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シロバナタンポポ(白花蒲公英)
 シロバナタンポポ(白花蒲公英)をしばらく探し歩いた時がありました。どこにも見あたらず諦めかけていたところ、何と我が家の近くに咲いているのを見つけました。春に咲くタンポポですが、静岡では秋の一時期にも咲く事があります。このシロバナタンポポは、あまりも近くで咲いているので灯台もと暗し状態になり、秋に芽生えた花を見つけるのが遅れました。そして数日後には消えて無くなりました。

☆  ☆  ☆

 シロバナタンポポは、キク科タンポポ属の多年草です。関東から九州に野生する在来種です。花色が白であることが最大の特徴で、中央部はキビシロタンポポ(吉備白蒲公英)のように黄色を帯びます。キビシロタンポポは、総苞片が反りかえりませんが、シロバナタンポポは、やや反りかえります。種子の色は褐色ですが、キビシロタンポポは、より濃い黒色になります。どちらも単為生殖である事は変わりません。シロバナタンポポは、カントウタンポポ(関東蒲公英)などより草丈があり、葉は寝ません。染色体数は、2n=5x=40。5倍体無融合生殖種です。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布し、日本には約70属360種があります。タンポポ属(Taraxacum F.H. Wiggers, 1780)は世界に約400種類、細分して約2000種ほどあり、日本には約22種が野生しています。それらは大きく在来種と外来種に分けられます。

 その内で白花は3種類あります。シロバナタンポポ(白花蒲公英)Taraxacum albidum Dahlst.、キビシロタンポポ(吉備白蒲公英)Taraxacum hideoi Nakai ex H.Koidz.、オクウスギタンポポ(奥薄黄蒲公英)Taraxacum denudatum H.Koidz.です。在来種の染色体は2倍体であり、外来種は3倍体、白花種は5倍体です。染色体は二分割の半数体によって、雌雄の染色体が合体し、新しい生殖細胞を作り出します。これを両性生殖と言います。しかし染色体が奇数倍体の場合は、染色体を二分割できず、生殖細胞を作る事ができないため、自らの細胞から種を作る事になります。これを単為生殖と言います。つまりクローンです。この場合は、花粉の散布が必要ないため、媒介する虫などを必要としません。従って、都市部のような虫が少ない所では有利に働くと考えられています。

参考:セイヨウタンポポ(西洋蒲公英) シロバナタンポポ(白花蒲公英) トウカイタンポポ(東海蒲公英)

Japanese common name : Sirobana-tanpopo
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Taraxacum albidum Dahlst.
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シロバナタンポポ(白花蒲公英)
キク科タンポポ属
学名:Taraxacum albidum Dahlst.
花期:2月~5月 多年草(単為生殖) 草丈:10~30cm 花径:35~45mm

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【学名解説】
Taraxacum : tharakhchakon(苦い草)の変形/タンポポ属
albidum : albidus(淡白色の)
Dahlst. : Hugo Gustav Adolf Dahlstedt (1856-1934)

撮影地:静岡県静岡市葵区
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2005.12.09
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

27 December 2005
Last modified: June 14, 2008
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by pianix | 2005-12-27 00:00 | | Trackback | Comments(4)
ハキダメギク(掃溜菊)
 ハキダメギク(掃溜菊)は、キク科コゴメギク属の1年草です。熱帯アメリカ原産で、荒れ地等に生育する帰化植物です。日本全国に分布します。名の由来は、ゴミ捨て場(=掃溜)で見つかった菊である事から。名付け親は、牧野富太郎博士で、大正時代(1920年頃)に東京世田谷の掃き溜めで発見され、1932年に北村四郎博士によって和名が確定したとされています。中国名は、粗毛牛膝菊(cu mao niu xi ju)。英名は、Shaggy soldier。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, (1792)は、「合成された」との意味から。コゴメギク属(Galinsoga Ruiz & Pavon (1794))は、世界に約13種が分布します、

 好窒素植物で繁殖力が強く、畑などでは害草とされます。茎は分岐しながら伸びます。草丈は10~60cm。葉は、対生します。卵形で先端は尖り、まばらな鋸歯があります。

 花期は、6月から11月。枝先に頭花をつけます。黄色の筒状花の先端は5裂します。筒状花の回りを、白色の舌状花が5枚並びます。この先端が浅く3裂していて、小さく愛らしい形をしています。総苞片と花柄には腺毛が密生します。果実は痩果です。鱗片状の冠毛があり、種子本体にも毛があります。約1.5mm。風媒花。染色体数は、2n=32,48,64。

