カテゴリ:虫( 108 )
ツマグロオオヨコバイ(褄黒大横這)
 ツマグロオオヨコバイ(褄黒大横這)は、ヨコバイ科オオヨコバイ亜科の昆虫です。本州、四国、九州、対馬に分布します。名の由来は、横に移動する性質を持つヨコバイ(横這)の仲間で、体長が倍ほど大きく、翅の後端(褄)が黒くなる事から。俗称、バナナムシ。英名は、leafhopper。

 半翅目(はんしもく|Hemiptera)は、前翅の基部に近い半分が革質の半翅鞘となっていることからで、Hemi(半)+ ptera(翅) と名付けられています。半翅鞘を持つのはカメムシ類だけなので、カメムシ目とも言われます。この仲間は、口が注射針の形をしていて樹液や植物の汁、小動物の体液を吸います。半翅目は約25000種があり、カメムシの仲間の異翅亜目(いしあもく|Heteroptera)=カメムシ亜目274種と、ヨコバイの仲間の同翅亜目(どうしあもく|Homoptera)=ヨコバイ亜目616種に分類されます。翅の作りが異なる事による命名です。同翅亜目はさらに口吻の位置の違いから、アブラムシやカイガラムシの仲間の腹吻群 (Steruchenorrhyncha)と頸吻群(けいふんぐん|Auchenorrhyncha)とに分かれます。ツマグロオオヨコバイは同翅亜目の頸吻群で、165種の仲間があります。

 頭部・胸部・腹部が一体となって、頭部から腹部にかけて細くなります。体は黄緑色で、頭部と胸部、小楯板に黒色の斑紋があり、翅端は黒くなります。1対の複眼と3個の単眼があります。触覚は短めです。針状の口があり、成虫、幼虫ともに茎の汁(道管液と師管液)を吸います。排泄液を出しながら吸汁を続ける事があります。横歩きをして葉陰に隠れたり、跳躍や飛行をして逃げます。前翅と後翅がそれぞれ一対あります。カメムシの仲間の前翅は根本から半分が硬化して半透明なのに対し、ヨコバイの仲間は全てが膜質になっています。幼虫の体は黄緑色。蛹を経ない不完全変態をするので成虫に近い幼虫が生まれます。成虫で越冬します。

Japanese common name : Tumaguro-oo-yokobai
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Bothrogonia ferruginea (Fabricius, 1787)
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ツマグロオオヨコバイ(褄黒大横這)
カメムシ目(半翅目)ヨコバイ科オオヨコバイ亜科
学名:Bothrogonia ferruginea (Fabricius, 1787)

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体長:12~13mm
出現期:3月~11月
分布:本州・四国・九州・対馬
食草:植物全般(桑・茶・木苺・葡萄に加害)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から47.5km 右岸河川敷 2006.05.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 May 2006
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by pianix | 2006-05-27 00:00 | | Trackback | Comments(0)
チャバネアオカメムシ(茶羽根青椿象)
 チャバネアオカメムシ(茶羽根青椿象)は、カメムシ科カメムシ亜科の昆虫です。東アジアに分布し、国内では北海道から沖縄にかけての全土に分布します。名の由来は、緑色(青)をしたアオカメムシ(青椿象)に似ていて翅が茶色である事によります。カメムシの名は、背中部分が亀の甲羅状に見える事からです。チャバネアオカメムシは、多くの果樹類を食害する農業害虫の1つとして知られていて、最も重要な種であるので研究も進んでいます。悪臭を発生させる事から不快害虫ともされます。カメムシの仲間は、世界に50,000種以上、日本には800種以上がいるといわれています。

 杉や檜が棲息場所です。春から初夏にかけて果樹に飛来し蕾を食害します。6月下旬頃に、杉や檜に移動します。その球果内部の種子を吸汁して生活し、果実に卵を産んで繁殖します。蛹を経過せすに羽化する不完全変態をします。7月下旬以降に新しい成虫が発生し、秋は果実を食害します。冬は成虫で越冬します。雑木林などの落葉下が主な越冬場所ですが、屋内で集団越冬する場合もあります。時に大発生する場合があります。原因は杉や檜の人工林が増えた為だと言われています。これらが豊作で、花粉症の発生が多い年はチャバネアオカメムシの発生も多い事になります。

