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ハナミズキ(花水木)
 ハナミズキ(花水木)は、ミズキ科ミズキ属(旧ヤマボウシ属)の落葉小高木です。北アメリカ原産で、日本には明治中期に移入されたと言われています。1912(大正4)年、東京市長であった尾崎行雄が日米親善の為にワシントンへソメイヨシノ(染井吉野)を贈りました。その返礼として、1915年にアメリカから40本の白花ハナミズキが贈られて、1917年に13本の紅花ハナミズキが追加されました。バージニアの州花です。

 当時は、日本産のヤマボウシ(山法師)に似ている事から、アメリカヤマボウシ(亜米利加山法師)と呼ばれていました。植物園に植栽される程度で一般的ではありませんでしたが、植栽利用が増えた事でハナミズキ(花水木)と命名されました。現在の和名はアメリカヤマボウシに戻っています。英名は、dogwood。

 ミズキ科(Cornaceae Bercht. et J.Presl (1825))は、北半球の温帯から熱帯に約14属100種、ミズキ属(Cornus L. (1753)) はアジア、アメリカの温帯に約60種が分布し、日本には5種が自生します。

 春の花は、葉が出る前に咲きます。花弁に見えるのは4枚の総苞片で、先端が窪んでいるところがヤマボウシと異なります。総苞片の中央に本当の花の集まりである花序があり、4枚の花弁と雄しべ4本があります。雌雄同株。受精すると脱落しますが、総苞片は長い期間残る事になります。対生する葉は全縁で、明瞭な側脈があり、裏面には白色の毛があります。秋の紅葉も風情があります。果実は核果で、赤色をしています。街路樹や庭木として植栽され、静岡市市の花にもなっています。

 花木としては強い性質を持っていますが、強風に弱く、潮風には特に弱いので浜辺の近くでは不向きです。通常は切り接ぎで繁殖させますが、種子捲きの場合は秋か春にします。種子の赤い果肉を取り除き乾燥させないように保存する必要があります。長雨時のウドンコ病には注意を要します。

 紅色種のベニバナハナミズキ(紅花花水木)があり、白花種とコントラストを付けて植栽されている場合があります。'Alba Plena'は八重咲き白花、'Cherokee Sunset'は斑入りの赤花、'Cherokee Chief'は濃紅色花、'Cherokee Princess'は白花、'Cloud Nine'は白色多花性、'Junior Miss'は淡紅色花、 'Red Giant'は紅花大輪、'Rainbow'は葉に黄色の斑入り、'Pendula'は枝が強く垂れる品種です。他に次のような品種があります。
'Apple Blossom' 'Cherokee Brave' 'Daybreak' 'Green Glow' 'Pink Flame'
'Purple Glory' 'Royal Red' 'Spring White' 'Sweetwater Red' 'World's Fair' 等。

※ヤマボウシとハナミズキの簡易な見分け方:花びらに見える4枚の総苞片を確認します。先端が尖(とが)っているのがヤマボウシで、窪(くぼ)んでいるのがハナミズキです。樹皮が細かく割れているのはハナミズキです。

参考:ハナミズキ(花水木)の実

Japanese common name : Amerika-yamabousi (Hana-mizuki)
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Cornus florida L.

ハナミズキ(花水木)_e0038990_9484848.jpgハナミズキ(花水木)_e0038990_9485942.jpg
紅花種
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4枚の総苞片は先端が窪んでいる 中央に緑色の頭花がある

ハナミズキ(花水木)_e0038990_9505310.jpgハナミズキ(花水木)_e0038990_951314.jpg
白花種

ハナミズキ(花水木)_e0038990_9522598.jpgハナミズキ(花水木)_e0038990_9523989.jpg
左:開き初め  右:樹皮 ヤマボウシと異なり細かく割れている


ハナミズキ(花水木)
和名:アメリカヤマボウシ(亜米利加山法師)
ミズキ科ミズキ属
学名:Cornus florida L.
synonym : Benthamidia florida (L.) Spach
花期:4月~5月 落葉小高木 樹高:3~12m 花(総苞片)径:8~9cm 果期:10~11月

ハナミズキ(花水木)_e0038990_21323673.gif


【学名解説】
Cornus : cornu(角)に由来/ミズキ属
florida : floridus(花の目立つ・花の充満した)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
Benthamidia : George Bentham (1800-1884)に因む/ヤマボウシ属
Spach : Edouard Spach (1801-1879)

撮影地:静岡県静岡市
葵区秋山町(植栽) 2006.04.24
葵区平和2丁目(街樹) 2006.04.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

24 April 2006
Last modified:30 April 2014
ハナミズキ(花水木)_e0038990_1703595.gif

by pianix | 2006-04-24 00:00 | | Comments(0)
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