カテゴリ:花( 365 )
マンサク(満作)
 マンサク(満作)は、マンサク科マンサク属の落葉小高木です。本州(太平洋側)、四国、九州に分布する在来の日本固有種です。名の由来は、不明です。東北の方言で「まんずさく=先ず咲く」、枝に多数の花がつく事から「満作」との説があります。語源不明なため万作とも書き、漢字表記も当て字と思われます。中国名は、金縷梅(jīn lǚ méi)で、これはシナマンサク1)(支那満作)を指します。

 マンサク科(Hamamelidaceae R.Br. (1818))は、亜熱帯から暖帯に27属約80~90種が分布します。マンサク属(Hamamelis L. (1753))は、東アジアと北米に約4種が分布します。

 山地に多い落葉小高木で、樹高は2~5m。樹皮は灰色。葉柄は長さ5~15mm。葉は互生します。長さ5~10cm、幅5~7cmの菱状円形から倒卵形で、波状の鋸歯があります。葉裏は脈が隆起して目立ちます。葉柄や葉表に軟毛があるのは、シナマンサクです。

 花期は、2月から3月。葉に先立って花を咲かせます。丸めて収められていた花弁を展開するため、ねじれた細長いリボン状となります。花弁は黄色で4枚。長さ12~15mmで、花径は2~3cm。雌雄同株。雄しべ4個、線形の仮雄しべ4個があります。葯室は2個あり、葯色は黄色。雌しべ花柱は先端が2裂します。萼片は、暗紫色の卵形で4個。

 果期は6月頃。果実は蒴果です。褐色の腺毛がある卵形球状で固く、長さ約1cm。2裂して2個の種子を出します。種子は黒色の長楕円形で、長さ7~9mm。染色体数は、2n=24。

 萼片が黄色のものは、岡山県阿哲地方に自生するアテツマンサク2)(阿哲満作)で、準絶滅危惧(NT)。葉先が丸いのは、マルバマンサク2(丸葉満作)です。他に園芸品種が多数あります。

 樹皮を縄の代用として用いる事があります。虫瘤のマンサクメイボフシ(満作芽疣付子)や、マンサクメイガフシ(満作芽毬付子)が付く事があります。また、葉枯れの病気が発生する場合があり、原因の究明が急がれています。乾燥葉を民間療法や収斂化粧水とする事がありますが、薬用として用いられる事はありません。

脚注:
1)シナマンサク(支那満作)
Hamamelis mollis Oliv.
2)アテツマンサク(阿哲満作)
Hamamelis japonica Siebold et Zucc. var. bitchuensis (Makino) Ohwi[準絶滅危惧](NT)
3)マルバマンサク(丸葉満作)
Hamamelis japonica Siebold et Zucc. var. discolor (Nakai) Sugim. f. obtusata (Makino) H.Ohba

Japanese common name : Mansak
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Hamamelis japonica Siebold et Zucc.

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花弁4枚と雄しべ4個、仮雄しべ4個があり、雌しべ花柱は2裂。萼片は暗紫色。

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左:花後に葉が展開する 右:樹皮
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Japanese common name : Atetu-mansak
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アテツマンサク(阿哲満作)
Hamamelis japonica Siebold et Zucc. var. bitchuensis (Makino) Ohwi


マンサク(満作)
マンサク科マンサク属
学名:Hamamelis japonica Siebold et Zucc.
花期:2月~3月 落葉小高木 樹高:2~5m 花径:2~3cm

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【学名解説】
Hamamelis : hamos(似た)+melis(リンゴ)からの転用/マンサク属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Siebold : Philipp Franz (Balthasar) von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
---
シナマンサク(支那 満作)
mollis : 軟毛のある
Oliv. : Daniel Oliver (1830-1916)
---
アテツマンサク(阿哲満作)
var. : varietas(変種)
bitchuensis : 備中(現岡山県西部)産の
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
Ohwi : 大井次三郎 Jisaburo Ohwi (1905-1977)
---
マルバマンサク(丸葉満作)
discolor : 2色の
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)
Sugim. : 杉本順一 Jun'ichi Sugimoto (1901-1988)
f. : forma(品種)
obtusata : obtusatus(鈍頭の)
H.Ohba : 大場秀章 Hideaki Ohba (1943- )

撮影地:岩手県盛岡市
北松園緑地 カモシカ峠(植樹) 2018.03.24
[Location : Morioka City, Iwate Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 April 2018
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by pianix | 2018-04-16 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヒマラヤユキノシタ(ヒマラヤ雪の下)
 ヒマラヤユキノシタ(ヒマラヤ雪の下)は、ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属の多年草です。ヒマラヤ山脈周辺が原産地です。日本には、明治初期に移入されたと考えられています。北海道から九州にかけて園芸用途で栽培されています。名の由来は、ヒマラヤ地方が原産であり、ユキノシタ科である事から。中国名は、短柄岩白菜(duǎn bǐng yán bái cài)。英名は、Himalayan creeping saxifrage。

 ユキノシタ科(Saxifragaceae Juss. (1789))は、温帯から寒帯にかけて約17属500種1)があります。ヒマラヤユキノシタ属(Bergenia Moench, 1794)は、中国、ヒマラヤ、中央アジア等に8種があります。

 根茎状の木質化した基部は初め這い、途中から花茎を立ち上げます。草丈は、10~50cm。葉は互生します。根生葉は光沢のある革質の倒卵形で、葉縁に棘状の鋸歯があります。長さ15~20cm、幅約10cm。長い葉柄があります。常緑ですが、寒さによっては赤褐色を帯びることがあります。