 似た花にコゴメギク(小米菊)Galinsoga parviflora Cav. があります。ハキダメギクの痩果には冠毛がありますが、コゴメギクにはありません。属名Galinsogaは、18世紀のスペインの植物学者でマドリッドの植物園長の名に因んでいます。

Japanese common name : Hakidame-giku
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Galinsoga quadriradiata Ruiz et Pavon
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右:白色の舌状花が5枚並び、先端が浅く3裂する。左:全体 

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花柄や総苞片に腺毛が密集

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左:舌状花と筒状花。筒状花の先端は5裂する。右:筒状花。

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左:鱗片状の冠毛 右:果実は痩果


ハキダメギク(掃溜菊)
キク科コゴメギク属
学名:Galinsoga quadriradiata Ruiz et Pav.
synonym : Galinsoga ciliata (Raf.) S.F.Blake
花期:6月~11月 1年草 草丈:10~60cm 花径:5mm

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【学名解説】
Galinsoga : Mariano Martinez de Galinsoga (1766-1797) に因む/コゴメギク属
quadriradiata : quadratus(正四角形の)+radiatus(放射状に長い)
Ruiz : Hipolito Ruiz Lopez (1754-1815)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Pav. : Jose Antonio Pavon (1750-1844)
---
ciliata : ciliatus(縁毛のある)
Raf. : Constantin Samuel Rafinesque(-Schmalz) (1783-1840)
S.F.Blake : Sydney Fay Blake (1892-1959)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.75km 左岸河川敷 2005.11.01
内牧川(安倍川水系) 2005.11.17
賤機山 2016.12.09
接写 2017.10.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 December 2005, 1 November 2005, 14 June 2008
Last modified: 25 October 2017
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by pianix | 2005-12-17 00:00 | | Trackback | Comments(2)
ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)
 ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)は、キク科ベニバナボロギク属の1年草です。ボロギク(襤褸菊)は、本種とは異なるキク科キオン属で、サワギク(沢菊)の別名です。花後に白い冠毛ができ、それをボロに例えたものと言われています。ベニバナボロギクも、赤い筒状花が同様な冠毛を付けるので名が付けられたようですが、詳細は不明です。冠毛は風で運ばれます。アフリカ原産の帰化植物で、日本には戦後(1946年)に渡来し、急速に広まり、本州、四国、九州、沖縄に分布します。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。ベニバナボロギク属(Crassocephalum Moench, 1794)はアフリカ地域に約30種があります。

 花は管状花で、下向きに咲きます。枯れたり弱っているわけではありません。筒状で、これ以上は開きません。ノボロギク(野襤褸菊)やダンドボロギク(段戸襤褸菊)の形状に似ていますが、その頭花は黄色で、こちらは緑と紅色のコントラストが目立ちます。葉は、下部は羽状に切れ込みがあり、上部は切れ込みの度合いが少なく、互生します。茎は、水分が多めで柔らかく、途中で枝分かれします。染色体数は、2n=40。

 茎も葉も食用となり、春菊に近い味がするとの事です。別名のナンヨウシュンギク(南洋春菊)は、戦時中に軍人の食料とされた事があり、その時に付けられた名前です。

Japanese common name : Benibana-borogiku
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Crassocephalum crepidioides (Benth.) S.Moore


ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)
別名:ナンヨウシュンギク(南洋春菊)/ショウワソウ(昭和草)
キク科ベニバナボロギク属
学名:Crassocephalum crepidioides (Benth.) S.Moore
花期:8月~12月 1年草 草丈:30~70cm 花径:約7mm

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【学名解説】
Crassocephalum : Marcus Licinius Crassus (BC.114-BC.53)+cephale(頭)/ベニバナボロギク属
crepidioides : Crepis(長靴)属+dioides(似た)
Benth. : George Bentham (1800-1884)
S.Moore : Spencer Le Marchant Moore (1850-1931)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川支流/内牧川 2005.11.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