 半翅目は文部省学術用語ではカメムシ目、異翅亜目はカメムシ亜目の事です。陸生・両生・水生に分かれますが、本種は陸生です。体長は10から12mm程。緑色をしていて前翅が茶色です。頭・胸・腹部に分かれています。頭部は三角形で細長く、節毎に濃緑色と黄褐色で交互に彩色された触覚があります。頭部の左右には多少突き出た赤茶色の複眼があり、その内側に単眼が2個あります。口はストロー状で頭部の下に折り込まれています。樹液等を吸汁します。前翅の半ばまでは堅い革質部、先は膜状の膜質部になる茶色の半翅鞘です。後翅の上に前翅を重ねて腹部上に折りたたみます。後部に薄い翅が見えるのは、前翅の膜質部にあたります。秋に発生するものは頭部や小楯板が褐色になるものがあります。中央の三角状のものは小楯板(しょうじゅんばん)です。肢は前・中・後の3対あります。

 分泌腺で忌避物質である不飽和アルデヒド類のヘキセナール(hexenal)が生成され、後胸腹板(後肢の付根)にある臭腺(Scent Glands)から刺激された方向へ揮発性の高い臭い物質を噴射します。仲間に危険を知らせたりする警報フェロモン、捕食を防ぐ為の忌避物質と言われています。カメムシ類の性別は、腹側の腹部先端が膨らんでいるのが雌で、へこんでいるのは雄と判別できます。

Japanese common name : Chabane-ao-kamemusi
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Plautia crossota Scott, 1874
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チャバネアオカメムシ(茶羽根青椿象)
カメムシ目(半翅目)カメムシ科カメムシ亜科
学名:Plautia crossota Scott, 1874

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体長:10~12mm
出現期:4月~10月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食草(樹):果樹類(柑橘類・林檎・梨・柿等多数)・杉・檜

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10km 右岸河川敷 2006.05.19
安倍城跡 2014.07.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

22 May 2006
Last modified: 15 December 2014
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by pianix | 2006-05-20 00:00 | | Trackback(1) | Comments(1)
クロボシツツハムシ(黒星筒葉虫)
 生物全てに共通の言語があり、口があって喋るのだったら、これは恐ろしい事になります。冬の河川敷から野草たちが「さむ~い」と大合唱を始めたら夜も眠れません。野菜を収穫しようとしている農家の方達は耳栓が必要ですし、道端の野草を踏んづけた途端に「いて~」とか言われて謝らなければなりません。人間が関与していなくても、これは起こります。虫同士の縄張り争い、虫に食われそうになる葉の悲鳴……。

 「草花は文句も言わずに咲いている」とは人間の勝手な解釈ですね。この時期は、部署配置換えや入学後のとまどいで、人間社会の悩みはつきません。人間の言語が多岐にわたり、個人特有の言語さえもが存在するとすれば、意思の疎通が途切れ誤解が生じるのも致し方ない事です。それで、地球上の生物は言語の有無に関わらず苦しみに呻いているとも言えます。喜びの大歓声に溢れていると想像しがたいのは、人間の本質の現れ故かもしれません。

 ここにクロボシツツハムシ(黒星筒葉虫)がいます。もしあなたがタンポポとノゲシの区別がつかないようでしたら、テントウムシと思っても不思議ではありません。しかし、観察する事で様子がおかしいと感じるかもしれません。生活形態が異なる事にも気がつくかもしれません。赤い地色に黒の斑点があるのは、テントウムシに似ています。でも、少し長い体型です。触角も長いですね。テントウムシに擬態していると考える人もいます。どうやって擬態できるのか、私にとっては最大の難問です。何万年もかけると真似できるものなのでしょうか。木の葉そっくりの虫も、何故その形態を取るに至ったのか、分かりません。そんな長い間、観察するのは不可能だからです。化石に頼るしかありませんが、正確に説明できる人は多分いないと思います。

 クロボシツツハムシを漢字で表すとどうなるのかさえも分かりません。推測で「黒星筒葉虫」としておきました。黒い斑点がある筒状の葉虫と考えましたが、合っているかは分かりません。生物の標準和名はカタカナで表記するのが習慣だからです。漢字は使いません。