 花期は、2月から5月。茎先に集散花序を出し、桃色の花を多数付けます。花茎は径1~2mm。花径は2~3cm。花弁は倒卵形で、5~6個付きます。雄しべは10本で赤味を帯び、葯色は黄色、長さ6~7mm。雌しべは薄緑色で、長さ7~8mm。柱頭は2~3裂します。

 萼筒は椀形で、幅5~6mm。萼片は5~6裂し、三角状で、長さ約4mm、幅約4mm、先端は尖りません。果実は朔果です。胚珠は中軸胎座 2)。種子は長卵形で、長さ約0.5mm。染色体数は、2n=34。

 種間交雑品種が多く出回っています。ほぼ手入れなしの放任で毎年花をつけます。繁殖は、実生、株分け等で行います。別名でオオイワウチワ(大岩団扇)と呼ばれることがありますが、オオイワウチワ3)は、イワウメ科の別種です。

脚注:
1)以前は約80属1200種が属する大きな科でしたが、近年に幾つかの科が分離され減少しました。
2)中軸胎座 (axial placentation):合生雌しべで、子房の中軸に胚珠がつくもの。
3)Shortia uniflora (Maxim.) Maxim. var. uniflora

Japanese common name : Himaraya-yukinosita
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Bergenia stracheyi (Hook.f. et Thomson) Engl.

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基部は根茎状。葉は互生し、倒卵形。

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雄しべは10本、雌しべ柱頭は2~3裂する。写真左が2裂、右は3裂。

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茎先に5~8cmの集散花序をつける。

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左:受粉後の雌しべと雄しべ。 右:萼筒は椀形、萼片は5~6個。

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葉縁に棘状の鋸歯がある。 左:葉表 右:葉裏

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左:萼を取り払った雌しべ。3裂。右:種子は長卵形(未熟)

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2裂雌しべ子房部分 右は輪切り状態の子房

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中軸胎座につく胚珠


ヒマラヤユキノシタ(ヒマラヤ雪の下)
ユキノシタ科ヒマラヤユキノシタ属
学名:Bergenia stracheyi (Hook.f. et Thomson) Engl.
花期:2月~5月 多年草(常緑宿根草) 草丈:10~50cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Bergenia : Karl August von Bergen (1704-1759)の名に因む/ヒマラヤユキノシタ属
stracheyi : Lieutenant-General Sir Richard Strachey (1817-1908)の
Hook.f. : Joseph Dalton Hooker (1817-1911)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Thomson : Thomas Thomson (1817-1878)
Engl. : Heinrich Gustav Adolf Engler (1844-1930)

撮影地:静岡県静岡市
葵区昭府町 2017.04.12
自宅 2018.03.12, 2018.03.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

21 March 2018
Last modified: 29 March 2018
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by pianix | 2018-03-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ハルシャギク(波斯菊)
 ハルシャギク(波斯菊)は、キク科ハルシャギク属の1年草です。北米西部原産で、明治初期に栽培用途として移入されたと言われています。栽培種が逸出して野生化しています。和名の波斯は、ペルシャ(現イラン)のことですが、原産地との関係はありません。別名のジャノメソウは、花冠が蛇の目模様であることから。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ハルシャギク属(Coreopsis L. (1753) は、アメリカやアフリカに約120種が分布します。

 園芸用途での花壇植えの他、日当たりの良い草地などで野生します。茎は無毛で、分枝しながら60~80cmの高さになります。葉は、対生します。2回羽状の複葉で深裂か全裂し、線形から線状披針形で先端は丸まります。蕾は暗赤褐色の筋があり球形。

 花期は、6月から9月頃。複集散花序1)を出し、柄の先に頭状花をつけます。皿状の総苞片は2列。総苞片は内片より外片が長くなります。花径は、3~4cm。花色は黄色で、中心部が紫褐色になります。舌状花は約8枚。先端は山状に浅く3裂します。黄色で、基部は紫褐色、不稔性です。中心部に紫褐色の筒状花が多数あり、両性花で、5本の雄しべの葯は合着して葯筒となります。

 果実は、痩果です。種子は翼があり、長さ1.5~4mm。属名のCoreopsisは、果実が南京虫(トコジラミ)に似ているとの意味ですが、果実を見て連想できる人は今では少ないかもしれません。染色体数は、2n=24。

 ハルシャギク属の全種は、外来生物法で輸入時に種類名と数量が記載された「種類名証明書の添付が必要な生物」に指定(外来生物法25条、外来生物法施行規則31条・32条)されています。

 同属のハルシャギクの仲間に次の種類があります。
ホソバハルシャギク(細葉波斯菊)Coreopsis grandiflora Hogg ex Sweet
イトバハルシャギク(糸葉波斯菊)Coreopsis verticillata L.
ハマベハルシャギク(浜辺波斯菊)Coreopsis maritima (Nutt.) Hook.f.
 ヘレニウム属に、マツバハルシャギク(松葉波斯菊)Helenium amarum (Raf.) H.Rock があります。

脚注:
1)複集散花序:複合花序のひとつで、集散花序が組み合わさる花序。主軸から横枝を出し、その分枝を繰り返す。

Japanese common name : Harusya-giku
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Coreopsis tinctoria Nutt.