16 December 2005
Last modified: June 14, 2008
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by pianix | 2005-12-16 00:00 | | Trackback | Comments(5)
コセンダングサ(小栴檀草)
 コセンダングサ(小栴檀草)は、キク科センダングサ属の1年草です。世界の暖帯から熱帯に広く分布します。日本では、江戸時代に経路不明で移入されたと考えられている帰化植物です。本州中部以西に分布し、生態系被害防止外来種(旧要注意外来生物)に指定されています。センダングサ(栴檀草)は、センダン(栴檀)に葉が似ている事に由来し、そのセンダングサより果実が小型であることから。変種が多くあり、和名の混乱があります。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。センダングサ属(Bidens L. (1753))は、暖帯から熱帯に約200種が分布します。

 茎は多数に分岐します。草丈は、50~100cm。葉は鋸歯があり、下部で対生、上部で互生し、羽状に分裂します。卵形~長楕円形で鋭頭、鋸歯があります。花期は7月から11月頃。花は、径約10mm。黄色の筒状花だけで、稀に小さな舌状花が付いている事があります。全ての花に白い舌状花があるものは、変種のコシロノセンダングサ(小白の栴檀草)で、黄色の舌状花の場合は、センダングサです。

 果実は痩果です。長さ約15mmの線形で放射状に広がってつきます。アメリカセンダングサ(亜米利加栴檀草)より細長く、先端には2~4本の棘状の物があり、これで動物などに付着します。ひっつき虫。染色体数は、2n=36,48,72。

☆  ☆  ☆

 寒気が入り込み、寒さが身に凍みる頃、河川敷は茶色に染まり、花の姿が見られません。それでも、時間さえあれば野草観察に出かけます。花がないのに観察とはどういう事なのかと問われそうです。それは、「花がない事を確認するため」です。ところが、例外はどの世界にもあるようで、季節外れの花を見かける事も多くあります。また、種子の採取も目的とします。

 コセンダングサは、あまり付き合いたくない花の一つです。しかし、毎年の如く、一番多く付き合ってしまう花になってしまいます。原因は、その種子にあります。衣服や靴紐に取り付くので、その場で払うようにしています。拡散させないためです。そのような事をやっていると、次の観察ポイントまでの移動が遅れる事になります。冬は日が落ちる時間が早いので、観察する時間も短縮されます。それをコセンダングサが邪魔をしてくれるのです。

 「私たち、友達だよね」とコセンダングサが語りかけてくるようです。「そんな訳、無いだろうが」「そんな冷たい事を言わないで、今日もたくさん実をあげるから」。撮影したい花を見つけても、コセンダングサが道を阻んでいる場合が多くあります。何とか通れそうな、細い道にあるコセンダングサを切り落とそうとすると、その最中にも大量の種子が付着します。今日は被害に遭わなかったと喜んで帰宅した日も、見えなかった部分にたくさん付いていたりします。悩ましいコセンダングサです。

 しかしよく考えると、コセンダングサが歩き回り種子を散布する訳ではありません。とすると、動物自体がコセンダングサに近づき自ら散布している事になります。植物が、動き回る動物がいると知り得たのは何故なのでしょう。

Japanese common name : Ko-sendan-gusa
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Bidens pilosa L. var. pilosa

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頭花は筒状花のみで舌状花は無い
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コシロノセンダングサ(小白の栴檀草)
Bidens pilosa L. var. minor Sherff


コセンダングサ(小栴檀草)
キク科センダングサ属
学名:Bidens pilosa L. var. pilosa
花期:7月~11月 1年草 草丈:50~100cm 花径:約10mm

コシロノセンダングサ(小白の栴檀草)
別名:シロノセンダングサ(白の栴檀草)/シロバナセンダングサ(白花栴檀草)
キク科センダングサ属
学名:Bidens pilosa L. var. minor (Blume) Sherff
花期:7月~11月 1年草 草丈:50~100cm 花径:約20mm

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【学名解説】
Bidens : bi(二)+dens(歯)/センダングサ属
pilosa : pilosus(軟毛がある)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
---
minor : minus(より小さい)
Blume : Carl Ludwig Blume (1789-1862)
Sherff : Earl Edward Sherff (1886-1966)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12.75km 左岸河川敷 2005.12.06
ダイラボウ(Alt. 561.1m) 2008.11.25
帆掛山(Alt. 304m) 2015.10.13
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