 甲虫目に属します。甲虫目は、約116科370000種があります。ハムシ科(Chrysomelidae Latreille, 1802)ツツハムシ亜科(Cryptocephalinae)の仲間です。ハムシは、種類によって特定の葉を食べる事から付けられた名前です。クロボシツツハムシは成虫・幼虫共に、梨、栗、櫟(くぬぎ)、萩の葉を食草としています。従って害虫として扱われます。本州から九州にかけて生息しています。翅に6個の黒い斑紋がありますが、個体によって変異があります。完全変態をします。

Japanese common name : Kurobosi-tutuhamusi
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Cryptocephalus signaticeps Baly, 1873


クロボシツツハムシ(黒星筒葉虫)
甲虫目ハムシ科ツツハムシ亜科
学名:Cryptocephalus signaticeps Baly, 1873

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体長:4~6mm
出現期:4月~8月
分布:本州・四国・九州
食草:ブナ科、バラ科、マメ科

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.50km 右岸土手 2006.04.18
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 25 April 2006
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by pianix | 2006-04-25 00:00 | | Trackback(1) | Comments(2)
ヤマトシジミ(大和小灰蝶)
 ヤマトシジミについて話をしていると噛み合わなくなる事があります。貝と蝶で同じ和名の生物がいるからです。異物同名(homonym)は幾つもあり、お互いに失笑する事になります。貝のヤマトシジミはCorbicula japonica Prime, 1864ですが、ここでは蝶のヤマトシジミについて書いています。しかし、本家は貝の方で、翅裏がシジミ貝の内側に似ている事からシジミチョウの名が付けられています。ヤマトは「大和」で、日本の事です。

 ヤマトシジミ(大和小灰蝶)は、シジミチョウ科ヒメシジミ亜科ヤマトシジミ属の昆虫です。日本本州北部から沖縄までに分布する小型の蝶です。低地性の蝶で、極普通に見られます。北朝鮮南部が北限のようです。シジミチョウ科(Lycaenidae)は、9亜科に分類されます。日本に生息するものは、ウラギンシジミ亜科・カニアシシジミ亜科・ベニシジミ亜科・ヒメシジミ亜科・ミドリシジミ亜科の5亜科があります。ヤマトシジミはハマヤマトシジミ属(Zizeeria)でしたが、ヤマトシジミ属(Pseudozizeeria)に転属されました。「偽の」という意味のPseudoが付き、偽のハマヤマトシジミ属と怪しい名前になっています。

 翅の表面は雄と雌で異なります。雄は淡青白色で、雌は暗褐色をしています。裏面は褐色を帯びた灰白色地で、黒の斑紋があります。夏に出現するものは小型です。幼虫で越冬します。卵は扁平で細かな網目があります。幼虫は草鞋(わらじ)型で、終令幼虫は緑色で12mm内外です。蛹は、シジミチョウ共通のだるま型で、黄緑色あるいは淡褐色です。

 食草のカタバミは、どこにでも生える強い野草なので、生育に困る事はなさそうです。他の蝶には、河川が整備される事によって食草を失い絶滅へと向かうものもあります。類似種にゴマシジミ(胡麻小灰蝶)aculinea teleius (Bergstrasser, 1779)、誤認しやすいルリシジミ(瑠璃小灰蝶)Celastrina argiolus ladonides (de l'Orza, 1869)がいます。

Japanese common name : Yamato-sizimi
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Pseudozizeeria maha argia (Menetries, 1857)
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交尾


ヤマトシジミ(大和小灰蝶)
チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ヒメシジミ亜科ヤマトシジミ属
学名:Pseudozizeeria maha argia (Menetries, 1857)

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体長:(前翅長)9~16mm/(開張)20~28mm
出現期:3月~11月年(年5~6回)
分布:本州・四国・九州・沖縄
食草:(幼虫)カタバミ科(カタバミ)

撮影地:静岡県静岡市
葵区西ヶ谷 2006.03.13
賤機山 2009.07.22

Last modified: 31 September 2009
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by pianix | 2006-03-18 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ベニシジミ(紅小灰蝶)
 蝶の翅の模様は様々です。しかし、表面と裏面では全く異なる色彩や模様を持つものが多く、蝶を見慣れない方にとっては、全く違った蝶だと思ってしまうかもしれません。裏面とは翅を閉じた時に見える面です。人間を例えて考えると、こちらが表ではないかと思ってしまいます。

