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キヅタ(木蔦)
 キヅタ(木蔦)は、ウコギ科キヅタ属の常緑低木です。日本、朝鮮に分布します。日本では、北海道南部、本州、四国、九州、沖縄に分布する在来種です。名の由来は、木本の蔦であることから。別名のフユヅタ(冬蔦)は、冬にも常緑である事から。

 ウコギ科(Araliaceae Juss. (1789))は、温帯から熱帯にかけて約50属700種が分布します。キヅタ属(Hedera L. (1753))は、ヨーロッパ、北アフリカ、アジアに分布します。日本には1属1種が自生します。

 茎から気根を出し、地表を這ったり樹木に付着して登ります。葉は互生します。光沢がある革質で全縁、長さ3~6cm、幅2~4cmの楕円形から菱状卵形で先端は鋭頭。若い枝に付く葉は、掌状に浅く3~5裂することもあり、形状の違いがあります。葉柄の長さ2~5cm。葉の付け根には黄褐色の鱗片毛があります。

 花期は、10月から12月頃。散形の花序を出し、10~13個の両生花を付けます。雄性先熟。花径は4~5mm、花被片は5枚で黄緑色。雄しべは5本。同じ長さの花柄が放射状に出るので、花序は半球状に見えます。果実は核果です。紫黒色の球状で、径6~8mmです。種子は5個あり、扁球形で径約5mm。染色体数は、2n=48。

 キヅタは、属名のヘデラ(Hedera)や、アイビ(Ivy)ーの呼び方があります。キヅタは日本に自生し、白覆輪の種類は栽培もされます。ヨーロッパに自生する種類のセイヨウキヅタ(西洋木蔦)Hedera helix L. は、英名がイングリッシュアイビー(English ivy)で、葉に黄色の中斑が入るゴールデンハート、白覆輪のグレーシア、白散斑のゴールドダストが主要な品種です。

 北アフリカのカナリー産であるカナリーキヅタHedera canariensis Willd. は、和名オカメヅタで、観葉植物として世界的に栽培され、コルシカ産のコルシカキヅタHedera colchica (C.Koch) C.Kochは大葉の種類です。どの品種も丈夫で、挿し木で容易に繁殖できます。

Japanese common name : Ki-zuta
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Hedera rhombea (Miq.) Bean

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左:気根 右:若い枝に付く葉は掌状に浅く3~5裂することがある。

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11月の花被片が反り返った状態

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左:果期の果実  右:花柄の鱗状毛

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左:果実の鱗状毛  右:果実の断面


キヅタ(木蔦)
別名:フユヅタ(冬蔦) 誤記:キズタ
ウコギ科キヅタ属
学名:Hedera rhombea (Miq.) Bean
花期:10~12月 常緑低木(蔓性) 花序長:25~30mm 花径:4~5mm 果期:4~6月

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【学名解説】
Hedera : キヅタの古代ラテン名、ギリシャ語でhedra(座)/キヅタ属
rhombea : rhombeus(菱形の)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Bean : William Jackson Bean (1863-1947)

撮影地:静岡県静岡市
葵区追手町 2006.10.13
安倍川/河口から12.50km左岸 2006.11.17
葵区牛妻 2006.11.17
賤機山 2018.02.07
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

16 November 2006.11.16
Last modified: 25 February 2018
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by pianix | 2006-11-16 00:00 | | Comments(0)
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