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花壇に咲くハルシャギク。茎は細く無毛。中心部の紫褐色模様は変異がある。

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野生化して草地に繁殖する。葉は対生。2回羽状の複葉で、線形から線状披針形。

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果実は、痩果。



ハルシャギク(波斯菊)
別名:ジャノメソウ(蛇目草)、クジャクソウ(孔雀草)
キク科ハルシャギク属
学名:Coreopsis tinctoria Nutt.
花期:6月~9月 1年草 草丈:60~80cm 花径:3~4cm

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【学名解説】
Coreopsis : coris(南京虫)+opsis(似ている)/ハルシャギク属
tinctoria : tinctorius(染色用の、染料の)
Nutt. : Thomas Nuttall (1786-1859)
---
ホソバハルシャギク(細葉波斯菊)
grandiflora : 大きな花の
Hogg : Thomas Hogg (1777-1855)
ex : ~による
Sweet : Robert Sweet (1783-1835)
---
イトバハルシャギク(糸葉波斯菊)
verticillata : verticillatus(輪生の、環生の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
ハマベハルシャギク(浜辺波斯菊)
maritima : maritimus(海の、海浜生の)
Hook.f. : Joseph Dalton Hooker (1817-1911)
---
マツバハルシャギク(松葉波斯菊)
Helenium : Menelaus王の妻トロイのヘレン(Helena)の名/オグルマ属
amarum : amarus(苦味の)
Raf. : Constantine Samuel Rafinesque (1783-1840)
H.Rock : Howard Francis Leonard Rock (1925-1964)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km左岸 河川敷(植栽)2005.11.02
麻機湧水地第3工区 2017.09.24, 2017.09.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 23 January 2018
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by pianix | 2018-01-23 00:00 | | Trackback | Comments(0)
マユミ(真弓)
 マユミ(真弓)は、ニシキギ科ニシキギ属の落葉小高木です。日本、朝鮮半島、中国、サハリンに分布します。日本では、北海道から九州に分布する在来種です。名の由来は、弓の材料に使われた事から。中国名は、西南卫矛(xī nán wèi máo)、檀(tán)。英名は、Spindle tree。

 ニシキギ科(Celastraceae R. Br. (1814))は、世界に約100属1000種以上があり、ニシキギ属(Euonymus L. (1753))は世界に約220種、日本には18種が分布します。

 山野に自生します。灰白色の樹皮で裂けて縦筋が入り、高さ3~5mになります。庭木としても利用されます。材質は緻密で象牙色である事から、将棋駒、こけし、箱類の木工品用材とされます。枝は稜があり、柔軟で良くしなります。葉は、対生します。長楕円形で、長さ6~12cm、幅2〜8cm。細鋸歯があり鋭頭。葉柄は長さ5~20mm。冬に紅葉して落葉し、果実のみが残ります。

 花期は、5月から6月頃。芽鱗痕の腋から3~6cmの集散花序を出します。淡緑白色で径1cm程の花を1~7個つけます。萼片4個、長卵形の花弁4個、緑色の花盤に雄しべが4個つき、葯は赤色。中央に薄緑色の雌花があります。雌雄同株。花柱の長短2型があり、雌しべが短い花は結実しにくい。不完全雌雄異株説もあります。

 果実は蒴果です。倒三角形で4稜があり、長さ約8~10mm。熟すと4裂して種子を出します。種子は、長さ約7mm、幅約4mmの楕円形で、光沢のある赤色の仮種皮に包まれます。仮種皮を取り除くと、長さ約5.5mm。果実は長くつきます。冬芽は卵形。染色体数は、2n=64。

 果皮や種子はアルカロイド(エボニン1))が含まれ有毒です。誤食により、嘔吐、下痢、悪寒、大量摂取で痙攣を引き起こします2)。頭ジラミの殺虫剤としての利用がありました。

 変種に、カントウマユミ(関東真弓)Euonymus sieboldianus Blume var. sanguineus Nakai 別名、ユモトマユミ(湯元真弓)、アカマユミ(赤真弓)があり、葉裏の葉脈に突起状の毛が密生します。

 同属で、赤い実をつける次のものがあります。
ニシキギ(錦木)Euonymus alatus (Thunb.) Siebold f. alatus
ツリバナ(吊花)Euonymus oxyphyllus Miq. var. oxyphyllus
マサキ(柾)Euonymus japonicus Thunb.

脚注:
1)エボニン(Evonine) : C36H43NO17
2)日本の有毒植物 フィールドベスト図鑑 佐竹元吉著 / 公益財団法人日本中毒情報センター 保健師・薬剤師・看護師向け中毒情報【有毒な木の実・草の実】Ver.1.02

Japanese common name : Mayumi
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Euonymus sieboldianus Blume

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花期は5月から6月頃。集散花序を出し淡緑白色の花をつける。葉は長楕円形。

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左:若い緑色の果実(5月)倒三角形で4稜がある。右:色づいた果実(12月)

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熟すと4裂して種子を出す。種子は光沢のある赤色の仮種皮に包まれる。

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左:仮種皮を取り除いた種子。右:種子の断面。

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左:1月の果実。長い期間残る。 右:寒くなると花序枝が赤くなる。

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左:太くなると灰白色の樹皮は裂けて縦筋が入る。 右:冬芽は卵形で鋭頭。



マユミ(真弓・檀)
別名:ヤマニシキギ(山錦木)、カンサイマユミ(関西真弓)、オオバマユミ(大葉真弓)、エゾオオバマユミ(蝦夷大葉真弓)
ニシキギ科ニシキギ属
学名:Euonymus sieboldianus Blume
synonym : Euonymus hamiltonianus auct. non Wall.
花期:5月~6月 落葉小高木 樹高:3~5m 花径:約1cm 果期:10~11月