 ベニシジミ(紅小灰蝶)は、シジミチョウ科ベニシジミ属の昆虫です。日本での生息範囲は、北海道から九州まで広範囲に渡ります。草原性で明るく開けたところを好みます。汎世界種の一つです。シジミチョウ科(Lycaenidae)は、世界中に分布し約5500種を抱える、鱗翅目の中で最大の科です。ベニシジミ亜科は、旧北区のユーラシア大陸と新北区の北アメリカに広く分布します。日本には、シジミチョウ科の仲間は80種程いますが、ベニシジミ亜科は、ベニシジミの一種だけです。

 翅に黒褐色の地に紅色の模様がある小型の蝶です。春型は明るい橙赤色で、夏型は黒っぽい橙赤色になります。前翅の表は黒褐色の縁取があり、後翅の表は黒褐色で、縁に赤橙色の帯模様があります。タデ科の植物に卵を産み付けます。幼虫で越冬します。幼虫は10mm程で、緑色で紫色の筋が入ります。食草のタデ科植物は川沿いに多い事から、河川の土手に多く現れます。「蓼食う虫も好き好き」の代表格と言えます。

 ベニシジミの翅裏面は、「ベニシジミ(紅小灰蝶)2005年」をご覧下さい。どちらの模様が好きかは様々と思います。

Japanese common name : Beni-sizimi
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Lycaena phlaeas daimio (Matsumura, 1919)
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2006.03.15

追記:2006.03.18
 J.Jさんからベニシジミの幼虫写真を送って頂きました。ありがとうございます。
 「幼虫も紅をさしています。プレゼントです。喜んでいただけますように。3月11日川原で見つけました。」
田中川の生き物調査隊
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Photo by J.J (田中川の生き物調査隊)


ベニシジミ(紅小灰蝶)
チョウ目(鱗翅目)シジミチョウ科ベニシジミ属
学名:Lycaena phlaeas daimio (Matsumura, 1919)

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体長:(前翅長)15~18mm/(開張)27~35mm
出現期:3月~11月(年3~5回)
分布:北海道・本州・四国・九州
食草:(幼虫)タデ科(ギシギシ、スイバ)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9km 左岸土手 2006.03.15
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 17 March 2006
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by pianix | 2006-03-17 00:00 | | Trackback | Comments(0)
テングチョウ(天狗蝶)
 テングチョウ(天狗蝶)は、テングチョウ科テングチョウ亜科テングチョウ属の昆虫で、化石で発掘されるほどの古い生物です。ヨーロッパ・北アフリカ・ユーラシア大陸・日本や台湾にまで分布します。

 テングチョウ科(Libytheidae Boisduval, 1833)は、約10種類ほどの小さな科で、主に熱帯に分布します。日本では1科1属1種のみが生息します。つまりテングチョウしかいません。名の由来は、発達した鼻状突起を持ち、それを天狗の鼻に例えたものです。これは、下唇髭(かしんしゅ)あるいは、パルピ(Pulpi)と呼ばれ、匂いを感じ取る器官で、複眼や口吻を掃除する機能も併せ持っています。

 成虫のまま越冬するので、春早くから飛び回り始めます。エノキなどに産卵します。卵 ・幼虫・蛹・成虫という段階を経る完全変態をします。成虫の羽化は6月頃です。夏に休眠します。秋に覚めて活動し、その後で冬眠して越冬します。翅の表に白色と橙色の斑紋があり、比較すると雌の方が橙色が発達しています。翅の裏面は枯れ葉状の模様になっています。

 漢語の「蝶(てふ)」は、「翅が薄い虫、木の葉のようにひらひら舞う蟲」を意味します。鱗翅目(りんしもく)とは、チョウ目(Lepidoptera)と同じ意味です。2対の翅を持ち、鱗状の鱗粉による模様を持つ分類群を指し、蝶や蛾がそれに当たります。

Japanese common name : Tengu-tyou
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Libythea celtis celtoides Fruhstorfer, [1909]


テングチョウ(天狗蝶)
チョウ目(鱗翅目)テングチョウ科テングチョウ亜科テングチョウ属
学名:Libythea celtis celtoides Fruhstorfer, [1909]

