イソギク(磯菊)は、キク科キク属の多年草です。大変狭い地域に生息する日本原産の在来種です。範囲は千葉県犬吠崎から静岡県の御前崎あたりまでで、海岸沿いの岩場に自生します。房総半島、伊豆半島とも自生種が見られますが、土手沿いのものは品種改良されて移植されたものがあるようです。
海辺に咲く花は葉に特徴があり、厚みを帯びているものが多いようです。イソギクの葉も同様に厚く、葉裏面には白い毛が生えています。それが縁沿いまで達しているので、表面から見ると白の縁取りに見えます。 花には、周りを飾る花びらに相当する舌状花はありません。黄色の小さな管状花だけで成り立ち、それが散房状に多数付いています。舌状花を持つのは園芸品種のハナイソギク(花磯菊)で、菊との交雑種です。花壇や鉢植えの用途として、園芸種が広く出回っています。初夏に挿し木で繁殖する事ができます。 Japanese common name : Iso-giku イソギク(磯菊) キク科キク属 学名:Chrysanthemum pacificum Nakai synonym : Dendranthema pacificum (Nakai) Kitam. 花期:10月~12月 多年草 草丈:30~40cm 花径:5~6mm 果期:11~1月 【学名解説】 Chrysanthemum : chrysos(黄金色)+anthemon(花)/キク属 pacificum : pacificus(太平洋の) Nakai : 中井猛之進 (1882-1952)/東京帝国大学植物学科教授 --- Dendranthema : dendron(樹木)+anthemon(花)/キク属 Kitam. : 北村四郎 (1906-2002)/京都大名誉教授・「原色日本植物図鑑」著者 --- ハナイソギク(花磯菊) Chrysanthemum x marginatum (Miq.) Matsum. x : 二種間交配種 marginatum : marginatus(縁取りのある) Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871) Matsum. : 松村任三 Ninzo Matsumura (1856-1928) 撮影地:静岡県静岡市 駿河区西島 2005.11.22 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] Last modified: 17 January 2014
by pianix
| 2005-12-07 00:00
| 海辺の植物
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Comments(4)
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surugaki at 2005-12-07 20:47
日本には、キク科の植物は種類が多いですね。先日のツワブキもそうですし。磯菊って、初めて見ました。
今度、御前崎に探しに行こうと思います。勉強になりますので、「草花と自然Blog」さんをリンクさせて いただきました。
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brizu at 2005-12-08 10:17
こんにちは
そうだったんですかぁ。日本中どこの海にでも見られるくらいにおもって いました。 ただ、かれらの存在は、実は僕のフィールドの中では重要なんです。 彼らが生息してないということは砂浜が減ってきてしまっているということ。 ということは波の状態がかわるということ そこにいるはずの魚がかわるということ、 つまり釣りも、ダイビングも目的にあわなくなり、サーフィンもできなくなり、そこに行かなくなるということ・・とつながっていくんです。 かわっても、海の空気を吸いに行くんですけどね。それだけでいいし。 会社員ですから、仕事に関係はないけど、海にいくということが ぼくの重要なファクターなので、とても気になるのです。
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pianix at 2005-12-09 23:31
surugakiさん
昨日は猛烈に眠くなり、コメントをいただいたにもかかわらず書く事ができませんでした。 キク科は、本当に種類が多いですね。そして、私は、キク科が全く駄目なのです。 まず、園芸のキクを見た途端、逃げてしまいます。何か分からず混乱するのです。
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pianix at 2005-12-09 23:42
brizuさん
実は、brizuさんのところからsurugakiさんのところへ行ってみました。 静岡という事で、興味がありました。 その静岡の浜辺も、相当に減少しました。 私は片道10kmの土手を使って海までの競歩練習をしていました。 海を見たかったためですが、一瞬見れば気が済むので、すぐにUターンしていました。気になるのは、伊豆半島と御前崎で、伊豆半島が綺麗に見えるのは少ないと思いました。 海好きのようですが、お気をつけて楽しまれて下さい。 釣りは、小学生の時に親父に連れられて清水港へ行った事があり、ふぐが大量に釣れて、しょんぼりと帰ってきた記憶があります。以後、釣りなし、釣果なしで現在に至っています。
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 2月末日現在) 合計676,607人 (前年同月比 -5,483人) 男:329,454人 女:347,153人 世帯数324,388戸 (前年同月比 +1.770戸) 最新のコメント
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