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【学名解説】
Euonymus:eu(良い)+ onoma(名)/ニシキギ属
sieboldianus:Philipp Franz von Siebold (1796-1866)+iānus(シーボルトの)
Blume:Carl Ludwig von Blume (1796-1862)
---
hamiltonianus : William Hamilton (1783-1856)氏の
auct. non : auctorum(著者らの)+non(否定)/著者の命名では無い
Wall. : Nathaniel Wallich (1786-1854)

撮影地:静岡県静岡市
足久保川(安倍川水系) 2006.01.17
賤機山(Shizuhata-yama) 2016.04.29, 2016.05.04, 2016.05.30, 2017.12.28, 2018.01.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

9 January 2018
Last modified: 20 January 2018
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by pianix | 2018-01-09 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヤマノイモ(山の芋)
 ヤマノイモ(山の芋)は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属の蔓性多年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、本州から沖縄にかけて分布する在来種です。名の由来は、山に生える芋である事から。里芋に対する名称との説もあります。別名は、ジネンジョ(自然薯)、ジネンジョウ(自然生)、ヤマイモ(山芋)等。中国名は、日本薯蕷(Rìběn shǔyù)。英名は、Yam。

 ヤマノイモ科(Dioscoreaceae R.Br. (1810))は、熱帯及び暖温帯に8属約800種が分布します。ヤマノイモ属(Dioscorea L. (1753))は、東アジア北部に広く分布します。ヤマノイモ科の内、約600種がヤマノイモ属です。約40種が食用とされ、約15種が栽培されていて、日本には13種があります。珠芽があり根茎の根が肥厚するヤマノイモの仲間と、根茎の根が肥厚しないオニドコロの仲間に分ける事ができます。

 日当たりの良い山地の林縁などで自生します。ひげ根がある肥厚した長い担根体(地下茎)があります。地中深くに伸び、長さ1m以上、太さ3cm程になります。食用とされ、粘りが強い事から、「とろろ」として利用されます。栽培では、パイプや波板シートに設置して掘り出しやすいようにしています。

 葉は、対生します。基部が心形の三角状披針形で、長さ5~10cm、幅3~5cm。無毛で鋭尖頭、全緑。葉腋に径1cm内外で腋芽が肥大した偏球形のムカゴ(零余子)を付けます。幅25~28mm。ムカゴは栄養繁殖器官で、落下後に芽を出します。これは食用となります。

 花期は、7月から8月。雌雄異株。葉腋から雄花序と雌花序を出します。雄花序は立ち上がり、花は白色でほとんど開かず、花被片は外花被片3個、内花被片3個の計6個。無柄で径約2mm。雄しべは6個。雌花序は下垂し、基部から順に咲きます。雌しべは3個、柱頭は2裂します。果実は、蒴果です。3つの陵に3室があり、長さ約15mm、幅約25mm。種子は、薄膜状の翼があり、10~15mmの扁平円形。染色体数は、2n=40。

 根茎(担根体)の周皮を取り除き乾燥させたものを、生薬の山薬(第十七改正日本薬局方)として滋養強壮、止瀉、鎮咳に用います。

 ヤマノイモ属は種類が多く、またよく似ているので注意を要します。代表的なものを列挙します。
 ヤマノイモと同じように葉が対生する、帰化種のナガイモ(長薯)Dioscorea polystachya Turcz. 。別名ツクネイモ、中国名は薯蕷。栽培種の逸出で野生する時があります。
 葉が互生するものに、トコロ(野老)の仲間があります。
 オニドコロ(鬼野老)Dioscorea tokoro Makino 別名トコロ(野老)、中国名は山萆薢。山野に多くあり、ヤマノイモと混生している場合があります。雌花は黄緑色。
 タチドコロ(立野老)Dioscorea gracillima Miq. 中国名は纖細薯蕷。本州と九州(2n=20)、四国(2n=40)に分布します。雌花は淡橙黄色。
 ヒメドコロ(姫野老)Dioscorea tenuipes Franch. et Sav. 別名エドドコロ(江戸野老)、中国名は細柄薯蕷。雌花は黄緑色。本州中部以西に分布します。
 カエデドコロ(楓野老)Dioscorea quinquelobata Thunb. 雌花は橙色で、葉が3~9裂します。
 キクバドコロ(菊葉野老)Dioscorea septemloba Thunb. 別名モミジドコロ(紅葉野老)。雌花は黄緑色や暗紫色で、葉は5〜9裂します。
 帰化種のニガカシュウ(苦荷首烏)Dioscorea bulbifera L.f. spontanea (Makino) Makino et Nemoto 別名マルバトコロ、中国名は黃獨。ムカゴがつきます。

Japanese common name : Yama-no-imo
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Dioscorea japonica Thunb.