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体長:(前翅長)19~29mm/(開張)40~50mm
分布:本州・四国・九州・沖縄
出現期:3月~6月/9月~11月
食草:エノキ・エゾエノキ・クワノハエノキ

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸土手 2006.03.15
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 16 March 2006
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by pianix | 2006-03-16 00:00 | | Trackback | Comments(0)
モンキチョウ(紋黄蝶)
 今年初めて出会ったモンキチョウです。元気良く飛び回っていました。日陰方向に逃げても、陽が当たる明るい土手斜面に戻ってくるのは分かっていました。近寄ろうとして逃げられる連続の中で、気が付いた事がありました。私の影の中に入れてしまうと危険を察知して逃げるようです。影で覆わないように注意して、10cm程まで近づいて撮影しました。種小名のerateの通りに、「愛らしい」蝶です。

 モンキチョウ(紋黄蝶)は、日本全国に分布するシロチョウ科の普通種です。シロチョウ科(Pieridae Swainson, 1820)は、北半球に多く分布し約250種類が存在します。幼虫は緑色のアオムシです。モンキチョウ属(Colias Fabricius, 1807)は約80種で、日本では2種類(モンキチョウ・ミヤマモンキ)のみが生息します。水平分布・垂直分布共に広い範囲に生息します。モンキチョウは、翅に黒紋のある黄色の蝶との意味です。

 モンキチョウは、黄色型と白色型があります。雌は黄色型と白色型があり、雄は黄色型のみです。白色型の雌が発生する率は、3対1(AA+Aa+aA:aa)の割合になります。大文字は優性遺伝子、小文字は劣性遺伝子を表します。黄色型の雄と雌の区別は紋の形からも分かります。翅を閉じた状態で黒点と白点の二つが見え、この黒点の形が小さくて細長いのが雄で、ハート形をしたのが雌です。白色型の場合は大きい円形をしています。目は黄緑色の複眼です。春に発生する春型は小型で、翅の縁に赤みを帯びた縁毛があります。完全変態(卵・幼虫・蛹・成虫)します。

 分布の意味を要約して記しておきます。分布とは、種によって決まった生活範囲を言います。この分布には、生態分布と地理分布があります。生態分布は温度や光などの気候に左右されるもの、地理分布は地形などの地理的な違いによるものです。生態分布は平地や高地などの垂直分布を表す事があります。地理分布は水平分布とも言われます。世界的に見ると6区の動物区に分けられます。日本が属しアジア・ヨーロッパに係る旧北区、北アメリカの新北区、南アメリカの新熱帯区、オーストラリアのオーストラリア区、東洋区、エチオピア区です。日本では、旧北区を主として東洋区の昆虫が混在しています。

参考:モンキチョウ(紋黄蝶)7月

Japanese common name : Monki-tyou
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Colias erate poliographus (Motschulsky, 1860)


モンキチョウ(紋黄蝶)
別名:オツネンチョウ(越年蝶)
チョウ目(鱗翅目)シロチョウ科モンキチョウ属
学名:Colias erate poliographus (Motschulsky, 1860)

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前翅長:22~33mm/開張:45~50mm
出現期:3月~11月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食草:マメ科植物(シロツメクサ・アカツメクサ・エンドウ・コマツナギ

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12km 左岸河川敷 2006.03.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 7 March 2006
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by pianix | 2006-03-07 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ナミハナアブ(並花虻) 2
 先へ進めません。野草観察で、安倍川の上流へ行きたいと思っているのに、毎回の如く同じ場所で時間切れになってしまうのです。そこで今年初めて会う野草や昆虫などと遊んでしまうからです。しかし、先へ進めなくても、それはそれで充分楽しい事です。昆虫の場合は、動き回るので、多くの時間が必要になります。

 ナミハナアブ(並花虻)と今年初めて出会いました。セイヨウカラシナ(西洋芥子菜)の花を忙しく渡り歩いていました。蜂と違って、刺す事がありませんから安心して近寄れます。そして近寄ると逃げられます。ピントを合わす暇がありません。まだ寒い頃から飛び回るので、その頃に咲く虫媒花の貴重なお客になります。

