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シオン(紫菀)
 シオン(紫菀)は、キク科シオン属の多年草です。中国が原産と言われ、中国・シベリア・朝鮮半島・日本に分布します。日本では、中国地方以西から九州の一部に野生分布します。朝鮮か中国から薬用植物として移入されたものと考えられ、平安時代には栽培されていた記録があります。乾燥させた根茎や根を鎮痰去痰薬として用います(日本薬局方外生薬規格)。現在は園芸用途で栽培されています。環境省レッドデータブックでは、絶滅危惧II類(VU)で、絶滅の危険が増大している種とされています。

 名の由来は、中国名の紫菀あるいは青苑の音読み。根が紫色を帯びるので紫、菀は草木が繁る意味。別名として、オニノシコグサ(鬼の醜草)、ジュウゴヤソウ(十五夜草)とも。英名は、Tatarian aster。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。Compositae Giseke, 1792は保留名。シオン属(Aster L. (1753))は世界に約400種あり、その内、北米に250種、日本には約20種が自生します。

 茎は剛毛があり、直立して上部で分枝し、高さ1~2mになります。根生葉は、長さ20~50cmのヘラ状長楕円形で、花期には無くなります。茎葉は互生し、卵形か長楕円形で長さ20~35cm、幅6~10cm。鋸歯があり先端は尖ります。

 花期は、8月から11月頃で、枝先に径30~35mmで淡紫色の頭花を散房状に多数つけます。頭花は、淡紫色の舌状花が周囲1列に並び、中央に長さ6~7mmで黄色の管状花が多数あります。総苞は長さ7~10mmの半球型で、総苞片は槍型で3列に並びます。果実は痩果です。長さ3mm、幅1mm程の倒皮針形で、長さ6mm程の冠毛が付いています。染色体数は、2n=54。

Japanese common name : Sion
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Aster tataricus L.f.

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草丈は2m程になり見上げてしまう。茎葉も大きい。


シオン(紫菀)
キク科シオン属
学名:Aster tataricus L.f.
花期:8~11月 多年草 草丈:100~200cm 花径:30~35mm

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【学名解説】
Aster : aster(星)/シオン属
tataricus : ダッタンの・中央アジアの・ソ連タタール州の
L.f. : Carl von Linne, filius (1741-1783)

撮影地:静岡県静岡市
葵区内牧(植栽)
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 September 2006
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by pianix | 2006-09-27 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)
 ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)は、キク科ムカシヨモギ属の多年草です。中央アメリカが原産で、アフリカやヨーロッパ、アジアに分布します。日本には園芸用途で移入されたもので、逸出して1949年に京都、1952年に金沢で野生化が確認された帰化植物です。現在では、関東以西に分布しています。

 名の由来は、葉が薄くペラペラしてヨメナ(嫁菜)に似ている事から。金沢で採取された時の名前はペラペラヒメジョオン(ぺらぺら姫女菀)でしたが、京都のほうが早かった為に命名の優先権1)によって決められました。別名のゲンペイコギク(源平小菊)は、花色を源氏の白旗と平家の赤旗に見立てたもの。ムキュウギク(無休菊)は、花期が長いため。英名は、Mexican fleabane。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))2)は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ムカシヨモギ属(Erigeron L. (1753))は、温帯から寒帯に約250種あり、日本には数種が分布します。

 茎は根元で分枝し、匍匐して広がり、斜上します。草丈は、20~50cm。葉の形状は上下で異なります。下の葉は柄があり2~5cmの倒披針形で3~5に中裂します。上部の葉は線形から披針形で、柄が無く全縁です。枝先に1個の小花の集合花である、頭状花を付けます。周囲を囲む舌状花は白色で、時間の経過と共に紅紫色に変化します。中心にある筒状花は黄色で多数あります。虫媒花です。果実は痩果。種子は1mm程で、長短の冠毛があり風で飛ばされます。染色体数は、2n=36。