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左:雄花はほとんど開かない 右:雌花と果実

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左:ムカゴが着生。 右:葉は基部が心形の三角状披針形。

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果実は蒴果。3室あり、円形の薄膜状の翼がある種子を出す。

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左:ヤマノイモ栽培農地     右:梱包状態の販売商品



ヤマノイモ(山の芋)
別名:ジネンジョ(自然薯)、ヤマイモ(山芋)
ヤマノイモ科ヤマノイモ属
学名:Dioscorea japonica Thunb.
花期:7月~8月 多年草 草丈:蔓性 花径:約2mm

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【学名解説】
Dioscorea : Pedanius(Pedanios) Dioscorides (ca.40-ca.90 AD)に因む/ヤマノイモ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
ca. : circa(およそ)
---
ヒメドコロ(姫野老)Dioscorea tenuipes Franch. et Sav.
tenuipes : 細い柄のある
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Sav. : Paul Amedée Ludovic Savatier (1830-1891)
---
タチドコロ(立野老)Dioscorea gracillima Miq.
gracillima : gracillimus(非常に細長い)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
---
カエデドコロ(楓野老)Dioscorea quinquelobata Thunb.
quinquelobata : quinquelobatus(五浅裂した)
---
キクバドコロ(菊葉野老)Dioscorea septemloba Thunb.
septemloba : septemlobus(種の中の真正のもの)
---
ニガカシュウ(苦荷首烏)Dioscorea bulbifera L.f. spontanea (Makino) Makino et Nemoto
bulbifera : 鱗茎のある
L.f. : Carolus Linnaeus filius (1741-1783)
spontanea : spontaneus(野生の、自生の)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Nemoto : 根本莞爾 Kwanji Nemoto (1860-1936)/日本植物総覧共著者

撮影地:静岡県静岡市
葵区内牧 2006.08.18, 2006.10.27, 2006.10.30, 2006.11.24
葵区昭府町(茶臼山) 2017.12.21
葵区新伝馬 2017.12.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 December 2017, 31 December 2017
Last modified: 2 January 2018
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by pianix | 2017-12-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)
スイフヨウ(酔芙蓉)
 スイフヨウ(酔芙蓉)は、アオイ科フヨウ属の落葉低木です。日本、中国、台湾に分布します。日本では、沖縄、九州・四国に自生します。栽培種として観賞用に関東地方以西に分布します。名の由来は、中国名の木芙蓉(mù fú róng)の略名。中国での芙蓉は、ハスのことで、フヨウがハスの花に似ていることから。スイフヨウは、フヨウの花色が変化する様子を酒に酔った顔色に例えたもの。中国名は、醉芙蓉(zuì fú róng)。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、熱帯から冷帯にかけて、250属(APG)が分布します。クロンキスト体系(Cronquist system)では、約75属、約1500種でした。フヨウ属(Hibiscus L. (1753))は、約250種が分布します。

 フヨウの1品種として栽培されています。耐寒性がやや弱く、四国・九州・沖縄で自生、暖地で路地植えが可能です。樹高は、150~300cm。葉柄は長さ5~12cm。葉は、互生します。先が浅く3~7裂した五角形状で、基部は心形。長さ幅共に、10~20cm。冬に落葉します。葉や葉柄、萼と副萼片、果実には星状毛と腺毛があります。

 花期は、7月から10月。萼は5裂し、副萼片は線形で10個。花冠は基部で合着し、花径は10~15cm。雄しべが花弁化する八重咲きがほとんどですが一重もあります。咲き始めは白色で、夕方には紅色へと変化します。1日花です。

 色の変化は、アントシアニン1)(シアニジン-3-サンブビオシド2)、シアニジン-3-グルコシド3))によります。低温下での生合成は弱く、気温25℃以上で進みます。アントシアニン合成酵素のメッセンジャーmRNA 4)の発現量が増加し、アントシアニン色素が花弁液胞内に蓄積して赤色になっていきます5)。紫外線の影響ではありません。

 果実は蒴果です。球形で径25~27mm、裂開して径約32mm。子房上位で5室があります。種子は腎臓形で長さ約2~3mm。背面に長い剛毛があります。八重咲き種は不稔性です。よって繁殖は、挿し木が一般的です。

脚注:
1)Anthocyanin : 植物色素アントシアン(Anthocyan)の一つ。酸性で紅色、アルカリ性で青色にな る。
2)Cyanidin 3-sambubioside(C26H29O15)
3)Cyanidin 3-glucoside(Cl C21H21O11)
4)messenger RNA : 伝令RNA。DNAの遺伝情報を写しとって伝えるRNA(Ribonucleic acid)で、タンパク質合成させる機能をもつ。
5)花色変化メカニズムに関する研究(第3報)—スイフヨウ—(奥尚枝、三島鮎美、石黒京子)武庫川女大薬学部 : 日本薬学会年会要旨集(2011.03.05)

Japanese common name : Sui-fuyou
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Hibiscus mutabilis L. 'Versicolor'

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左:葉は3~7浅裂した掌状。花色が赤に変わっていく<2017.10.11> 右:幹

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果実は蒴果。星状毛と腺毛で覆われている。縦に5裂して多数の種子を出す。

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種子は腎臓形で、背面に長毛がある。


スイフヨウ(酔芙蓉)
アオイ科フヨウ属
学名:Hibiscus mutabilis L. 'Versicolor'
花期:7月~10月 落葉低木 樹高:150~300cm 花径:10~15cm 果期:10月

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【学名解説】
Hibiscus : 由来不明、ゼニアオイ属の古代ギリシャ及びラテン古名/フヨウ属
mutabilis : 変化しやすい、不安定な、色々に変わる
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Versicolor : 斑入り、変色、種々の色のある

撮影地:静岡県静岡市
賤機山 2017.10.11, 2017.11.27, 2017.12.14
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

19 December 2017
Last modified: 20 January 2018
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by pianix | 2017-12-19 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ショウジョウカ(猩猩花)
 ショウジョウカ(猩猩花)は、アオイ科イチビ属の常緑低木です。グアテマラ、ウルグアイ原産の栽培種です。多くの品種があり、世界の広くで栽培されています。名の由来は、花を中国の伝説上の動物である猩々の赤ら顔に例えたもの。中国名は金铃花で、日本にはオミナエシ科オミナエシ属に同名のキンレイカ(金鈴花)があります。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、約240属3700種。旧分類では約75属1500種が分布します。イチビ属(Abutilon Mill. (1754))は、アジアからヨーロッパにかけての温帯から熱帯に約100種があります。日本には3属があり、2種が自生します。