 双翅目、つまりハエ目であって、ハエの仲間です。擬蜂と言って、ハチに擬態しているので怖がる人もいます。双翅目は日本だけでも5300種いるといわれています。その中でもナミハナアブは比較的多く目にする事ができる身近な存在です。ハチの翅は、前翅・後翅の計4枚ありますが、ナミハナアブの翅は2枚しかありません。実際は後翅が変化して棒状の小さな突起(平均根)になっています。

 ナミハナアブの口は蜜を吸う為に、恐ろしく長い感じがします。しかもこれは収納可能となっています。ハナアブの触角はハエに近く、人を刺すアブ(虻)とは形態が異なっています。小さな黒色の米粒状のものから毛が生えたように見えます。全体が黒色で、腹部にオレンジ色の三角斑が目立ちます。太い帯模様が中央付近で切れています。静止した時に良く見ないと分からないのですが、翅に黒色化した部分があります。

 ナミハナアブ(並花虻)を参照してください。

参考:ナミハナアブ(並花虻) オオハナアブ(大花虻) ナミホシヒラタアブ ホソヒラタアブ(細扁虻)

Japanese common name : Nami-hanaabu
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Eristalis tenax (Linnaeus, 1758)
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ナミハナアブ(並花虻)
ハエ目(双翅目)ハナアブ科ナミハナアブ亜属
学名:Eristalis tenax (Linnaeus, 1758)
出現期:3月~11月
体長:14~16mm
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9km 左岸 2006.03.02
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 4 March 2006
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by pianix | 2006-03-04 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ニホンミツバチ(日本蜜蜂)
 ニホンミツバチ(日本蜜蜂)は、ミツバチ科ミツバチ属の昆虫です。名前から分かるとおり日本の在来種で、日本全国に分布します。ミツバチは、ミツバチ科(Apidae Latreille, 1802)ミツバチ属(Apis Linnaeus, 1758)の総称で、高度な社会性を持つ昆虫の1種です。ミツバチ属は世界に9種、日本には2種2亜種が生息しています。ニホンミツバチは、トウヨウミツバチ(東洋蜜蜂)の亜種です。系統遺伝学的関係では韓国のトウヨウミツバチと同じグループで、ニホンミツバチに遺伝的多型がほとんどなかった事が報告1)されています。

 現在、日本で養蜂に使用されているのは2種類で、ニホンミツバチとセイヨウミツバチです。特定植物の受粉用にはマルハナバチ(丸花蜂/マルハナバチ属)が使用されます。ニホンミツバチが群れで蜜を採取する年間量は2~3kgで、対してセイヨウミツバチは10~15kgです。繁殖力の強さもあって、1877年に導入された以後は急速にセイヨウミツバチによる養蜂に切り替わっていきました。ニホンミツバチの欠点は、蜜の採取量の他に、ストレスを受けると巣を放棄する性質がある事です。養蜂家にとっては取り扱いにくいところです。ニホンミツバチの群れは約1万匹で、セイヨウミツバチは約2万匹と言われています。巣は、木や地中に作ります。Karl Ritter von Frisch(1886-1982)によって、蜜の在りかを仲間に知らせるダンスが確認されました。

 ニホンミツバチは、東南アジアに分布するオオスズメバチ(大雀蜂)に巣を攻撃されます。その対抗手段として200匹ほどの集団でオオスズメバチを包み込み、熱を発して蒸し殺す事があります。温度耐性は、ニホンミツバチが48度なのに対しオオスズメバチは46度です。セイヨウミツバチは、分布していた地域にオオスズメバチがいなかったため対抗手段を取得できず、野生化できない原因となっています。

 ニホンミツバチの体色は暗茶褐色で、セイヨウミツバチより黒く見えます。腹部に縞模様がありますが、セイヨウミツバチのようにオレンジ色ではありません。働き蜂の体色変化は季節により二型あり、34℃以上で黄色、それ以下では黒色となります2) 。よって、8月から10月にかけては黄色型が多くなります。女王蜂は、初春から晩秋まで産卵を続けます。最多期は2千個/日になります。寿命は通常3年程です。働き蜂は分業し、秋に生まれた種は寿命200日程、繁忙期では35日程と言われています。働き蜂のほとんどは雌です。群れの1割ほどを占める雄蜂の寿命は90日程で、秋には働き蜂に駆逐されます。染色体数は、雌蜂が2n=32、雄蜂がn=16。


