キキョウ(桔梗)は、キキョウ科キキョウ属の多年草です。日本、朝鮮半島、中国東北部が原産です。国内では、北海道から九州にかけて自生分布する在来種です。しかし、環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。100年後の(自生種)絶滅確率は、ほぼ100%。
名の由来は、漢名である桔梗を音読したキチコウの転訛であると考えられています。漢名は、梗、結梗、桔梗と変遷したとも言われています。根が結実で硬直との意味と考えられています。和名については、森立之(1807~1885)の説があり、平安時代は万葉仮名で岡止止岐(ヲカトトキ)・加良久波(カラクハ)・阿佐加保(アサカホ)等と記され、後に乎加止止岐(ヲカトトキ)・阿利乃比布岐(アリノヒフキ)が現れ、岐知加宇(キチカウ)、岐京(キキャウ)とされた頃に漢名の音読が始まったとされています。秋の七草の1つです。英名は、Balloon Flower。朝鮮名は、トラジ(도라지)。 キキョウ科(Campanulaceae Juss. (1789))は、温帯から熱帯に約60属2000種があります。キキョウ属(Platycodon Alph. de Candolle, 1830)は、1属1種のみがあり、東アジアに分布します。 根には太い根茎があります。黄白色で長い紡錘形をしています。これを乾燥させたものが生薬の桔梗根で、消炎排膿薬、鎮咳去痰薬として使用されます。現在は中国や韓国からの輸入品がほとんどです。茎の断面は円形です。立ち上がり草丈50~100cmになります。茎は枝分かれする事があり、折ると白乳液がでます。葉は互生します。長さ4~7cmの狭卵形で先が尖り、葉裏は粉白色を帯びます。 花期は7月から9月頃。茎先に花冠径3~5cmの花を付けます。花冠は風船状に膨らんだ後に開花します。合弁花で、先端が5裂した広鐘形です。稀に4裂するものがあります。花色は青紫色です。稀に淡紫色や白色があります。白色種は根を食用に用いるために韓国で多く栽培されています。 両生花で他家受粉をします。開花時は雌しべ柱頭に雄しべ5本が囲んでいます。雄しべが先に熟して枯れた後に雌しべが成熟し自家受粉を防ぐ、雄しべ先熟(雄性先熟)です。初めに雄花期があり、雄しべの葯から出た花粉は雌しべ柱頭の回りに付きます。それを昆虫などが運び出します。枯れた雄しべは倒れて花冠の底に貼り付きます。その後が雌花期で、雌しべの柱頭が5つに裂けて他の花の花粉を受け入れます。この部分に注目すれば、開花後の経過が把握できます。子房は、花被の付け根よりも下にある下位子房(inferior ovary)です。果実は蒴果で、先端が5裂します。染色体数は、2n=18,36。 Japanese common name : Kikyou キキョウ(桔梗) キキョウ科キキョウ属 学名:Platycodon grandiflorus (Jacq.) A.DC. 花期:7月~9月 多年草 草丈:50~100cm 花冠径:3~5cm 【学名解説】 Platycodon : platys(広い)+ codon(鐘)/キキョウ属 grandiflorus : grandiflorum(大きい花の) Jacq. : Nicolaus Joseph Baron von Jacquin (1727-1817) A.DC. : Alphonse Louis Pierre Pyramus de Candolle (1806-1893) --- f. : forma(品種) albiflorus : 白花 Honda : 本田政次 Masaji Honda (1887-1984) H.Hara : 原寛 Hiroshi Hara (1911-1986) 撮影地:静岡県静岡市 自宅(植栽) 2006.06.29 葵区山崎 2006.07.13 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 1 July 2006 Last modified: 29 August 2016
by pianix
| 2006-07-01 00:00
| 花
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 2月末日現在) 合計676,607人 (前年同月比 -5,483人) 男:329,454人 女:347,153人 世帯数324,388戸 (前年同月比 +1.770戸) 最新のコメント
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