15 December 2005
Last modified: 19 September 2017
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by pianix | 2005-12-15 00:00 | ひっつき虫 | Trackback | Comments(2)
イソギク(磯菊)
 イソギク(磯菊)は、キク科キク属の多年草です。大変狭い地域に生息する日本原産の在来種です。範囲は千葉県犬吠崎から静岡県の御前崎あたりまでで、海岸沿いの岩場に自生します。房総半島、伊豆半島とも自生種が見られますが、土手沿いのものは品種改良されて移植されたものがあるようです。

 海辺に咲く花は葉に特徴があり、厚みを帯びているものが多いようです。イソギクの葉も同様に厚く、葉裏面には白い毛が生えています。それが縁沿いまで達しているので、表面から見ると白の縁取りに見えます。

 花には、周りを飾る花びらに相当する舌状花はありません。黄色の小さな管状花だけで成り立ち、それが散房状に多数付いています。舌状花を持つのは園芸品種のハナイソギク(花磯菊)で、菊との交雑種です。花壇や鉢植えの用途として、園芸種が広く出回っています。初夏に挿し木で繁殖する事ができます。

Japanese common name : Iso-giku
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Chrysanthemum pacificum Nakai


イソギク(磯菊)
キク科キク属
学名:Chrysanthemum pacificum Nakai
synonym : Dendranthema pacificum (Nakai) Kitam.
花期:10月~12月 多年草 草丈:30~40cm 花径:5~6mm 果期:11~1月

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【学名解説】
Chrysanthemum : chrysos(黄金色)+anthemon(花)/キク属
pacificum : pacificus(太平洋の)
Nakai : 中井猛之進 (1882-1952)/東京帝国大学植物学科教授
---
Dendranthema : dendron(樹木)+anthemon(花)/キク属
Kitam. : 北村四郎 (1906-2002)/京都大名誉教授・「原色日本植物図鑑」著者
---
ハナイソギク(花磯菊)
Chrysanthemum x marginatum (Miq.) Matsum.
x : 二種間交配種
marginatum : marginatus(縁取りのある)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Matsum. : 松村任三 Ninzo Matsumura (1856-1928)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区西島 2005.11.22
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 17 January 2014
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by pianix | 2005-12-07 00:00 | 海辺の植物 | Trackback | Comments(4)
ツワブキ(石蕗)
 ツワブキ(石蕗)は、キク科ツワブキ属の多年草です。私が今年初めてを見たのは、10月30日。まだ蕾の状態で、一花だけ開きかけている状態でした。一ヶ月を経た今は、溢れるばかりに咲いていますが、すでにくたびれてしまったものまであります。撮影地は、日本平という、海に近い山の中腹です。

 名の由来は、艶葉蕗(ツヤハブキ=艶のある葉の蕗)から来ているという説があります。温暖な地方の海沿い岩場に自生する事から石蕗の字が充てられ、照り返しによる乾燥や、潮風の塩分に耐えるような葉の造りになっています。英名は、Japanese silverleaf。花は一目でキク科であると分かります。頭花の周りに舌状花(雌花)、中央は筒状花(両性花)からなります。浜辺に咲くハマヒルガオ(浜昼顔)も然り、花の部分は見慣れた形なのに、葉の形状が明らかに異なるのが、これらの特徴です。

 江戸時代から園芸品種が作られていて、現在では庭園や公園でも見る事ができます。観葉植物用途として、斑入りの品種もあります。性質は堅強で、あらゆる所で花を咲かせる事ができます。若い葉は茹でれば食べられます。また、民間薬(抗菌作用)としても使われるので、薬草園でも見る事ができます。サザンカと共に、冬の到来を知らせる花の一つです。

Japanese common name : Tuwabuki
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Farfugium japonicum (L.) Kitam.


ツワブキ(石蕗)
キク科ツワブキ属
学名:Farfugium japonicum (L.) Kitam.
花期:10月~12月 多年草 草丈:30~80cm 花径:4~6cm

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【学名解説】
Farfugium : farius(列)+fugus(駆除)/ツワブキ属
japonicum : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
L. : Carl von Linne (1707-1778)
Kitam. : 北村四郎 Shirō Kitamura (1906-2002)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区谷田/日本平中腹 2005.12.01
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 5 December 2005
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by pianix | 2005-12-05 00:00 | 海辺の植物 | Trackback(1) | Comments(4)
ノハラアザミ(野原薊)
 ノハラアザミ(野原薊)は、キク科アザミ属の多年草です。5月~6月にかけて咲きますが、時折、静岡のような温暖な地方では秋にも咲く事があります。それなので、秋に咲くのはノハラアザミ、とは言えない状態です。しかも、安倍川流域で見るのはノアザミばかりで、ノハラアザミ(野原薊)と出会う事がありませんでした。それが今年は、2カ所で咲いているのを見つけました。あるところにはある、と言うしかありませんでした。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。アザミ属(Cirsium P.Miller, 1754)は、 世界に300種以上、日本に100種以上が分布します。