★  ★  ★

 撮影場所は、安倍川から分岐して与一を流れ、秋山川に合流して安倍川に戻る地域です。川幅4~5mの小さな流れで、川の側面を覆う石垣に野生していました。ある人から花の名前を知りたいと問われて出かけましたが、その時は花がありませんでした。1ヶ月ほど後に、また咲き始めたと言われて再度出かけました。川を清掃をしている近所のボランティア男性1名がいました。話を伺うと、綺麗な川だったが、下水の影響で汚れてしまったと嘆いていました。

 近くの家の方を紹介されて話を伺ったところ、同じ話をされました。昔は洗濯ができたようですが、水が綺麗になった現在でも魚はいないとの事。但し、ペラペラヨメナは「草か花か」と聞かれた時は困惑しました。草本で花をつけますから答えようがありません。よくよく考えると、草は雑草、花は園芸種を言っているのだと推測できました。しかしこれも園芸種であり、野生化した雑草でもあるので、説明に苦慮しました。

1) 国際植物命名規約で優先権があるのは学名で、和名には制約がない。
2) Compositae Giseke, 1792は保留名。

Japanese common name : Perapera-yomena
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Erigeron karvinskianus DC.

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賤機山にて(植栽)


ペラペラヨメナ(ぺらぺら嫁菜)
別名:ゲンペイコギク(源平小菊)/ムキュウギク(無休菊)
キク科ムカシヨモギ属
学名:Erigeron karvinskianus DC.
花期:5月~11月 多年草 草丈:20~50cm 花径:10~20mm

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【学名解説】
Erigeron : eri(早い)+geron(老人)/ムカシヨモギ属
karvinskianus : Wilhelm Friedrich Karwinski von Karwin (1780-1855)の
DC. : Augustin Pyramus de Candolle (1778-1841)

撮影地:静岡県静岡市
静岡市葵区与一 2006.07.14
賤機山(Shizuhata-yama) 2017.05.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 July 2006
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by pianix | 2006-07-27 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ゴボウ(牛蒡)
 ゴボウ(牛蒡)は、キク科ゴボウ属の多年草です。ユーラシア大陸(欧州北部・シベリア・中国東北部)が原産です。古い時代に中国から薬草用途で渡来したと考えられられている帰化植物です。縄文時代の遺構から種子が出土しています。平安時代後期に蔬菜として食用され始めたと言われています。現在、食用に利用しているのは日本と、台湾に僅かあるのみです。西洋では葉をサラダとして使います。日本の主要産地は関東北部の茨城・埼玉・群馬です。

 名の由来は、根が牛の尾に似ていて、葉が両側に開く意味を持つ「蒡」を充てた漢名を借用して音読みしたものと言われています。日本の古い時代には、キタキス(岐太岐須)やウマフフキ(宇末不々木)と呼ばれていたようです。英名は、edible burdock。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ゴボウ属(Arctium L.)は、中国東北部からヨーロッパ・シベリアに6種が分布します。食用とされるのは1種のみで、日本には自生種はありません。

 主根は多肉質で、品種により長さ40~150cmになります。茎は分枝し、150cm程になります。根生葉は叢生し長い柄があります。心臓形で波打ち、長さは40cm内外、暗緑色で、葉裏に綿毛が密生します。花期は6月から7月頃。分枝した茎先に多くの頭花を付けます。頭花は径40~45mmの球形で、淡紫色(稀に白色)の筒状花の集合体です。総苞はイガ状の細い棘が広がり、先端が鉤状になっていて動物に取り付きます。

 生薬として、根を乾燥させたものをゴボウコン(牛旁根)、種子を乾燥させたものをアクジツ(悪実)あるいはゴボウシ(牛旁子)として用いられます。栽培されているゴボウは幾つかの品種があり、長根種と太根種に大別されます。

Japanese common name : Gobou
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Arctium lappa L.
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頭花は筒状花の集合体


