キツネノマゴ(狐の孫)は、キツネノマゴ科キツネノマゴ属の1年草です。日本や東南アジアに分布します。日本では本州以西に分布する在来種です。名の由来は、諸説があり不明です。花冠を狐の顔、花穂を狐の尻尾に見立て、小さいので孫を充てたとの説があります。中国名は、爵床(jué chuáng)。
キツネノマゴ科(Acanthaceae Juss. (1789))は、中南米や東南アジア等の熱帯と温帯の一部に約250属2500種があります。キツネノマゴ属(Justicia L. (1753))は、熱帯から温帯に約300種が分布します。 茎は4稜(断面四角形)があり、地を這った後、直立か斜上します。まばらに枝分かれし、草丈10~50cmになります。茎には短毛があります。葉は対生します。長さ2~5cm、幅1~2cmの卵形から長楕円形で全縁です。 花期は、8月から10月。枝先に2~5cmの穂状(すいじょう)花序を出し、淡紅紫色の唇形花を付けます。花冠の長さは7~8mm。上唇は細く2浅裂して白色、下唇先端は3裂して淡紅紫色の地色に白色の斑紋があります。萼は線形で、4~5裂します。萼片や苞の縁に白色の毛があります。 子房上位で2室があります。雄しべ2本は上唇に付きます。葯は上下に2室あり、下側が大きく、基部に突起があります。雌しべ柱頭は先端が2裂します。虫媒花です。 果実は蒴果です。長さ5~6mm、幅約1.5mm。熟すと上部から2裂し、胚珠の柄の弾力で種子4個を弾き飛ばします。種子は黒色で丸く、長さ1~1.5mm。染色体数は、2n=18,36。 次の種、変種があります。 ・白花の、シロバナキツネノマゴ(白花狐の孫) Justicia procumbens L. var. leucantha Honda ・沖縄、台湾に分布し葉の形状が卵形の、キツネノヒマゴ(狐の曾孫) Justicia procumbens L. var. riukiuensis Yamam. ・沖縄、台湾に分布し葉の形状が広卵形の、キツネノメマゴ(狐の女孫) Justicia hayatae Yamam. Japanese common name : Kitune-no-mago キツネノマゴ(狐の孫) キツネノマゴ科キツネノマゴ属 学名:Justicia procumbens L. var. procumbens [狭義] Justicia procumbens L. var. leucantha Honda f. japonica (Thunb.) H.Hara 花期:8月~10月 1年草 草丈:10~50cm 花径:2~5mm 【学名解説】 Justicia : James Justice (1698-1763)に因む/キツネノマゴ属 procumbens : 伏臥した、這った、倒伏形の L. : Carl von Linne (1707-1778) var. : varietas(変種) --- leucantha : leucantha : leucanthus/leuc(白い)+anthus(花) Honda : 本田正次 Masaji Honda (1897-1984) f. : forma(品種) japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)] Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828) H.Hara : 原 寛 Hiroshi Hara (1911-1986) --- キツネノヒマゴ Justicia procumbens L. var. riukiuensis Yamam. riukiuensis : 琉球の Yamam. : 山本由松 Yoshimatsu Yamamoto (1893-1947) キツネノメマゴ Justicia hayatae Yamam. hayatae : 早田文蔵 Bunzo Hayata (1874-1934)氏の シロバナキツネノマゴ Justicia procumbens L. var. leucantha Honda 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2006.09.16 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 19 September 2006, 19 September 2014, 22 December 2014, 14 October 2018 Last modified: 5 July 2023
by pianix
| 2006-09-19 00:00
| 花
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
自然体験活動指導者 《静岡県》 森林環境教育指導者 環境学習指導員 ◆専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けたら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【見にくい場合】スマホでレイアウトが乱れて見にくい場合は、ご利用のブラウザアプリでPC版に切り替えて下さい。PC版で最適化しています。 【検索する】和名はカタカナ表記です。漢字やひらがなで検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】[停止中]承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布、及び栽培方法、生育地の詳細、民間薬としての使い方等を問い合せされてもお応えできません。 静岡県の推計人口 (2024年 2月 1日現在) 総数3,544,597人 (前月比 -3,553人) 世帯数1,515,983世帯 (前月比 -292世帯) 静岡市の人口・世帯数 (2024年 1月末日現在) 合計677,147人 (前年同月比 -5,763人) 男:329,734人 女:347,413人 世帯数324,434戸 (前年同月比 +1.576戸) 最新のコメント
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