モモ(桃)は、バラ科モモ属の落葉高木です。中国が原産で、日本への渡来はかなり古く、弥生遺跡からの出土があります。古事記や日本書紀に登場するモモは、現在のモモであるかは不明です。日本には古来からヤマモモ(山桃)があり、中国からのモモはケモモ(毛桃)と言われていたようです。旧分類のサクラ属は6亜属に分けられ、サクラ亜属・ウワミズサクラ亜属・モモ亜属・スモモ亜属・ウメ亜属・ニワウメ亜属となります。モモは、スモモ属モモ亜属になります。
果物を採る為のモモはミモモ(実桃)、観賞用のモモはハナモモ(花桃)と言われます。日本で園芸品種としてのハナモモが作り出され、20品種程があります。江戸時代(徳川中期)に始まり、果樹品種改良は、中国や欧米からの品種を元にして明治になってから始まりました。その品種は、白鳳・甘天津、ネクタリンに興津・秀峰、蟠桃(扁平果実)に、八重咲蟠桃などがあります。矮性種にボナンザとゴールデングローリーがあります。 ハナモモの品種は、枝垂れ系・箒性(縦に枝が伸びる)系・矮性系の3つの系統に分けられます。白色と桃色を基本色とする若干の花色があり、開花期と花弁の変化がある程度です。その全ては八重咲きで、小さな実を付けます。白花早咲きのカンパク(寒白)、桃色八重咲きで切り花用のヤグチ(矢口)、濃桃色のキクモモ(菊桃)、エダタレモモ(枝垂れ桃)、紅白を咲き分けるキメラ(chimera) 状態のゲンペイモモ(源平桃)などがあります。キメラ生物とは、複数の種の細胞が混在する生物の事です。 花弁は、通常5枚で、八重咲きは10枚以上。花柄は非常に短く、枝から直接付く状態になります。葉は、花に先だって展開します。互生し、長楕円状披針形で、粗い鋸歯があります。花の径は3~5cmで、雄しべは多数付きます。自家受粉します。種子をトウニン(桃仁)として生薬に用います。青酸配糖体アミグダリン(amygdalin)を含みます。 桃の節句の起源は平安時代で、当時は五つの節句(人日・上巳・端午・七夕・重陽)がありました。その内の上巳(じょうし)の節句は、薬草による厄除けと健康祈願の行事です。後に、紙で作った着せ替え人形遊びと融合し、女の子の厄除けと健康を願うお祝いの日となります。室町時代に旧暦3月3日に定着し、桃の節句となりました。明治に旧暦の日付をそのまま置き換えて現在に至っています。 ハナモモ(花桃) バラ科モモ属 学名:Prunus persica (L.) Batsch synonym : Amygdalus persica L. 花期:3月~4月 落葉高木 樹高:120~700cm 花径:3~5cm 果期:7~9月 【学名解説】 Prunus : plum(スモモ)のラテン古名/スモモ属(広義) persica : persicus(ペルシャの)|原産地俗説の名残による L. : Carl von Linne (1707-1778) Batsch : August Johann Georg Karl Batsch (1761-1802) --- Amygdalus : アーモンド/モモ属 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から8.25km 東岸河川敷 2006.03.03 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 3 March 2006 Last modified: 7 March 2015
by pianix
| 2006-03-03 00:00
| 花
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Comments(2)
Commented
at 2008-03-29 18:49
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
pianix at 2008-04-17 12:14
piano-womanさん、こんにちは。
リンクありがとうございました。 piano-womanさんと「原点」が似ているようです。 現在は記事更新していませんが、登山をして山の花を観察しています。撮りためた写真が溢れかえって収拾がつきません。(苦笑い)
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 2月末日現在) 合計676,607人 (前年同月比 -5,483人) 男:329,454人 女:347,153人 世帯数324,388戸 (前年同月比 +1.770戸) 最新のコメント
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