ゴボウ(牛蒡)
キク科ゴボウ属
学名:Arctium lappa L.
花期:6月~7月 多年草 草丈:100~150cm 花径:40~45mm

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【学名解説】
Arctium : arktos(熊)/ゴボウ属
lappa : lavein(掴む・引っ掛ける)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.07.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 21 July 2006
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by pianix | 2006-07-21 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
ヤグルマギク(矢車菊)
 ヤグルマギク(矢車菊)は、キク科ヤグルマギク属の1年草(越年草)です。ヨーロッパ東南部から西アジアが原産です。日本には明治初期から中期に渡来したと言われていますが、詳細は不明です。名の由来は、花の切れ込み形状を矢車に見立てたもの。このヤグルマギクは、古代エジプト第18王朝のファラオであるツタンカーメン(Tut-ankh-amen, BC.1342-1324ca.)の墳墓前室に置かれていた事でも知られています。矢車を冠した名には、ユキノシタ科のヤグルマソウ(矢車草)があり、こちらは葉を例えています。英名は、Cornflower。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。ヤグルマギク属(Cyanus)、旧ケンタウレア属(Centaurea L. (1753))は、地中海と中東に約450~600種が分布します。

 茎は下部で分枝し、綿毛が密生します。葉は互生し、柄は無く、長さ5~10cm。茎葉の下部は倒卵形の浅裂した羽状で、上部は長い線形です。花期は4月~6月。茎頂に3~5cmの頭花を単生します。筒状花で構成されています。周辺の長い筒状花は雌性で中心部の短い筒状花は両性です。総苞は1~2cmの壷形で、総苞片には鋸歯があります。基本種の花色は種小名cyanusに採用されている藍色(濃青紫色)です。他に、園芸種として透明感がある白・赤・桃等があります。果実は痩果です。白い冠毛があります。本種は、蜜源植物・染料物質・青インク原料・薬用植物(利尿・胆汁排出剤)として用いられてきました。染色体数は、2n=24。

 ヤグルマギクの花色である青色については、90年の長期に渡って研究がされてきました。1913年にドイツの化学者がヤグルマギクの青色素がアントシアニン(anthocyanin)である事を明らかにし、それによって1915年にはpH説が提唱されました。また、補助色素が関与するという1932年のコピグメント(copigment)説、1970年代以降には分子会合説が唱えられました。これに対して1919年、日本の植物生理学者の柴田桂太博士が金属錯体説を提唱しました。この証明は2005年、東京学芸大の武田幸作名誉教授、九州大学理学部の塩野正明博士、KEK放射光科学研究施設の松垣直宏博士らによって成功しました。ヤグルマギクの色素1)は、単独では赤いシアニジン(cyanidin)型アントシアニンに、鉄・マグネシウム・カルシウムの3種類の金属イオンと、フラボン(flavon)と呼ばれる有機物が結合した複雑な構造である事が解明されました。

1)"Structure of the blue cornflower pigment. Packaging red-rose anthocyanin as part of a 'superpigment' in another flower turns it brilliant blue."Vol. 436 P. 791 August 11, 2005

Japanese common name : Yaguruma-giku
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Cyanus segetum Hill

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左:壷形の総苞  右:綿毛が密生する茎と葉

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白花。赤や桃色などがある。


ヤグルマギク(矢車菊)
キク科ヤグルマギク属
学名:Cyanus segetum Hill
synonym : Centaurea cyanus L.
花期:4月~6月 1年草(越年草) 草丈:30~70cm 花径:3~5cm

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【学名解説】
cyanus : 藍色の/ヤグルマギク属
segetum : 畑の
Hill : John Hill (1716-1775)
---
Centaurea : 古植物名centaurie|ギリシャ神話の怪物Centaur/ヤグルマギク属
cyanus : 藍色の
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
葵区賎機(植栽) 2006.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

7 June 2006, 11 August 2012
Last modified: 29 August 2016
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by pianix | 2006-06-07 00:00 | | Trackback | Comments(0)
チョウセンアザミ(朝鮮薊)
 チョウセンアザミ(朝鮮薊)は、キク科チョウセンアザミ属の多年草です。地中海沿岸が原産で、日本へは江戸時代の1868(慶応4)年にオランダから渡来したと言われています。名の由来は、不明です。「チョウセン」は外国産を表す程度の意味合いで、朝鮮とは関係ありません。中国では洋薊(yangji)ですから、ヨーロッパのアザミである事がよく分かります。英名は、アーティチョーク(Artichoke)、あるいはglobe artichoke。Artichokeは、語源がアラビア語のアル・カチェフ(al-kharshuf)で、大きなアザミの意味。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。チョウセンアザミ属(Scolymus L. (1753))は、地中海沿岸を中心に約8種類あります。

