ヒガシニホントカゲ(東日本蜥蜴)は、トカゲ科トカゲ属の爬虫類です。通称、トカゲ(蜥蜴)。本州(東日本)、北海道、ロシア沿海地方に分布します。名の由来は、東日本のトカゲから。トカゲは語源不明で、戸陰(とかげ)、あるいは敏駆(とかけ)からとの説があります。蜥蜴(xī yì)は、中国語から。トカゲは、蝘蜓(yǎn tíng)や石竜子とも表記されます。
今までニホントカゲとされていたのは、2012年に新分類1)され、西日本に棲息する種をニホントカゲ(日本蜥蜴)2)とし、東日本に棲息する種は新たにヒガシニホントカゲと命名され区分されました。外部形態3)とDNAバーコード4)による識別形質解析によるものです。東西の境界は滋賀や和歌山付近とされています。本州には、伊豆半島および伊豆諸島に棲息するオカダトカゲ(岡田蜥蜴)5)を加えて、3種類のトカゲがいる事になります。 山地や日当たりの良い草地等に棲息します。体長は20cm前後で、尾の長さを含めない頭胴長(吻端から 総排出口後端まで)は、孵化幼体が約30mm、成体で約60~80mmです。幼体は黒地に薄茶色の縦縞が背面と側面に5本あり、背の中央線は頭頂部で二分岐します。尾は青色。2~3年で成体となります。成体は胴体と尾が褐色で、暗褐色の縦縞があります。一対の前肢と後肢があり、指は5本で爪があります。 活動は昼行性です。変温動物のため日光浴で体温を上げ、呼吸を増やして体温を下げます。昆虫や蜘蛛、ミミズ等を捕食します。トカゲの仲間に見られる逃避時の尾の自切は本種でも見られ、自切面から切り離し、その後再生します。 活動期は3月から10月頃。繁殖期は、4月から5月頃。6月頃に10個程を産卵します。卵は10mm程の長楕円形。7月から8月頃に孵化します。11月頃に巣穴で冬眠に入ります。体鱗列数は、26列(24~28列)。オカダトカゲの体鱗列数は、28列(26~30列)です。 沖縄、トカラ列島には、準絶滅危惧(NT)のオキナワトカゲ(沖縄蜥蜴)Plestiodon marginatus (Hallowell, 1861)がいます。類似種に、カナヘビ科カナヘビ属のニホンカナヘビ(日本金蛇)がいます。 脚注: 1)Okamoto T & Hikida T (2012) A new cryptic species allied to Plestiodon japonicus (Peters, 1864) (Squamata: Scincidae) from eastern Japan, and diagnoses of the new species and two parapatric congeners based on morphology and DNA barcode. Zootaxa 3436: 1–23. ※Taku Okamoto 岡本 卓(京都大学)、Tsutomu Hikida 疋田 努(1951-) 2)ニホントカゲ(日本蜥蜴)Plestiodon japonicus (Peters, 1864) 3)後鼻板、前額板(ぜんがくばん)、後唇板のパターン。ヒガシニホントカゲの前額板は左右が接しない。 4)mtDNA Cytochrome b 遺伝子領域の解析 DNAバーコードデータベース (JBOL-DB) 5)オカダトカゲ(岡田蜥蜴)Plestiodon latiscutatus Hallowell, 1861 ※Yaichiro Okada 岡田 彌一郎 (1892-1976) 参考文献: トカゲ属の学名変更~EumecesからPlestiodonへ~ 疋田 努 爬虫両棲類学会報 Vol. 2006 (2006) No.2 P 139-145 Japanese common name : Higasi-nihon-tokage ヒガシニホントカゲ(東日本蜥蜴) 有鱗目トカゲ亜目トカゲ科トカゲ属 学名:Plestiodon finitimus Okamoto et Hikida, 2012 分布:本州(近畿以東)、北海道、ロシア沿海地方 体長:16~25cm/頭胴長:3~8cm 活動期:3月~10月 産卵期:4月~5月(年1回) 食餌:昆虫、クモ等 撮影地:静岡県静岡市 安倍城跡(Alt. 435m) 2014.07.11, 2014.09.15, 2015.09.02, 2017.08.04 帆掛山(Alt. 304m) 2015.05.08 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 27 May 2016 Last modified: 31 May 2018
by pianix
| 2016-05-27 00:00
| その他の生物
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 1月末日現在) 合計677,147人 (前年同月比 -5,763人) 男:329,734人 女:347,413人 世帯数324,434戸 (前年同月比 +1.576戸) 最新のコメント
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