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キアシナガバチ(黄脚長蜂)
 キアシナガバチ(黄脚長蜂)は、スズメバチ科アシナガバチ属の蜂です。日本全国に分布する在来種です。名の由来は、黒地に黄色の体色であり、全体的に黄色味が強い色彩をしているアシナガバチである事から。

 スズメバチの仲間です。アシナガバチ亜科は、世界に26属、日本には3属2)11種が分布します。キアシナガバチは、低山地性で、山や樹木が多い周辺に多く分布します。体長は、21~26mm。スズメバチほどではないものの、アシナガバチとしては攻撃性が強く、毒が強いので注意を要します。

 セグロアシナガバチ(背黒脚長蜂)1)に大きさ・形とも似ています。セグロアシナガバチとの区別点は、前伸腹節3)に黄色斑紋の2縦線がある事です。(沖縄以外では、頭部側から縦線2・横線2・縦線2がキアシナガバチで、縦線2・横線2のみはセグロアシナガバチ)。環境省カテゴリで情報不足(DD)になっている、ヤマトアシナガバチ(大和脚長蜂)Polistes japonicus japonicus Saussre, 1858 も似ています。

 ハチの体は大きく分けると、頭部・胸部・腹部に分けられます。頭部には複眼2個と単眼3個、一対の触角があります。胸部には前翅・後翅の2対4枚があります。胸部と腹部の間は大きくくびれます。キアシナガバチの体長は、21~26mm。腹部後端に刺針があります。脚は、前肢・中肢・後肢の一対6本があります。

 4月頃から、家屋軒下・枝などのやや高めの場所に、釣り鐘状の巣を作ります。巣は10~15cmの大きさで、樹皮繊維を利用した紙質で、強靱です。働き蜂は、約50匹程がいます。家の屋根裏などに集団越冬することもあります。

 翅を持ち上げている時は威嚇のポーズですから、近寄らないようにしたほうが懸命です。当然の事ながら、巣を刺激すれば攻撃されます。肉食で肉団子を作ります。青虫や毛虫を餌とするので益虫とも言えますが、夏場の除草や剪定作業では特に注意を要します。

 10月から11月にかけては、新女王蜂や雄蜂が集団でいる事が多くなります。従って、この時期まで油断はできません。蜜蜂と違い、何度でも刺してきます。見つけたら後ろに静かに下がるようにします。横の動きに敏感、縦の動きに鈍感との性質があるからです。

 刺されたら、つまんで毒を出し(口吸不可)、冷水で洗い流し、虫刺されの薬を塗って保冷剤で冷やす応急処置をして、必ず病院(皮膚科)へ行って下さい。

脚注:
1)セグロアシナガバチ(背黒足長蜂)Polistes jokahamae Radoszkowski, 1887
2)アシナガバチ属(Polistes Latreille, 1802)、ホソアシナガバチ属(Parapolybia)、チビアシナガバチ属(Ropalidia Guérin-Méneville, 1831)
3)前伸腹節(propodeum):胸部と腹部の間の節。(胸部と密着融合した腹部第1節)

参考:
フタモンアシナガバチ(二紋脚長蜂) キイロスズメバチ(黄色雀蜂) ニホンミツバチ(日本蜜蜂)

Japanese common name : Ki-ashinaga-bati
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Polistes rothneyi iwatai van der Vecht, 1968

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胸部の黒い部分に、縦2本、横2本、縦2本の黄色線がある。写真は♂。


キアシナガバチ(黄脚長蜂)
ハチ目(膜翅目)スズメバチ科アシナガバチ亜科アシナガバチ属
学名:Polistes rothneyi iwatai van der Vecht, 1968
(Polistes rothneyi Cameron, 1900)

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体長:21~26mm
出現期:4月~10月
分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄
食餌:アオムシ、ケムシ、小昆虫