 原種は、野生種で棘が多いカルドン(Cardoon)=Cynara cardunculus L.と言われています。茎は太く、叢生し、草丈は150~200cmになります。葉はやや硬質で、長さ50~80cmで羽状に深裂し、葉裏は白い綿毛が密生します。棘は、ほとんどありません。小葉の先端は棘状になります。

 花期は6月から9月頃。茎の先に径8~15cmの頭状花を付けます。管状花の集合体で、淡紫色です。総苞片は棘になります。学名のCynaraは、この状態を犬の歯に見立てたものです。ヨーロッパでは、蕾の内に摘んだ総苞片の肉質部や花托を茹でて食用とします。葉にはサポニンやセスキテルペン配糖体が含まれ、薬草として利尿・強壮・食欲増進に用いられます。冬はロゼットで越冬します。繁殖は主に株分けで行います。

 ※「加藤ローサのスローライフ・トラベラー(DVD)」Sony Musicで、このアーティチョークが登場しました。私の弟が撮影したものですが、もっぱらどのような味だったのかに興味津々でした。

Japanese common name : Artichoke
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Cynara scolymus L.

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茎と葉
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チョウセンアザミ(朝鮮薊)
和名:アーティチョーク(Artichoke)
キク科チョウセンアザミ属
学名:Cynara scolymus L.
花期:6月~9月 多年草 草丈:150~200cm 花径:8~15cm

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【学名解説】
Cynara : cyno(犬)/チョウセンアザミ属
scolymus : 古い属名|刺の
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
葵区賎機(植栽) 2006.07.03
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

22 July 2006
Last modified: 6 June 2014
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by pianix | 2006-06-06 00:00 | | Trackback | Comments(0)
セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)
 セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)は、キク科ノコギリソウ属の多年草です。ヨーロッパ原産で、アメリカやオーストラリアに帰化しています。日本へは1900年(明治20年)に園芸用として渡来しました。逸出して野生化し、全国に分布しています。名の由来は、葉の縁が鋸状になっている事から。学名の属名は、トロイ戦争の英雄アキレス(Achilles)が傷の治療に用いた事に因むと言われています。中国名は、蓍(shī)。英名は、Yarrow。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。Compositae Giseke, 1792は保留名。ノコギリソウ属(Achillea L. (1753))は、北半球の温帯から寒帯にかけて約85種類が分布します。

 地下茎があり、走出枝を出して群生する傾向にあります。葉は互生し、長さ6~9cm、幅1cm程で軟毛があります。根生葉は長い葉柄があり、茎葉は無柄です。中央脈に達する深い切れ込みとなる2回~3回羽状深裂になり、各裂片は線形になります。葉の縁は細かな切れ込みになる細鋸歯があります。

 花期は5月から9月で、頭状花序を付けます。頭花は、茎から傘状に分岐して高さが一様になる散房花序(corymb)となり、多数付きます。頭花は径6~8mmの白色か淡紅色で、縁に雄花の舌状花が普通5枚、中央に両生花の筒状花が多数あり平開します。果実は痩果(achene)です。

 薬用ハーブとして古くから知られています。外傷の止血効果や発汗・健胃に全草が用いられます。同じ帰化種に、ノコギリソウモドキ(鋸草擬き)Achillea x stricta (W.D.J.Koch) Schleich. ex Gremli があります。類似種に、北海道から本州に分布するノコギリソウ(鋸草)Achillea alpina L.、舌状花が3mm以下のヤマノコギリソウ(山鋸草)Achillea alpina L. var. discoidea (Regel) Kitam.等があります。


Japanese common name : Seiyou-nokogiri-sou
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Achillea millefolium L.

