人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)
 ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草です。北アメリカが原産で、南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリアに分布します。日本へは1920年代(大正時代)に園芸用途で輸入されました。逸出して野生化している帰化植物で、全国に分布します。名の由来は、昼にも咲くツキミソウ(月見草)の意味から。

 アカバナ科(Onagraceae Juss. (1789))は、特に北米・南米に多く、17属約670種が分布します。日本には4属29種があります。マツヨイグサ属(Oenothera L. (1753))は約200種が知られ、日本には在来の自生種はありません。

 ツキミソウはメキシコ原産の2年草で、夜に咲き、朝には萎んでしまう1日花です。それに対し、ヒルザキツキミソウは多年草であり、昼に咲き、数日間咲いています。ヒルザキツキミソウの花色は白色で、桃色に変色していきますが、咲き始めから桃色であるものをモモイロヒルザキツキミソウ(桃色昼咲月見草)として区別します。白花が基本種で、桃色は変種です。

 匍匐茎を横に広げて増殖します。白色の短毛が密生した茎は分枝し、草丈は30~60cmになります。葉は互生します。長さ5~7cmの線状披針形で浅い鋸歯があり、縁は波打ち、短い葉柄があります。

 茎の上部の葉腋に花を付けます。基部が筒状(10~15mm)になった白色の合弁花冠で、花冠径は4~5cm、花弁4枚の先端がへこみます。両性花です。雄しべは8本でT字に粘度が高い黄色の葯(6~16mm)が付き、雌しべは柱頭の先端が4裂し、白色の十字型になっています。これはマツヨイグサ属の特徴です。子房下位で、子房は花冠からかなり離れた茎の近くにあります。花冠が落ち、子房が残って果実になります。性質は強健。繁殖は種子あるいは株分けによります。

Japanese common name : Hiruzaki-tukimisou
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)_e0038990_20432998.jpg
Oenothera speciosa Nutt.
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)_e0038990_944936.jpg
モモイロヒルザキツキミソウ(桃色昼咲月見草)
Oenothera speciosa Nutt. var. childsii (L.H.Bailey) Munz
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)_e0038990_20442097.jpg
雄しべ8本、雌しべは柱頭の先端が4裂する。


ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)
アカバナ科マツヨイグサ属
学名:Oenothera speciosa Nutt.
花期:5月~7月 多年草 草丈:30~60cm 花径:4~5cm

ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)_e0038990_12135938.gif

【学名解説】
Oenothera : oinos(酒)+ther(野獣)/マツヨイグサ属
speciosa : speciosu(美しい・華やかな)
Nutt. : Thomas Nuttall (1786-1859)
---
L.H.Bailey : Liberty Hyde Bailey (1858-1954)
Munz : Philip Alexander Munz (1892-1974)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.5km 右岸河川敷 2006.05.11
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 June 2006
Last modified: 04 December 2014
ヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)_e0038990_1703595.gif

by pianix | 2006-06-26 00:00 | | Comments(2)
Commented at 2008-04-13 15:32 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2008-04-19 22:06
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
名前
URL
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< ヒロオビトンボエダシャク(広帯... タチイヌノフグリ(立犬の陰嚢) >>