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シュウカイドウ(秋海棠)
 シュウカイドウ(秋海棠)は、シュウカイドウ科シュウカイドウ属の多年草です。中国や東南アジアが原産で、日本へは、江戸時代の1641(寛永18)年に中国から輸入され、逸出して帰化したものです。関東地方以西で野生化しています。名の由来は、中国名「秋海棠」の音読みで、秋に咲く事と合わせ、花を海棠に見立てたもの。英名は、Hardy begonia。海棠はバラ科リンゴ属で、日本ではハナカイドウ(花海棠)Malus halliana Koehne 。

 シュウカイドウ科(Begoniaceae Bercht. & J. Presl, 1820)は、熱帯から亜熱帯に4属2000種以上が分布します。シュウカイドウ属(Begonia L. (1753) )は、熱帯から亜熱帯に900~1000種が分布し、日本では2種が自生します。

 半日陰の湿地や林の中で野生化しています。ある程度の耐寒性があり、根茎で越冬します。シュウカイドウ属は園芸用途で温室栽培される事が多く、日本の冬を屋外で越冬できるのは本種のみと言われています。塊茎から、肉質で多汁な緑色の地上茎を出します。草丈は40~80cmになります。

 葉は互生し、長い柄があります。葉の形は左右非相称の偏心形で長さ8~20cm、幅7~15cm。左右非相称になるのはシュウカイドウ属の大きな特徴です。不規則な鋸歯があります。上部の葉腋から花柄を伸ばし分枝して花序を出します。分枝した茎は赤味を帯びます。

 雌雄異花で、花序中に雌雄の花があります。雄花は花被片4枚がある離弁花です。大きな萼片2枚と小さな花弁2枚からなります。花径は2~3cm。中央に黄色の葯を持つ雄しべが密集し、基部は合着します。雌花は、基部にある三角形の翼の形をした子房が発達し、先端が分岐した花柱3本を出します。子房下位です。雄花が先で雌花は後から咲きます。

 果実は子房室の背面(背縫線部分)で裂ける胞背裂開蒴果です。蒴果とは、果実が熟して縦に裂けて種子を散布するものです。葉腋に珠芽ができ、これによっても繁殖します。全草に蓚酸を含み酸っぱく、その殺菌作用によって皮膚病の民間薬として使われてきました。

Japanese common name : Syuukaidou
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Begonia grandis Dryand.
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▲ 全体

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▲ 左:雄花の葯 右:裏側。大きいのが萼


シュウカイドウ(秋海棠)
別名:ヨウラクソウ(瓔珞草)
シュウカイドウ科シュウカイドウ属
学名:Begonia grandis Dryand.
花期:7月~9月 多年草 草丈:40~80cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Begonia : Michel Begon(1638-1710)に因む/シュウカイドウ属
grandis : 大形の・偉大な
Dryand. : Jonas Carlsson Dryander (1748-1810)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川上流 2006.09.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 29 September 2006
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by pianix | 2006-09-29 00:00 | | Comments(0)
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