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茎頂から傘状に分岐して頭状花序をつける。頭花は径6~8mmの白色か淡紅色。

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2回~3回羽状深裂になり、各裂片は線形。


セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)
キク科ノコギリソウ属
学名:Achillea millefolium L.
花期:5月~9月 多年草 草丈:30~80cm 花径:6~8mm

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【学名解説】
Achillea : ギリシア神話の英雄アキレス(Achilles)に因む/ノコギリソウ属
millefolium : millefolius(多数の葉の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から10.25km 左岸土手 2006.05.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

1 June 2006
Last modified: 16 November 2017
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by pianix | 2006-06-01 00:00 | | Trackback | Comments(2)
チチコグサ(父子草)
 チチコグサ(父子草)は、キク科チチコグサ属の多年草です。日本、中国、韓国、台湾に分布します。日本全国に分布する在来種です。名の由来は、在来種のハハコグサ(母子草)と対比させ、褐色の花に華やかさが無く地味との意味で付けられたと言われています。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。ハハコグサ属(Gnaphalium L. (1753))は世界で約120種が分布し、日本には数種が自生します。近年にハハコグサ属からチチコグサ属(Euchiton Cassini, 1828)に分離独立されました。

 根は匐枝を横に出し、群生します。根出葉は束生し、葉裏に綿毛が密生する長さ2.5~10cm、幅4~7mmの線状倒披針形です。茎は細く、白色の綿毛を密生します。茎葉は少数が互生し、長さ20~25mm、幅2~4mmの線状。全縁で鋭頭です。両面に毛がありますが、表側はまばらです。草丈は8~25cmになります。

 花期は5月から10月頃。茎頂に頭状花を付けます。茶褐色の頭花は総苞の集合体です。総苞は鐘形で10以上あり、総苞の回りには総苞片があります。合弁花である両性花です。果実は痩果で3mm程の冠毛があり、風によって伝搬されます。繁殖は種子と地下茎によります。染色体数は、2n=28。

 種小名にjaponicusとあります。日本産という意味のラテン語です。ラテン語の場合、名詞には性(gender)があります。男性(masculine)、女性(feminine)、中性(neuter)の3性名詞です。これを「日本」に当てはめると、女性名詞はjaponica(ヤポーニカ)、男性名詞はjaponicus(ヤポーニクス)、中性名詞はjaponicum(ヤポーニクム)となります。チチコグサ属(Euchiton)は男性名詞なので種小名はjaponicusと男性名詞、ハハコグサ属のGnaphaliumという名詞は中性名詞なので、種小名も中性名詞となっています。これは属名と種小名の性の一致という学名規則によっています。このような規則を持った学名でも、中には怪しいものが見受けられます。

 類似種に、チチコグサモドキ(父子草擬)、ウラジロチチコグサ(裏白父子草)があります。

Japanese common name : Titi-ko-gusa
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Gnaphalium japonicum Thunb.
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チチコグサ(父子草)
キク科チチコグサ属
学名:Euchiton japonicus (Thunb.) Anderb.
synonym : Gnaphalium japonicum Thunb.
花期:5月~10月 多年草 草丈:8~25cm 総苞:4~5mm

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【学名解説】
Euchiton : eu(良)+chiton(衣服)/チチコグサ属
japonicus : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Anderb. : Arne A. Anderberg (1954 - )
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
Gnaphalium : gnaphallon(一握りの尨毛=獣の毛)|フェルトに由来/ハハコグサ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

25 May 2006
Last modified: 31 December 2014
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by pianix | 2006-05-25 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ウラジロチチコグサ(裏白父子草)
 ウラジロチチコグサ(裏白父子草)は、キク科ウスベニチチコグサ属の多年草です。南アメリカ原産の帰化植物で、北アメリカ、オーストラリア、ユーラシア、アフリカなど世界中に帰化しています。日本では1970年に帰化が確認されました。日本各地に分布します。名の由来は、在来種のチチコグサ(父子草)に似ていて葉裏が白い事によります。英名は、Shiny cudweed、Spiked cudweed。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化種は100種以上あります。双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。Compositae Giseke, 1792は保留名。APG体系では、ウスベニチチコグサ属(Gamochaeta Weddell, 1856)としてハハコグサ属から独立させています。エングラー体系では、ハハコグサ属(Gnaphalium L. (1753))で、世界で約120種が分布し、日本には数種が自生します。

