ムラサキカタバミ(紫傍喰)は、カタバミ科カタバミ属の多年草です。南アメリカ原産の帰化植物で、文久年間(1861-1863)に観賞用として持ち込まれたようです。関東以西で野生化しています。花色は淡い紅紫色。花弁は5枚あり、濃紅紫色の筋が入ります。中心部の色は淡黄緑色で、雄しべの葯は白色です。似ている花のイモカタバミの場合は黄色で、中心部が濃い紅紫色である事から区別できます。葉は、3枚のハート形(倒心形)で、10~20cm程の柄があります。種子はできず、鱗茎を増やして繁殖します。染色体数は、2n=14,28。生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。
ムラサキカタバミは、私の好きな花の一つですが、昨年よりも見る機会が減りました。礼節を持った気品のある若いお姫様と見えます。寒さの中でも凛としている姿が印象的です。私の場合、花屋で美しい花を見たとしても、あまり心を動かされません。花には興味が薄く、花をプレゼントされて喜ぶ女性のような感覚はありません。ところが、野の花になると話は変わります。誰の手も借りずに花を咲かせ、次の世代に引き継ごうとする生命力を感じます。その姿を美しいと思い、いとおしく感じます。しかし、見方を変えれば、勝手に生えて太々しいまでの強さであり、ゆえに、これらの野の花は嫌われ者であるようです。 参考:カタバミ(傍食) ハナカタバミ(花片喰) Japanese common name : Murasaki-katabami ムラサキカタバミ(紫傍喰) 別名:キキョウカタバミ(桔梗片喰) カタバミ科カタバミ属 学名:Oxalis debilis Kunth subsp. corymbosa (DC.) Lourteig synonym : Oxalis corymbosa DC. 花期:5~7月 多年草 草丈:5~15cm 花径:2~3cm 【学名解説】 Oxalis : oxys(酸っぱい)/カタバミ属 debilis : 弱小な Kunth : Carl Sigismund Kunth (1788-1850) subsp. : subspecies(亜種) corymbosa : corymbosus(散房花のある) DC. : Augustin Pyramus de Candolle (1778-1841) Lourteig : Alicia Lourteig (1913-2003) --- corymbosa : corymbosus(散房花序のある) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷 2004.12.07 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 18 December 2005, 14 June 2008 Last modified: 18 August 2015
by pianix
| 2005-12-18 00:00
| 花
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Comments(5)
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surugaki at 2005-12-19 14:21
私は、40年ぶりにムラサキカタバミと言う名前を知りました。以前、蝶の時に、TBさせていただいた記事で、
失礼かとも思いましたが、またしてもTBさせていただきました。もっと、早くに知ればよかったと、反省しきりです。
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pianix at 2005-12-19 14:49
surugakiさん
surugakiさんのBlogでは、筆者が大勢いますね。さてコメントをいただいているのはどなたかな?と推測しています。今井さんでしょうか。 今日はピアノの調律の日で、いましがた調律師の方と雑談をしてきました。野草から通信プロトコル、アインシュタイン、量子力学と多義に渡り、仕事を邪魔してしまいました。楽しかったですが、野草観察には出かけられそうもありません。 コメントが削除できない状態になっているようで、慌てています。書き損じたのでコメントを消そうと思ったのですが、消えないのです。
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pianix at 2005-12-19 17:30
コメントが削除できないと書きましたが、できました。×印にカーソルをあてると色が変わったような気がしますが、何の変化もなかったので、できないと思ってしまいました。
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surugaki at 2005-12-19 19:30
>surugakiさんのBlogでは、筆者が大勢いますね・・・書いている者は、最後に名前が入れてあります。
TBも記事を書いた者がしています。ご紹介が遅れましたが、私は、今井です。 今後ともよろしくお願いいたします。
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pianix at 2005-12-20 18:55
surugaki/今井さん
今井さん、いつもありがとうございます。お礼を間違えた名前で出してしまうと申し訳ないと思い確認させて頂きました。 それにしても筆者が大勢いるのは頼もしいですね。 私のようなド素人の記事を読んで下さり感激ですが、 今井さんは詳しくお知りなので、ちょっと恥ずかしい気がします。 今後とも、よろしくお願い致します。
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「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 2月末日現在) 合計676,607人 (前年同月比 -5,483人) 男:329,454人 女:347,153人 世帯数324,388戸 (前年同月比 +1.770戸) 最新のコメント
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