クサギカメムシ(臭木椿象)
 クサギカメムシ(臭木椿象)は、カメムシ科クサギカメムシ属の昆虫です。東アジアに分布し、日本ではほぼ全国に分布する在来種です。名の由来は、クサギ(臭木)に付くカメムシである事から。実際には、桑、桃、梅、柿、蜜柑、桜、林檎等の多くの果実を吸汁します。よって、重要な農業害虫とされています。

 斑模様がある中型のカメムシです。成虫で越冬し、4月頃から活動を始めます。越冬場所が樹皮下や家屋内である事が多く、9月から10月にかけて集団で家屋内に侵入してきます。悪臭を放つので不快昆虫とされています。カメムシの多くは他の昆虫と異なり、卵が孵り独り立ちするまでの期間、大切に守り育てる事で知られています。その間、親は動かず、何も食べずに過ごします。

 カメムシの仲間は、陸上で生活する陸生カメムシ、水面や水際で生活する両生カメムシ、水中で生活する水生カメムシに分けられます。体は、頭・胸・腹に別れ、頭には複眼と単眼があり、節のある触角2本が付いています。口は頭部後方から出て、管状で細長く、4本の針が入っています。脚は、前・中・後の3本が2対あり、中脚までを胸とします。胸には、前翅・後翅があり、前翅は付け根にある堅い造りの革質部と、先端部の柔らかい膜質部に別れています。両翅の中央に、逆三角形をした小楯板(しょうじゅんばん)があります。

 悪臭の元になるのはアルデヒド類のヘキセナール1)を主成分とした揮発性の物質です。一般的に尻から放出すると想像しがちですが、実際には胸から出します。中脚の付け根当たりに開口部があります。その奥に一対の臭腺があり、ここから液体を出します。この匂いの働きは3種類あると考えられています。相手を寄せ付けない防御用、仲間に危険を知らせる警告用、仲間を集める弱い臭いの集合用です。(石川県ふれあい昆虫館・石川卓弥氏による)

脚注:
1)トランス-2-ヘキセナール (trans-2-Hexenal), C6H10O。半数致死量(LD50)780mg/kg。
参考:
ナガメ(菜亀虫) ホシハラビロヘリカメムシ クモヘリカメムシ ブチヒゲカメムシ(斑髭椿象)

Japanese common name : Kusagi-kamemusi
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Halyomorpha halys (Stal, 1855)

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2005.11.17              2006.07.28


クサギカメムシ(臭木椿象)
カメムシ目(半翅目)カメムシ科クサギカメムシ属
学名:Halyomorpha halys (Stal, 1855)

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体長:14~18mm
出現期:4月~10月(年1~2回)
分布:北海道、本州、四国、九州

撮影地:静岡県静岡市
西ヶ谷総合運動場 2005.11.17
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.07.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

21 June 2008
Last modified: 14 June 2016
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by pianix | 2005-11-26 00:00 | | Comments(1)
Commented by 里山ライフ at 2018-11-06 22:27 x
居住する造成分譲住宅団地の擁壁周辺域には、(30数年ほど前の造成時に)土留め目的で「葛」が植栽され、繁茂しています。(行政が、年3回、草刈りをしますが)成長が尋常ではなく、大迷惑な存在になっています。そのクズには、本種「クサギカメムシ」が大発生し、団地内に飛散し、洗濯物にたかり、換気口から家屋内に侵入してきます。落葉時期になると、越冬のため換気口や開口部から続々と侵入してきます。

普段は、存在感が希薄なクサギカメムシですが、うっかり(掴んでしまうなど)刺激を与えれば、強烈な悪臭に見舞われます。石鹸でいくら洗っても、半日程度は匂います(洗濯物は廃棄処分覚悟です)。カメムシも「殺されたくない」と思っているらしく、人間との距離感を保つ(危険域を避ける)ので、滅多なことでは重大事(臭気を放つ)には至りませんが。

しかし、面倒な相手なので、発見次第、紙コップに誘導し、水洗トイレで流してしまいます。
そのときに気付いたのですが、カメムシは「自分の悪臭で、悶絶し、終いに昇天してしまいます」
最近、新聞か何かでも(カメムシの臭気で、カメムシが死ぬ。だから、やたら滅多には臭気を放たない。あくまでも最終手段・・・と)記事にされていました。
以前、地球ドラマチック(Eテレ)で「スカンクが、自分の臭気を浴びることがないように、必ず、風上側に移動してからの行為」が実験映像で詳しく解説されていました。
見舞う側も「ただ事では済まない最終兵器」のようです。
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