 冬はロゼットを形成して過ごします。幅が広い長楕円形をしています。茎は、地を這い走出枝(runner)を伸ばして増殖し、成長と共に立ち上がってきます。白い綿毛に被われています。在来種のチチコグサよりも大型になります。葉は、縁が波打ち鈍頭、表側は無毛で鮮緑色、葉裏は綿毛を密生させて白くなります。茎の上部に頭花を穂状に付けます。両性花です。総苞は先端が細くなります。総苞片は、成長と共に赤紫色から褐色に変化していきます。花後の頭花は壺型になります。果実は痩果です。染色体数は、2n=38。

 類似種に、花が淡紅紫色になるウスベニチチコグサ(薄紅父子草)Gamochaeta purpurea (L.) Cabrera があります。葉裏が白くなるのでウラジロチチコグサと混同する場合があります。チチコグサモドキ(父子草擬)Gamochaeta pensylvanica (Willd.) Cabrera は、葉裏が白くなりません。

Japanese common name : Urajiro-titiko-gusa
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Gamochaeta coarctata (Willd.) Kerguélen

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左:茎の上部に頭花を穂状に付ける。蕾は紅紫色。  右:葉裏は白色。


ウラジロチチコグサ(裏白父子草)
キク科ウスベニチチコグサ属
学名:Gamochaeta coarctata (Willd.) Kerguélen
synonym : Gnaphalium spicatum L.
花期:6月~8月 多年草 草丈:20~25cm 総苞径:6~7mm

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【学名解説】
Gamochaeta : gamos(結婚)?+chaeta(ひげ、長い毛)/ウスベニチチコグサ属
coarctata : coarctatus(密集した)
Willd. : Carl Ludwig von Willdenow (1765-1812)
Kerguélen : Michel Francois-Jacques Kerguélen (1928-)
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Gnaphalium : gnaphallon(一握りの尨毛=獣の毛)|フェルトに由来/ハハコグサ属
spicatum : spicatus(穂状花ある・穂状をなした)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.06
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 May 2006
Last modified: 11 June 2014
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by pianix | 2006-05-17 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ニガナ(苦菜)
 ニガナ(苦菜)は、キク科ニガナ属の多年草です。中国、韓国、日本に分布し、日本国内全域で自生分布する在来種です。名の由来は、茎や葉に含まれる乳液が苦い事によります。山菜として利用され、副鼻腔炎や胃炎の民間療法にも使われます。英名は、Korean lettuce。ニガナの名が付くものは多いので判別には若干の注意が必要です。 

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。ニガナ属(Ixeridium (A. Gray) Tzvelev, in V.L. Komarov, 1964)は、東アジアに約20種が分布し、日本には約10種が分布します。

 長い葉柄を持つ根生葉があり、3~10cmの広披針形から倒卵状長楕円形です。全縁か、羽状に深く裂けます。茎の断面は、四角形状。茎に付く葉は4~5cmの長楕円形で、柄はなく基部で茎を抱きます。総苞片は細い円筒形で、総苞外片は短い鱗片状です。

 花期は5月から7月頃。花茎を分散させ、頭花を集散状に付けます。花弁に見えるのは、小花である黄色の舌状花です。それが集まった径15mm程の集合花で、舌状花は通常5個あります。先端に4つ程の切れ込みがあります。舌状花が7~11枚のものはハナニガナ(花苦菜)と呼ばれます。

 雄しべは5本がまとまって筒になる集約雄ずいです。無性生殖で種子を作ります。無融合生殖1)で、複相胞子生殖2)を行います。果実は紡錘形の痩果で、長さは3~3.5mm。白色の冠毛を付けます。風によって散布されます。染色体数は、2n=21,28。

