オランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)
 オランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)は、ナデシコ科ミミナグサ属の1年草(越年草)です。ヨーロッパが原産で、北アフリカ・アジア・オセアニア・南北アメリカにも分布します。国内では、1910年頃に横浜で牧野富太郎博士によって確認された帰化植物です。非意図的移入とされています。本州から沖縄にかけて分布します。

 名の由来は、在来種のミミナグサ(耳菜草)1)に対する外来種であり、舶来との意味で使われたオランダを冠したもの。「耳」は、向かい合う葉が鼠の耳に似ている事からで、「菜」は食用であったからです。英名は、Mouse-eared chickweed。

 ナデシコ科(Caryophyllaceae Juss. (1789))は、熱帯から寒帯まで約75属2000種が分布します。ミミナグサ属(Cerastium L. (1753))は世界に60種があり、日本に5種が自生しています。

 茎は根本で分枝して叢生します。紫褐色を帯びる事があり、灰黄色の粘着性のある毛で被われています。草丈は10~60cmになります。葉は対生します。茎葉は淡緑色です。葉柄が無く、長さ7~20mmの長楕円形で全縁、先端が尖り、軟毛と腺毛が多くあります。

 花期は3月から6月。茎先に集散花序を付けます。約2~5mmの短い花柄を出し、白色の花が密集します。一般的に、花柄は萼片より短いと表現されます。花径7~8mmで、花弁は5枚あり、先端は浅く2裂します。萼片は緑色で5枚、花弁より短い。雄しべは10本。花柱は5裂します。(在来種のミミナグサは、花柄が10mm程と長く、まばらな集散花序となり、花弁と萼片がほぼ同長)。果実は蒴果です。円筒形で、先が裂けて褐色の種子を散布します。種子の長さは約0.5mm。染色体数は、2n=72。

☆  ☆  ☆

 野草を観察していた私に、老婦人が花を手にして尋ねてきました。「これはハコベかしら」「残念ながらオランダミミナグサですね」。老婦人は初めて耳にする花の名前を忘れないようにと、オランダミミナグサと繰り返しつぶやき、残念そうな様子は全くなく喜んでいました。花と名前が一致した瞬間というのは、それが何であれ嬉しいものだという印象を受けました。おばあちゃん、来年もオランダミミナグサを見ようね。

1)Cerastium fontanum Baumg. subsp. vulgare (Hartm.) Greuter et Burdet var. angustifolium (Franch.) H.Hara

Japanese common name : Oranda-miminagusa
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Cerastium glomeratum Thuill.

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雄しべ10本、花柱は5裂。花弁先端は浅く2裂する。花柄が短い。

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対生する葉が耳に似ていて、毛が多い

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左:果実は蒴果 右:種子は長さ約0.5mm


オランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)
別名:アオミミナグサ(青耳菜草)
ナデシコ科ミミナグサ属
学名:Cerastium glomeratum Thuill.
花期:3月~6月 1年草(越年草) 草丈:15~25cm 花径:7~8mm

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【学名解説】
Cerastium : cerastes(角状の)|蒴果形状から/ミミナグサ属
glomeratum : glomeratus(集まった・球状になった)
Thuill. : Jean Louis Thuillier(1757-1822)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.25km右岸河川敷 2006.04.24
安倍川/河口から9.00km左岸河川敷 2018.03.18, 2018.03.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 August 2012, 13 April 2017
Last modified: 13 April 2018
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by pianix | 2006-06-06 00:00 | | Trackback | Comments(0)
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