ノボロギク(野襤褸菊)は、キク科キオン属の1年草です。ヨーロッパ原産で、アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアに分布します。日本へは明治のはじめ頃(1887年)に侵入した非意図的移入の帰化植物です。
キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化種は100種以上あります。双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。Compositae Giseke, 1792は保留名。キオン(黄苑)属(Senecio L. (1753))は、世界に約2000種が分布します。日本全国に分布し、10種以上が自生します。 キオン属全種は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」で、種類名証明書の添付が必要な生物に加えられています。在来種と競合しています。 花後に白い綿毛がつくのを襤褸(ぼろ)に例えた名前です。ボロギク(襤褸菊)はサワギク(沢菊)の別名で、野に咲くサワギクに似たとの意味で名が付けられました。属名のSenecioも、綿毛を「老人」に例えたものです。繁殖力が強く、暖地では通年花を付けます。茎は多数に枝分かれし、中空です。葉は互生し、長倒卵形で、不規則な羽状の切れ込みがあります。濃緑色で光沢があります。 花は黄色で、5mm程の管状花を付けます。蕾状のままで、平開することはありません。総苞の基部に、二等辺三角形状をした黒色の小苞片があり、目立ちます。綿毛のある痩果を付け、自家受粉します。家畜に有毒な物質を含みます。肝毒性や発がん性を有するピロリジジン・アルカロイド(pyrrolizidine alkaloids)を含んでいます。これはキオン属の植物全般に言えます。染色体数は2n=40。 参考:ベニバナボロギク(紅花襤褸菊) Japanese common name : Noboro-giku ![]() ![]() ノボロギク(野襤褸菊) キク科キオン属 学名:Senecio vulgaris L. 花期:1月~12月 1年草 草丈:10~30cm 花径:5mm ![]() 【学名解説】 Senecio : senex(老人)に由来/キオン属 vulgaris : 普通の L. : Carl von Linne (1707-1778) 撮影地:静岡県静岡市 葵区西ヶ谷 2005.11.17 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] Last modified: 16 February 2006 ![]() ■
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by pianix
| 2006-02-16 00:00
| 花
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Comments(4)
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これ以上花が開かないんですね。
不思議な植物ですね。 外国から来たものだろうとは思っていましたが、 毒があるっていうのも知りませんでした。 この植物自体には罪はないのに、 襤褸ってつけられちゃったんですね。>o<
先の赤いのがあって、子どもの頃ビンにさしました。
花は、いつまでも開きませんでした。 きっと、これで、死んじゃったんだ! そんな思い出の花であります。
brizuさん
襤褸とかモドキとか、色々ありますが、それは人間が付けた名前で、 植物自体は、そんな事はお構いなしなのでしょう。 毒があると言う事は注意を要しますが、 薬になると言い換えると見方も変わります。
yamome516さん
先が赤いのと言うとベニバナボロギク(紅花襤褸菊) でしょうか。 「きっと、これで、死んじゃったんだ!」は、新鮮な響きがしますね。 思いでの花は、いつまでも心の中に咲いていますね。
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
【筆者プロフィール】 自然体験活動指導者 静岡県環境学習指導員 ◆このブログは、「草花と自然」の観察記録余話として作成しています。「草花と自然」では、静岡市安倍川に限定した野草観察記録を年間を通して記載しています。その間に撮りためた園芸種を含めた花などを、ここに記載する事にしました。従って「草花と自然」に掲載しなかった花が含まれています。 ◆対象は中学生位です。専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けるきっかけになったら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【検索する】 和名はカタカナ表記です。漢字で検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】 写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】 記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】 承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】 コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】 民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 その他 Masami Saito All Rights Reserved ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogの著作権は齊藤正巳に帰属します。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布は行っていません。問い合せされてもお応えできません。 問い合わせ 静岡県の推計人口 総数3,666,457人 (前月比-2,176人) 男1,805,689(-1,100) 女1,860,768(-1,076) 関連情報Webサイト 静岡県公式ホームページ →環境局 →環境ふれあい課 静岡市HP →スポーツ振興課 静岡県立大学 →薬草園 →環境科学研究所 最新のコメント
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