1)無融合生殖(apomixis):
 受精を行わずに配偶体から新しい胞子体ができる生殖法
2)複相胞子生殖(diplospory, aneuspory):
 配偶体無融合生殖(gametophytic apomixis)の内の一つで、胚珠内の倍数性の大胞子からそのまま胚嚢がつくられるもの。

Japanese common name : Nigana
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Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. dentatum


ニガナ(苦菜)
キク科ニガナ属
学名:Ixeridium dentatum (Thunb.) Tzvelev subsp. dentatum
synonym : Ixeris dentata (Thunb.) Nakai
花期:5月~7月 多年草 草丈:20~40cm 花径:15mm

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【学名解説】
Ixeridium : Ixeris(語源不明)+eidos(構造)/ニガナ属
dentatum : dentatus(歯状の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
Tzvelev : Nikolai Nikolaievich Tzvelev (1925- )
subsp. : subspecies(亜種)
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Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)
synonym(シノニム) : 同意語、異名。

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.10
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 10 May 2006
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by pianix | 2006-05-10 00:00 | | Trackback | Comments(0)
チチコグサモドキ(父子草擬)
 チチコグサモドキは、キク科ウスベニチチコグサ属の1年草です。北アメリカ原産で、暖帯から温帯にかけた南アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニアに分布します。日本には大正時代に渡来したと言われる帰化植物で、1916年(大正4)に報告があり、非意図的移入とされています。全国に分布します。

 名の由来は、在来種のチチコグサ(父子草)に似たとの意味から。変異が多く、学名や和名は諸説あります。英名は、Wandering cudweed、あるいはManystem cudweed。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化種は100種以上あります。双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。Compositae Giseke, 1792は保留名。エングラー体系では、ハハコグサ属(Gnaphalium L. (1753))で、世界で約120種が分布し、日本には数種が自生します。APG体系では、ウスベニチチコグサ属(Gamochaeta Weddell, 1856)として独立させています。

 根生葉があり、ロゼットを形成します。茎には白い綿毛があり、10~30cm程になります。葉は3~7cmのへら形で、表裏面ともに綿毛に被われていますが、裏面のほうがより白味がかって見えます。縁が波打つのが特徴です。チチコグサの場合は細長い線形です。

 花期は4月から9月頃。茎の上部の葉腋に3~5mm程の頭花をつけます。総苞は先端で細り、白い綿毛で被われた総苞外片があります。花は褐色の筒状花(合弁花)です。褐色茎の成長と共に頭花は散在します。種子は痩果で、白い冠毛があり、主に風により伝播します。気温が下がる秋に発芽します。染色体数は、2n=28。

 近似種に、葉の裏が白いウラジロチチコグサ(裏白父子草)、花色が淡紅紫色のウスベニチチコグサ(薄紅父子草)等があり野生化しています。

Japanese common name : Titikogusa-modoki
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Gamochaeta pensylvanica (Willd.) Cabrera


チチコグサモドキ(父子草擬)
キク科ウスベニチチコグサ属
学名:Gamochaeta pensylvanica (Willd.) Cabrera
synonym : Gnaphalium pensylvanicum Willd.
花期:4月~9月 1年草 草丈:10~30cm 花径:3~5mm

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【学名解説】
Gamochaeta : gamos(結婚)?+chaeta(ひげ、長い毛)/ウスベニチチコグサ属
pensylvanica : 米国ペンシルバニア(Pennsylvania)の
Willd. : Carl Ludwig von Willdenow (1765-1812)
Cabrera : Angel Lulio Cabrera (1908-1999)
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synonym : (シノニム) 同意語、異名
Gnaphalium : gnaphallon(一握りの尨毛=獣の毛)|フェルトに由来/ハハコグサ属
pensylvanicum : 米国ペンシルバニア(Pennsylvania)の

撮影地:静岡県静岡市
葵区福田ヶ谷 2006.05.01
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 6 May 2006
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by pianix | 2006-05-06 00:00 | | Trackback | Comments(4)