僕たち、これからどこへ行こうか」「というか、早くどいてくれない? 重くて仕方ないわ」「嫌だ、ぼくは死ぬまで君を離さないぞ」。そんな声が聞こえて来そうな2匹です。本当は仲が良いのです。

 オンブバッタ(負飛蝗)は、オンブバッタ科オンブバッタ属の昆虫で、バッタの仲間です。上が雄、下の大きい方が雌。親子ではありません。雄は雌を独占するためにしがみついています。翅はあるものの、飛べない事が多いオンブバッタです。飛べたとしても雄が邪魔をしている事になります。雌に乗っている雄は、食事を取れません。非効率ですが、これがオンブバッタの生態なのですから、人間が不思議に思っても仕方ありません。相手を見つけ出すのが難しいので、早めに探して、交尾の時期まで一緒にいることが多いようです。

 オンブバッタに限らず、雄を背中に乗せているバッタ類を結構目にします。それは、バッタ類の交尾の形態だからです。ところが、オンブバッタは交尾が終わっても背中に乗っている事から、その名前が付いたものと思われます。冬に成虫は死んでしまいます。卵で越冬します。

 似ている種類として、ショウリョウバッタ(精霊飛蝗)がいますが、こちらは雄が40~52mm、雌は75~82mmと大型です。ショウリョウバッタモドキは、それよりも小型で背中が茶色の場合が多いようです。どちらもバッタ科です。オンブバッタはオンブバッタ科で、異なる科に属しています。

Japanese common name : Onbu-batta
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Atractomorpha lata (Motschulsky, 1866)

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オンブバッタ(負飛蝗・負蝗虫)
バッタ目(直翅目)オンブバッタ科オンブバッタ亜科オンブバッタ属
学名:Atractomorpha lata (Motschulsky, 1866)

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体長:20~43mm(♂20~25mm/♀40~43mm)
出現期:8月~12月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食草:キク科・マメ科・イネ科
英名:smaller longheaded locust

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から1km 右岸河川敷 2005.10.21
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.09.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

22 June 2008
Last modified: 11 July 2017
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by pianix | 2005-11-08 00:00 | | Comments(2)
Commented by makkie at 2012-06-27 09:48 x
こんにちは。
はじめまして。
4歳の息子と育てたいと思い、最近公園でバッタをつかまえ、ほとんど私が育てているうちに、ばったに愛着がわいてきた者です。
こちらのブログのバッタの記事、バッタや虫への愛情が感じられて素敵ですね。
おんぶバッタなど、細くてささりそうなタイプのバッタは苦手なのですが、記事を読んでいたら、かわいく見えてきました。

ところで、私たちが買っているバッタはまだ小さいので成虫ではないとおもうのですが、いろいろ調べても何バッタかわからず、このままでは毎日バッタ情報を探し回ることになってしまいそうなので、思い切って質問させていただこうと思い、こちらにコメントさせていただきました。
緑色で背中からお尻まで白いです。形はトノサマバッタとか、イナゴに近いような感じなのですが・・・。
なんて、それだけじゃ判断のしようもありませんよね・・・。
Commented by pianix at 2012-07-15 20:29
makkie さん
はじめまして。
バッタではないかもしれませんね。
写真をお撮りになって虫関係の掲示板で質問するのが手っ取り早いかもしれません。
検索してもらえばたくさん出てきます。
例えば、東京農工大学昆虫研究会の「虫虫画像掲示板」などがあります。http://tuatsis.fc2web.com/
名前が分かると愛着が増す事と思います。
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