 ノアザミの総苞(花の付け根に当たる部分)は粘り、総包片は反りかえりません。一方のノハラアザミは、総苞が鐘球形で、総包片が反りかえり、粘り気はありません。また、花が咲く時期の根生葉にも違いが見られ、ノアザミは曖昧になりますが、ノハラアザミは、はっきりと残ります。どちらも、タンポポのような冠毛がある種を付け、風によって散布します。染色体数は、2n=68, 102。

★  ★  ★

 アザミは、その棘により、太古の昔から嫌われるものの筆頭のように扱われています。聖書には幾つかのアザミを扱った箇所がありますが、最初に現れる部分は、神の戒めを守らなかったアダムに対して発せられる、恐ろしい場面です。『3:17 神はアダムに向かって言われた。「おまえは女の声に従い/取って食べるなと命じた木から食べた。お前のゆえに、土は呪われるものとなった。お前は、生涯食べ物を得ようと苦しむ。3:18 お前に対して/土は茨とあざみを生えいでさせる/野の草を食べようとするお前に。3:19 お前は顔に汗を流してパンを得る/土に返るときまで。お前がそこから取られた土に。塵にすぎないお前は塵に返る。」』創世記3章17~19節(新共同訳聖書)

参考:フジアザミ(富士薊)

Japanese common name : Nohara-azami
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Cirsium oligophyllum (Franch. et Sav.) Matsum.

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茎葉は互生。羽状中裂し、先端に鋭い棘がある。
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総包片は反りかえる。粘りけは無い。


ノハラアザミ(野原薊)
キク科アザミ属
学名:Cirsium oligophyllum (Franch. et Sav.) Matsum.
synonym : Cirsium tanakae auct. non (Franch. et Sav.) Matsum.
花期:8月~10月 多年草 草丈:40~100cm 花径:3~5cm

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【学名解説】
Cirsium : cirsion[静脈腫(cirsos)に効くCarduus pycnocephalus L.]の転用/アザミ属
oligophyllum : oligo(少数の)+phyllon(葉)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Sav : Paul Amedee Ludovic Savatier (1830-1891)
Matsum. : 松村任三 (1856-1928)
---
auct. non : auctorum non(著者の命名は別種を表す)
tanakae : 田中芳男 (1838-1915)の

撮影地:静岡県静岡市
内牧川(安倍川水系) 2005.11.17
安倍川/河口から8.5km 左岸 2006.09.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

June 21, 2008, 24 March 2014, 24 October 2017
Last modified: 18 February 2018
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by pianix | 2005-12-01 00:00 | | Trackback | Comments(4)
コスモス(Cosmos)
 コスモス(Cosmos)は、キク科コスモス属の1年草です。野原に優しい雰囲気を演出する、秋の代表的な花です。メキシコ原産で、イギリスへは1799年、我が国には、明治12年(1879年)頃に入ってきたと言われています。安倍川河川敷には、こぼれ種から野生化したコスモスが咲いています。

 コスモスは短日性の植物ですから、昼が短くなる時期の秋に開花します。和名の秋桜は、秋に咲く桜に似た花と言う意味でしょうが、現在では文学的に使われるだけで、コスモスが一般的だと思います。在来の種は、晩生種と呼ばれています。近年に品種改良で早生種が作られ、どの時期でも種まきから2ヶ月で花を咲かせる事ができるようになりました。

 早生種の代表的な品種としてセンセイション系があり、ホワイト(白色)・ピンキー(桃色)・ダズラー(濃紅色)・ラディアンス(桃色に濃紅色の蛇の目)の4種があります。ラディアンスの4倍体品種にベルサイユがあり、切り花に適しています。コラレット咲きのサイケ、花びら付け根が白地で桃色や濃紅色の縁取りを持つピコティーもあります。一般的に、種まきは4月下旬~5月上旬頃、挿し木の場合は6月頃に行われます。

Japanese common name : Kosumosu
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Cosmos bipinnatus Cav.