 水はけの良い明るいところを好みます。幹は灰褐色で、横長の疣状突起があり、高さ2~3mになります。葉は互生します。葉柄は3~5cm。掌状形に3~5中裂し、長さ5~15cm。葉に黄班が入るものがあります。

 花期は6月から11月。温暖な地域では四季咲きとなります。越冬気温は3~5℃。葉腋から長い花柄を出し、橙色の花をつけます。萼は筒状で緑色、星状毛があり、先が5裂します。5枚の花弁は交互に重なり合い、暗赤色で血管のような脈状模様が入ります。花冠は鐘状形で径2~4cm。花弁長は、4~5cm。下向きに咲き、雄しべと雌しべが花冠から突き出ます。雄しべは合着して筒状となり、葯色は黄色。その先端に5本の雌しべ花柱が伸び、柱頭は赤色。果実は、蒴果です。

★  ★  ★

 里山を歩くと家庭菜園としての農耕地が点在しているのが目に付きます。野菜を作られている方が多いのですが、傍らにきれいな花が咲いている時があります。そのような場合は、必ずと言って良いほど女性の方が作業をされています。作業する農地に彩りを与えるための、女性の細やかな心遣いなのでしょう。掲載した木が植えられている山の農地は、男性の姿しか見たことがありません。草花と異なり、樹木は男性の趣味かもしれません。はたして女性が植えた物なのかどうか、興味があります。

Japanese common name : Syouzyou-ka
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Abutilon pictum (Gillies ex Hook.) Walp.

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葉腋から長い花柄を出し、橙色の花をつける。

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花冠は鐘状形。雄しべは合着して筒状、先端に5本の雌しべがつく。

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萼には星状毛がある

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左:花後は花冠ごと落下する。花柱最下部に子房 右:花柱を取り除いた子房

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左:子房は白毛に覆われている 右:子房断面 胚珠

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左:成熟した果実断面 右:種子

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葉は掌状形で3~5中裂する。幹は灰褐色。


ショウジョウカ(猩猩花)
旧別名:アブチロン・ストリアツム
アオイ科イチビ属
学名:Abutilon pictum (Gillies ex Hook.) Walp.
synonym : Abutilon striatum Dicks. ex Lindl.
花期:6月~11月 常緑低木 樹高:2~3m 花冠径:約4cm

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【学名解説】
Abutilon : a(否定)+ bous(牡牛)+tilos(下痢)/イチビ属
pictum : pictus(有色の、色彩ある)
Gillies : John Gillies (1792-1834)
ex : ~による
Hook. : William Jackson Hooker (1785-1865)
Walp. : Wilhelm Gerhard Walpers (1816-1853)
---
synonym : (シノニム)同物異名
striatum : striatus(線条のある、線溝のある)
Dicks. : James (Jacobus) J. Dickson (1738-1822)
Lindl. : John Lindley (1799-1865)

撮影地:静岡県静岡市
賤機山(昭府町) 2017.11.23, 2017.12.06, 2017.12.28, 2018.01.15, 2018.02.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 December 2017, 31 December 2017
Last modified: 11 February 2018
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by pianix | 2017-12-12 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ホオノキ(朴の木)
 ホオノキ(朴の木)は、モクレン科モクレン属の落葉高木です。北海道、本州、四国、九州に分布する日本固有種です。近縁種は、中国、朝鮮半島に分布します。名の由来は、包むとの意味からと言われています。中国名は、日本厚朴(rì bĕn hòu piáo)。英名は、Japanese Umbrella Tree。

 モクレン科(Magnoliaceae Juss. (1789))は、アジア、アフリカの温帯および亜熱帯に13属240種が分布します。属名のマグノリア(Magnolia L. (1753))は、フランスのモンペリエ植物園園長マニョール(Pierre Magnol)の名に因むもので、アジアとアメリカ大陸に約90種があります。日本にはモクレン属6種、オダマキ属1種が自生します。

 全国の山地に自生します。大きなものでは、高さ約30m、径約1.5mになります。樹皮は灰白色。他感作用(アレロパシー1))があり2)、周囲に他の植物は生育しにくくなります。葉は互生します。枝先に螺旋状に集まります。葉柄は長さ2~4cm。葉身は倒卵形で、全縁、長さ30~45cm、幅10~25cm。葉裏は軟毛があり白灰色。

 花期は、5月~6月。枝先に上向きに花をつけます。花は杯形で径20cm。離弁花です。花被片は9~12個あり、外側3枚は顎状となり短く、内側は花弁状。乳白色で強い芳香があります。香りは虫の誘引の為と言われています。虫媒花です。甲虫類(ハナアブやハナムグリ)が訪花します。

 両性花です。花床の上部に雌しべ、下部に雄しべが密生します。雄しべ花糸は約2cmで赤色、葯は黄白色。雌性先熟です。花弁が少し開いた時が雄しべ成熟期(雄性期)、平開した時が雌しべ成熟期(雌性期)で、その後、雄しべと花弁を脱落させます。個々の花は時期をずらして開花します。

