フキタンポポ(蕗蒲公英)
 フキタンポポ(蕗蒲公英)は、キク科フキタンポポ属の多年草です。ユーラシア大陸(中国からヨーロッパ)が原産です。日本には明治初期に移入された帰化種です。名の由来は、葉がフキ(蕗)に、花がタンポポ(蒲公英)に似ていることから(『頭註国訳本草綱目』牧野(1929))。別名の款冬(kuǎn dōng)は、中国名の音読みで、冬の至れる時期に花が咲くとの意味です。英名は、コルツフット(Colt’s-foot)で、子馬の足の意味。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化種は100種以上あります。フキタンポポ属(Tussilago L. (1753))は、1属1種が分布します。

 葉は、互生します。花茎に鱗片状の小葉と綿毛がつき、草丈は5~10cm。開花後に出る根出葉は三角状心形で、長さ3~12cm、幅3~14cm。長い葉柄があり、葉裏に毛があります。花期は、1月から3月頃。頭状花序を茎頂に単生します。頭花は筒形、黄色で径2~3cm。花冠中央の筒状花は雄性。花冠周囲に輪状につく糸状の舌状花は雌性で、柱頭は2裂します。苞は鐘形で、総苞片は線形。花は昼開き夜に閉じる就眠運動を行います。

 果実は、痩果です。円筒形で長さ3~4mm。冠毛があり、長さ約1cm。染色体数は、2n=60。

 観賞用に栽培し葉を取り除いたものを、フクジュソウ(福寿草)の代用として正月飾りとして使われます。古来から薬用として用いられてきました。花蕾を乾燥させたものを生薬カントウカ(款冬花)として、鎮咳、去痰に用います。ピロリジジンアルカロイド(Pyrrolizidine alkaloid)のツッシラギン(Tussilagine)及びセンキルキン(Senkirkine)を含有し使用には注意を要します。肝疾患者は禁忌。ドイツでは薬用販売禁止、カナダでは食用の規制がかかっています。なお、ワカントウカ(和款冬花)は、フキノトウ(蕗の薹)の花蕾を乾燥させたものです。

Japanese common name : Fuki-tanpopo
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Tussilago farfara L.
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開花後に出る根出葉は三角状心形


フキタンポポ(蕗蒲公英)
別名:カントウ(款冬)
キク科フキタンポポ属
学名:Tussilago farfara L.
花期:1月~3月 多年草 草丈:5~10(45)cm 花冠径:2~3cm

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【学名解説】
Tussilago : tussis(咳)+agere(追いやる、等多義)/フキタンポポ属
farfara : falcatus(鎌状の)/フキタンポポ古名
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.04.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 February 2018
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# by pianix | 2018-03-06 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
オギノツメ(荻の爪)
 オギノツメ(荻の爪)は、キツネノマゴ科オギノツメ属の多年草です。東南アジア、インドに分布します。日本では、本州(静岡県以西)、四国、九州に分布します。地域によっては、絶滅危惧II類、準絶滅危惧種に指定されています。名の由来は、不明です。先端が尖った果実を爪に例えたものとの説があります。オギ(荻)は、イネ科ススキ属のススキに似た多年草です。中国名は、水蓑衣(shuǐ suō yī)。

 キツネノマゴ科(Acanthaceae Juss. (1789))は、中南米や東南アジア等の熱帯と温帯の一部に約250属2500種があります。オギノツメ属(Hygrophila R.Br. (1810))は、約80種があり、日本には本種のみが分布します。

 水辺や湿地などに自生します。地下茎を這わせ、節から根や地上茎を出しながら群生します。茎は4稜の方形で細毛があります。草丈は、30~60cm。葉は、対生します。線状披針形で長さ3~15cm、幅0.5~1.5cm、鈍頭。全縁で波打つことがあります。

 花期は8月から10月。葉腋に柄のない淡紫色の唇形花を輪状に束生します。筒状で長さ10~13mm。上弁は2浅裂します。唇弁は3浅裂し、長さは、3~5mm。雄しべは長2,短2の4本があります。萼は5中裂し、先は尖り、長さ約6mm、果期に約10mmに徒長します。

 果実は、蒴果です。披針形で、長さ約1cm、幅約2mm。熟すと縦に2裂します。種子は扁平卵円で長さ約1mm。

Japanese common name : Ogi-no-tume
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Hygrophila ringens (L.) R.Br. ex Spreng.

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茎は4稜の方形。葉は対生し、線状披針形。葉腋に唇形花を輪状に束生する。

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左:水辺や湿地などに自生する。 右:果期には葉が落ちて茶色になる。

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果実は円柱形の蒴果で縦に2裂する。

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果実内面。種子は扁平卵円で毛がある。


オギノツメ(荻の爪)
キツネノマゴ科オギノツメ属
学名: Hygrophila ringens (L.) R.Br. ex Spreng.
synonym : Hygrophila salicifolia (Vahl) Nees
花期:8月~10月 多年草 草丈:30~60cm 花冠長:10~13mm

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【学名解説】
Hygrophila : hygros(湿)+philos(好む)/オギノツメ属
ringens : 開口形の、口を広く開けた
L. : Carl von Linne (1707-1778)
R.Br. : Robert Brown (1773-1858)
ex : ~による
Spreng. : Curt (Kurt, Curtius) Polycarp Joachim Sprengel (1766-1833)
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salicifolia : salicifolius(ヤナギ属のような葉の)
Vahl : Martin (Henrichsen) Vahl (1749-1804)
Nees : Christian Gottfried Daniel Nees von Esenbeck (1776-1858)

撮影地:静岡県静岡市
麻機湧水地第3工区 2017.09.24, 2017.09.25, 2017.09.29, 2017.10.04, 2018.01.18
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 13 February 2018
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# by pianix | 2018-02-13 00:00 | 水辺の植物 | Trackback | Comments(0)