撮影地:静岡県静岡市
西ヶ谷運動場 2005.11.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

21 June 2008, 24 July 2014
Last modified: 31 May 2017
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by pianix | 2008-06-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ホトケノザ(仏の座)
 ホトケノザは、シソ科オドリコソウ属の2年草(越年草)です。北半球に広く分布し、日本では本州から沖縄までに自生する、在来種です。名の由来は、葉の形態を蓮華座に見立て、仏の座に例えたもの。別名のサンガイグサ(三階草)は、葉が段状につくことから。中国名は、寶蓋草(bǎo gài cǎo)。

 春の七草に出てくる「ホトケノザ」は、現在のキク科コオニタビラコ(小鬼田平子)であるとされています。秋の七草は愛でるものであり、春の七草は食べるものですが、現在のホトケノザは食用にしません。

 シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われ、香気を持つものが多くあります。オドリコソウ属(Lamium L. (1753))は世界に約40種が存在します。

 温暖地では、秋から現れ始め、春に最盛期を迎えます。年を越して生育するので越年草と分類されます。シソ科の特徴である四角形の茎で、幅2~3mm。草丈は10~30cm。葉は対生します。柄の先に扇状円形の葉をつけます。上部の葉は茎を抱き、長さ1~2cm。鋸歯があります。

 花期は3月から6月。紅紫色の唇形花を葉腋から輪状に数個つけます。花は筒状で、長さ約2cm。下唇は3裂し、先端は2裂します。唇から舌を出したような部分は、虫が止まるのに便利なようになっています。上唇に細かな毛が生えています。その内側にオレンジ色の雄しべがあり、蜜を吸いに奥へ入ろうとする虫に花粉を付ける仕組みになっています。雄しべは長短2本ずつの計4本で白毛がつきます。雌しべは雄しべの下につき、先端が2裂します。

 花茎には下向きの伏せ毛が密生します。萼は筒形で5裂し、毛が密生します。上唇が開かない、小型の蕾である濃紅色の閉鎖花を多く持ちます。種子は、4分果です。種子は基部に種沈(Elaiosome)がつき、長さ約2mm。こぼれ落ちた種子は、蟻などに運ばれ拡散します。染色体数は、2n=18。

 白花品種の、シロバナホトケノザ(白花仏の座)Lamium amplexicaule L. f. albiflorum D.M.Moore があります。近縁種に、オドリコソウ(踊子草)、ヒメオドリコソウ(姫踊子草)があります。

参考:早春の野草・その1

Japanese common name : Hotoke-no-za
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Lamium amplexicaule L.

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左:上部の葉は扇状円形の葉を茎に抱く 右:農紅色の閉鎖花を多く含む。

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左:茎は4稜があり幅2~3mm。右:上部の花茎には伏せ毛が密生する。

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雄しべは長短2本ずつ4本あり、白色の毛がある。

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閉鎖花。閉鎖花にも雄しべ、雌しべがある。

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左:雌しべ花柱は2裂する。 右:雄しべは長短2本ずつの計4本で白毛がつく。

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左:萼は筒形で5裂する。 右:種子は4分果(未熟)。

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種子は基部に種沈(エライオソーム)がつき、長さ約2mm。
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シロバナホトケノザ(白花仏の座)
Lamium amplexicaule L. f. albiflorum D.M.Moore


ホトケノザ(仏の座)
別名:サンガイグサ(三階草)
シソ科オドリコソウ属
学名:Lamium amplexicaule L.
花期:3月~6月 2年草(越年草) 草丈:10~30cm 花冠長:約2cm

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【学名解説】
Lamium : イラクサ様植物の古代ラテン名|laipos(喉)/オドリコソウ属
amplexicaule : amplexicaulis(茎を抱く)
L. : Carl von Linne(1707-1778)
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f. : forma(品種)
albiflorum : albiflorus(白色の)
D.M.Moore : David Moresby Moore (1933-2013)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.75km 右岸河川敷 2006.01.09
安倍川/河口から8.25km 左岸河川敷 2007.03.09(シロバナホトケノザ)
安倍川/河口から13.0km 右岸土手  2014.03.11
薩埵峠(Satta-touge) 2017.02.24
賤機山(Shizuhata-yama) 2018.02.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 June 2008, 4 April 2014
Last modified: 27 February 2018
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by pianix | 2008-06-11 00:00 | | Trackback | Comments(7)