 果期は、9~11月。果実は長楕円形の集合袋果(etaerio of follicles)です。100~150個の袋果3)がつきます。長さ10~15cmで、熟すと赤褐色となり、裂開して艶のある赤色の仮種皮4)に包まれた長さ約1cmの種子を出します。仮種皮の下には肉質内層があります。白い糸状の珠柄5)で袋果と種子がつながります。

 個々の袋果には、0~2個の種子があります。個体の他の花粉により自家受粉を起こす事があり、自家受粉果より他家受粉果のほうが2種子袋果の割合が高い6)との報告があります。種子は黒色。集合果は最終的に茶褐色になり落下します。染色体数は、2n=38。

 葉は抗菌作用7)があるため、食べ物の包材として利用されます。飛騨高山の郷土料理である朴葉味噌をはじめ、朴葉餅、朴葉寿司にも使われます。材は軽く柔らかで歪みや変形が少ないので、まな板、刀の鞘、版木、マッチの軸、鉛筆材、下駄の歯等に利用されます。

 日局「厚朴」8)は、本種の樹皮を乾燥させたもので、整腸、健胃、収斂、利尿、去痰作用があります。成分は、精油、アルカロイド (マグノクラリン、マグノフロリン等) 、ジフェニール化合物 (マグノロール、ホーノキオール等)。果実を「朴の実」と称し、民間薬(風邪、嘔吐、疝気)として使われていました。中国産と区別するために日本産を和厚朴、中国産を唐厚朴と言う場合があります。

1)アレロパシー(Allelopathy):植物が放出する天然の化学物質(生理活性物質)が他の生物に、阻害的あるいは促進的(共栄的)な作用を及ぼすこと。Hans Molisch (1856-1937)が晩年に提唱した用語。
2)森林におけるアレロパシー(1996) 小島康夫 北海道大学
3)袋果(たいか)follicle:裂開果の一種で、一枚の心皮子房が成熟して袋状になった果実。内縫線あるいは外縫線に沿って裂開する。
4)仮種皮(かしゅひ)aril:種子の表面を覆う付属物。胚珠や胎座の一部が発達したもの。種衣(しゅい)。
5)珠柄(しゅへい)funiculus:種子になる部分の胚珠を子房の胎座に付着させている柄。
6)健全なホオノキ種子の選び方、他殖種子をより多く採る方法 中村和子・石田清 森林総合研究所北海道支所 研究リポート No.35(1996)
7)ホオノキの葉成分の各種病原微生物に対する抗菌効果 環境感染 巻:23 号:Supplement ページ:311 2008 武井泰・永井慎・上平公子
・抗菌成分:eudesmol,magnolol,honokiol - Antifungal Constituents in the Bark of Magnolia obovata Thunb.Mitsunori MORI, Masakazu AOYAMA, Shuichi DOI
・ホオノキ葉の精油成分:α- and β-pinene, camphene, limonene, bornyl acetate, caryophyllene, caryophyllene epoxide, and chavicol. - YAKUGAKU ZASSHI Vol. 96 (1976) No. 2 P 218-222
8)第十七改正日本薬局方 「本品はホオノキMagnolia obovata Thunberg (Magnolia hypoleuca Siebold et Zuccarini), Magnolia officinalis Rehder et Wilson 又はMagnolia officinalis Rehder et Wilson var. biloba Rehder et Wilson (Magnoliaceae)の樹皮である。本品は定量するとき、マグノロール0.8%以上を含む」

Japanese common name : Hoo-no-ki
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Magnolia obovata Thunb.

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左:蕾。すでに受粉を終えたものもある 右:雄しべ成熟期の始まり

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左:雄しべが脱落する 右:赤色は雄しべ花糸

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左:雄しべが落ち、花冠も枯れる 右:果実のみになる

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左:熟して赤くなった集合果 右:枝先に大きな葉を輪生状に互生する

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左:樹皮は灰白色 右:全体


ホオノキ(朴の木)
モクレン科モクレン属
学名:Magnolia obovata Thunb.
synonym : Magnolia hypoleuca Siebold et Zucc.
花期:5月~6月 落葉高木 樹高:15~30m 花径:15~20cm 果期:9~11月

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【学名解説】
Magnolia : Pierre Magnol(1738-1815)に因む/モクレン属
obovata : obovatus(倒卵形の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
synonym : Magnolia hypoleuca Siebold et Zucc.
hypoleuca : hypoleucus(下面が白色の)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
---
コウボク(厚朴)
Magnolia officinalis Rehder et E.H.Wilson
officinalis : 薬用の
Rehder : Alfred Rehder (1863-1949)
E.H.Wilson : Ernest Henry Wilson (1876-1930)
---
オウヨウコウボク(凹葉厚朴)
Magnolia officinalis Rehder et E.H.Wilson var. biloba Rehder et E.H.Wilson
var. : varietas(変種)
biloba : bi(2つの)+lobus(耳たぶ)=bilobus(二浅裂の)

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡 (Alt.435m) 2012.05.16, 2013.06.04
ダイラボウ (Alt.561m) 2016.09.01, 2017.05.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 August 2017
Last modified: 29 August 2017
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by pianix | 2017-08-28 00:00 | | Trackback | Comments(0)
カテンソウ(花点草)
 カテンソウ(花点草)は、イラクサ科カテンソウ属の多年草です。日本、中国、韓国、台湾に分布します。日本では、本州、四国、九州に分布します。名の由来は、不明。点のような小さな目立たない花を咲かせる事からとの説がありまが、中国語では異なります。中国名は、花點草(huā diǎn cǎo)。

 イラクサ科(Urticaceae Juss. (1789))は、熱帯から温帯にかけて約47属1300種、日本に11属約40種があります。カテンソウ属(Nanocnide Blume (1856))は、3(2)種が分布します。