コスモス(Cosmos)
別名:アキザクラ(秋桜)/オオハルシャギク(大春車菊)
キク科コスモス属
学名:Cosmos bipinnatus Cav.
花期:9月~11月(早咲きは4月~) 1年草 草丈:30~180cm 花径:3~6cm

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【学名解説】
Cosmos : kosmos(飾り・美しい)/コスモス属
bipinnatus : 二回羽状の・再羽状の
Cav. : Antonio Jose Cavanilles (1745-1804)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から1km 右岸河川敷 2005.10.21
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: June 21, 2008
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by pianix | 2005-11-17 00:00 | | Trackback | Comments(3)
フジバカマ(藤袴)
 フジバカマ(藤袴)は、秋の七草であり、古来から親しまれてきた花の一つですが、現在は環境省の絶滅危惧II種(VU)に指定され、絶滅のおそれのある野生生物の種となっています。絶滅危惧II類(VU)とは、「絶滅の危険が増大している種」を意味しています。野生絶滅(EW)「飼育・栽培下でのみ存続している種」や、絶滅(EX)「我が国ではすでに絶滅したと考えられる種」とならない事を願うばかりです。(静岡県では育成が確認されています)

 日本列島は、6,000種に近い多様な野生植物が育成する、恵まれた地域環境であると言えます。しかしながら、急速な人為的開発によって生育場所を奪われ、絶滅の瀬戸際に立たされている植物は、1980年の調査開始以来、多大な数(1665種類)に上っている事が判明しています。これは我が国に存在する野生植物の24%に相当するそうです。河川開発、道路工事、植生の遷移が減少の主要因とされています。

一端絶滅すると、取り返しがききません。それで近年、各方面で保護活動が活発になっています。しかし、一般市民レベルでの関心と理解がないと難しいのも確かです。韓国ソウル市チョンゲチョン(清渓川)の、河川再生報道は記憶に新しいと思います。実は、先行モデルとなったのは、佐賀県唐津市の松浦川湿地再生の試み「アザメの瀬」事業であることは、おおいに勇気づけられます。人間が生活する以上、野となれ山となれ方式では困りますが、自然環境を考えに入れない極端な開発の悪影響を止める意識を持たなければならない時代だと言えます。

 フジバカマは、藤色であって、その頭花が袴に例えられたと言われています。葉は3裂します。別名のコウソウ(香草)は、葉を半乾燥させると桜餅のような良い香りがする事から。写真のフジバカマは雑種か園芸種の可能性があります。

日本固有種:Eupatorium japonicum Thunb. ex Murray
参考:ヒヨドリバナ(鵯花)

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フジバカマ(藤袴)
別名:ランソウ(蘭草)/コウソウ(香草)
キク科ヒヨドリバナ属
学名:Eupatorium fortunei Turcz.
花期:8月~9月 多年草 草丈:100~150cm 散房花径:15~20cm 総苞:5~6mm

Eupatorium : Mithridates Eupator (King of Pontus, BC.132~63)/ヒヨドリバナ属
fortunei : Robert Fortune (1812-1880)に因む
Turcz. : Porphir Kiril Nicolas Stepanovich Turczaninow (1796-1864)

撮影地:静岡市葵区/下(植栽) 2005.10.25

Last modified: August 12, 200
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by pianix | 2005-10-30 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ノコンギク(野紺菊)
 ノコンギク(野紺菊)は、キク科シオン属の多年草です。日本固有種とされ、本州、四国、九州に分布します。北海道にはエゾノコンギク(蝦夷野紺菊)1)があります。名の由来は、野に咲く紺色の菊から。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、双子葉植物の中で最も進化した植物群と言われています。世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。シオン属(Aster L. (1753))は世界に約400種あり、その内、北米に250種、日本には約20種が自生します。

 山野に自生します。地下茎は横に伸び叢生します。草丈は50~100cm。茎は短毛があります。葉は、互生します。根生葉と茎葉がつき短毛があります。茎葉は、卵状長楕円形で鋸歯があり、長さ6~12cm、幅3~5cm。枝分かれした茎頂に散房状に頭花をつけます。花色は、白から薄紫色。頭花は、舌状花と筒状花からなり、径約2cm。舌状花は周囲1列に並び、筒状花は黄色。総苞片は3列に重なり並びます。雄しべは5個。果実は、痩果です。倒卵状長楕円形で、長さ約2~3mm。白色の冠毛があり、冠毛長は4~6mm。風媒花です。染色体数は、2n=36。