 蜂蜜の古い記述として、『それゆえ、わたしは降(くだ)って行き、エジプト人の手から彼らを救い出し、この国から、広々としたすばらしい土地、乳と蜜の流れる土地、カナン人、ヘト人、アモリ人、ペリジ人、ヒビ人、エブス人の住む所へ彼らを導き上る。』(出エジプト記3章8節・新共同訳)があります。当時、蜜は生活に潤いをもたらす貴重な食物であった事が知られます。

1) Deowanish, S.,J. Nakamura, M. Matsuka and K. Kimura 1996.
mtDNA variation among subspecies of Apis cerana using restriction fragment polymorphism. Apidologie 27:407-413
2)ニホンミツバチの飼育法と生態・吉田忠晴 玉川大学出版部(ISBN4-472-40081-2)

参考:フタモンアシナガバチ(二紋足長蜂)キアシナガバチ(黄足長蜂)キイロスズメバチ(黄色雀蜂)

Japanese common name : Nihon-mitubati
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Apis cerana japonica Radoszkowski, 1887
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吸蜜している花はツワブキ(石蕗)


ニホンミツバチ(日本蜜蜂)
ハチ目(膜翅目)ミツバチ科ミツバチ属
学名:Apis cerana japonica Radoszkowski, 1887

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体長:(働きバチ)13mm前後
出現期:3月~11月
分布:北海道・本州・四国・九州

撮影地:静岡県静岡市
静岡市駿河区谷田 2005.12.01
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 January 2006
Last modified: 5 March 2016
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by pianix | 2006-01-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)
アズチグモ (安土蜘蛛)
 アズチグモ(安土蜘蛛)は、カニグモ科アズチグモ属の蜘蛛です。日本、韓国、中国に分布します。暖地性で、本州中部以南に生息する在来種です。名の由来は、不明です。アズチグモ属(Thomisus Walckenaer, 1805)は、世界に約130種あり、日本には本土に1種、沖縄地方に2種1)が分布します。

 巣を張らない徘徊性で、花や葉陰に潜んでいます。第1・2脚が長く、蟹のように広げて獲物を捕獲します。チョウやアブ、ハエなどの昆虫を食べます。腹部は後部が広く膨らんでいます。目は単眼が8つあります。個体数はあまり多くありません。産卵期の7~8月にチガヤ、ササ、ヨシなどの植物の葉をまげて卵嚢を作ります。クモは全般的に、雌が大きく、雄はかなり小さいのが普通です。

 花に見せかける色合いをしていますが、その色彩や斑紋は様々で、変異が大きいようです。長時間かけて白から黄色へ体色を可逆的に変化させる報告(佐藤有恒,1986)もあります。この個体の変異は、いまだ謎です。通常、雌は緑白色、雄は赤褐色です。

 昆虫は紫外線が見え、それによって花の蜜のありかを探し当てます。花粉や蜜の部分は紫外線を吸収するので黒く見え、その周辺は白く見えるようです。アズチグモは、昆虫の目の見え方に合わせて紫外線反射量を調節し色彩を変える能力を持っています。それによって昆虫の目を欺いて捕獲しやすいようになっていると考えられています。

 他に、シロアズチグモ(白安土蜘蛛)Thomisus onustus Walckenaer, 1805 がいます。

1)沖縄地方の2種
アマミアズチグモ(奄美安土蜘蛛)Thomisus. kitamurai Nakatsudi, 1943 《固有種》
オキナワアズチグモ(沖縄安土蜘蛛)Thomisus okinawensis Strand, 1907

Japanese common name : Azuti-gumo
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Thomisus labefactus Karsch, 1881


アズチグモ(安土蜘蛛)※アヅチグモ
真正蜘蛛目カニグモ科アズチグモ属
学名:Thomisus labefactus Karsch, 1881

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体長:♀6~8mm/♂2~3mm
♀は緑白色、♂は赤褐色
出現期:6月~9月
分布:本州・四国・九州・沖縄

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.75km 左岸土手 2005.08.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

13 December 2005
Last modified: June 14, 2008
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by pianix | 2005-12-13 00:00 | | Trackback(1) | Comments(4)