 山野の木陰に自生します。匍匐枝で繁殖します。草丈は、10~30cm。茎に白毛が散生します。葉は互生します。菱形状卵形で、長さと幅は1~3cm。鋸歯があります。葉柄は1~5cm。花期は、4月から5月。雄花序は茎先の葉腋から集散花序を出します。約4cmの花柄の先に花被片5個の小さな花をつけます。

 雄しべ5個は丸まっていて、開花時に放射状に1本づつ勢いよく広がり、花粉を散布します。雌花序は葉腋に固まってつきます。柄が無く、花被片4個で淡紅色。雌雄同株(希に異株)の風媒花。果実は痩果です。長さ約1.5mm。花被に包まれ、宿存萼があり、種子1つを含みます。

 日本に分布するカテンソウ属は次の2種を含みます。南西諸島に分布する、シマカテンソウ(島花点草)Nanocnide lobata Wedd. は、別名ヤエヤマカテンソウ(八重山花点草)で知られています。鹿児島県に分布する、トウカテンソウ(唐花点草)Nanocnide pilosa Migo [絶滅危惧I類]は、中国名で毛花點草。シマカテンソウと同一種との見解があります。

Japanese common name : Katen-sou
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Nanocnide japonica Blume
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叢生するカテンソウ


カテンソウ(花点草)
別名:ヒシバカキドオシ(菱葉籬通)
イラクサ科カテンソウ属
学名:Nanocnide japonica Blume
花期:4月~5月 多年草 草丈:10~30cm 花径:2~3mm

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【学名解説】
Nanocnide : nannos(矮小)+cnide(イラクサ)/カテンソウ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Blume : Carl Ludwig Blume (1789-1862)

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2011.04.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 February 2017
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by pianix | 2017-02-16 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ナギナタコウジュ(薙刀香薷)
 ナギナタコウジュ(薙刀香薷)は、シソ科ナギナタコウジュ属の1年草です。日本、アジア温帯域に分布します。日本では、北海道から九州にかけて分布する在来種です。名の由来は、花穂(かすい)が薙刀状の香需である事から。薙刀は、長い柄の先に刀を付けた武具で、香薷は、香りが強く薬草となるもの全般を指します。中国名は、香薷(xiāng rú)。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。オドリコソウ属Lamiumに由来する名です。ナギナタコウジュ属(Elsholtzia Willdenow (1790))は、アジアに約35種が分布し、日本には2種が自生します。

 日当たりの良い山地に自生します。強い香りがあります。茎は四角柱状で毛が多くあり、分枝しながら長さ30~60cmになります。葉は、対生します。基部がくさび形の卵形から長卵形で長さ3~9cm、幅1~4cm。先が尖り、鋸歯があります。毛が散生し、葉裏に腺点があります。葉柄は有毛で約2cm。

 花期は9月から10月。茎頂や葉腋から長さ5~10cmの総状花序を出します。花は花穂の片側だけにつき、反対側は縁に短毛がある苞に覆われます。対になった苞から数個の花を出します。花は淡紫色の唇形花で、長さは約5mm。縁が裂けて毛状になります。雄しべ4個が突き出て、雌しべは内部にあります。萼は長さ約4mmで毛が密生し、先端は5裂します。苞と萼は花後も宿存します。果実は、分果1)です。倒卵形で4個あり、長さ約1~1.5mm。染色体数は、2n=32。

 全草を乾燥させたものを生薬の香薷(土香薷)として用います。基原は、海州香薷(hǎi zhōu xiāng rú)、和名ニシキコウジュ(錦香薷)Elsholtzia splendens Nakai ex F.Maek. で、日本ではナギナタコウジュが用いられます。口臭改善、利尿消腫、発汗、解熱(胃腸型感冒・急性胃腸炎)の効能があるとされます。使い方を誤ると嘔吐等の副作用が出ます。

 類似種として、花穂が太いフトボナギナタコウジュ(太穂薙刀香薷)Elsholtzia nipponica Ohwi [日本固有種]、白花の品種として、シロバナナギナタコウジュ(白花薙刀香薷)Elsholtzia ciliata (Thunb.) Hyl. f. leucantha (Nakai) T.B.Lee ex W.T.Lee があります。香薷の名がつくものに、イヌコウジュ(犬香薷)ミゾコウジュ(溝香薷)があります。

1)分果:分離果。裂開果のひとつで、心皮数だけの複数分果ができる。1分果に1種子が含まれる。

Japanese common name : Naginata-kouju
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Elsholtzia ciliata (Thunb.) Hyl.

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左:茎頂や葉腋から総状花序を出す。 右:花穂の背面は苞に覆われる。

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左:茎は毛がある。 右:葉は対生し、基部がくさび形の長卵形で鋸歯がある。


ナギナタコウジュ(薙刀香薷)
シソ科ナギナタコウジュ属
学名:Elsholtzia ciliata (Thunb.) Hyl.
花期:9月~10月 1年草 草丈:30~60cm 花冠長:約5mm

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【学名解説】
Elsholtzia : Johann Siegesmund Elsholtz (1623~1688)に因む/ナギナタコウジュ属
ciliata : ciliatus(縁毛のある)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Hyl. : Hjalmar Hylander (1877-1965)

撮影地:静岡県静岡市
牛ヶ峰(Alt. 717m) 2008.10.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 09 February 2017
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by pianix | 2017-02-09 00:00 | | Trackback | Comments(0)