 ヨメナ(嫁菜)2)と大変よく似ています。以前、見分けが付かなかったので、花を分解して確かめていました。しかし、分解するまでもありません。花びらをめくって、種(そう果)に付く細い毛(冠毛)が確認できれば、ほぼノコンギクです。ヨメナは、この部分と茎に毛がほとんどありません。ヤマシロギク(山白菊)3)や、シロヨメナ(白嫁菜)4)もあります。花色が濃紫色のものは園芸種(ノコンギクの選別品種)のコンギク(紺菊)5)です。

 野草の場合は、どこに咲いているかで風情が変わってくるものかもしれません。茫々とした藪のような所で顔を出しているか、平らかな地の細く柔らかい草の中で咲いているかの違いで、印象が変わります。しかし、咲く場所を選べなかった野草は、文句を言わずに健気に花を咲かせ、世代を受け継がせている感じがします。

エゾノコンギク(蝦夷野紺菊)
1)Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav. var. yezoensis (Kitam. et H.Hara) Soejima et Mot.Ito
ヨメナ(嫁菜)
2)Aster yomena (Kitam.) Honda
ヤマシロギク(山白菊)
3)Aster semiamplexicaulis (Makino) Makino ex Koidz.
シロヨメナ(白嫁菜)
4)Aster ageratoides Turcz. var. ageratoides
コンギク(紺菊)
5)Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav. var. ovatus (Franch. et Sav.) Soejima et Mot.Ito 'Hortensis'

参考文献 : AKIKO SOEJIMAi and MOTOMI IT0. Aster mierocephalus (Miq.) Franch. & Sav., the Correct Name for A. ovatus (Franch. & Sav.) Mot. Ito & Soejima, Acta Phytotax. Geobot. 49(2): 151-152 (1998)

Japanese common name : No-kon-giku
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Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav. var. ovatus (Franch. et Sav.) Soejima et Mot.Ito

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左:舌状花は周囲を取り囲み花冠へら状部がある。右:中央に集まっている筒状花。

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左:花茎や総苞片に短毛が密生する。 右:果期の総苞片。3列に並ぶ。

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左:上から見た果期の冠毛。 右:痩果は倒卵状長楕円形で毛があり長さ約2mm。


ノコンギク(野紺菊)
キク科シオン属
学名:Aster microcephalus (Miq.) Franch. et Sav. var. ovatus (Franch. et Sav.) Soejima et Mot.Ito
synonym : Aster ageratoides Turcz. subsp. ovatus (Franch. et Savat.) Kitam.
花期:8月~11月 多年草 草丈:50~100cm 花径:20~25mm

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【学名解説】
Aster : aster(星)/シオン属
microcephalus : micros(小)+cephalos(頭)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Sav. : Paul Amedee Ludovic Savatier (1830-1891)
var. : varietas(変種)
ovatus : 卵円形の
Soejima : 副島 顕子 Akiko Soejima (1961- ) : Kumamoto University
Mot. Ito : 伊藤 元己 Motomi Ito (1956- ) : Tokyo University
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エゾノコンギク(蝦夷野紺菊)
yezoensis : 北海道の、蝦夷から来た(= yesoensis, jesoensis)
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ヨメナ(嫁菜)
yomena : ヨメナ(日本名)
Kitam. : 北村四郎 Shiro Kitamura (1906-2002)
Honda : 本田政次 Masaji Honda (1887-1984)
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ヤマシロギク(山白菊)
semiamplexicaulis : 半ば茎を抱いた
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
ex : ~による
Koidz. : 小泉源一 Gen-ichi Koidzumi (1883-1953)
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シロヨメナ(白嫁菜)
ageratoides : カッコウアザミ(Ageratum)に似た
Turcz. : Nicolai Stepanovitch Turczaninow (1796-1863)
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コンギク(紺菊)
Hortensis : 庭園栽培の、庭園の

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.50km 右岸河川敷 2005.10.12
賤機山 2017.11.27
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 October 2005, 22 June 2008, 08 December 2014, 14 December 2014
Last modified: 05 December 2017
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by pianix | 2005-10-28 00:00 | | Trackback | Comments(2)