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クサギの果実が干からびた状態になっているのを見ました。そこで、鮮やかだった頃の果実を思い浮かべました。紅色と黒紫色のコントラストがはっきりとした果実でした。花は良い香りがするのに、全体が独特の臭気を発するので嫌う人もいます。でも、花も果実も独特の装いをした面白い樹木であるのは間違いないと思うのです。そのゆえに、欧米では観賞用に栽培もされています。
クサギ(臭木)は、シソ科クサギ属の落葉低木です。日本全国のほか、中国や台湾にも分布します。シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。オドリコソウ属Lamiumに由来する名です。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。旧科名のクマツヅラ科(Verbenaceae Jaume Saint-Hilaire, 1805)は、南半球に約100属3000種が分布します。クサギ属(Clerodendrum L. (1753))は約100種が知られています。 日当たりの良いところに生育します。種小名trichotomumの通りに、枝は三分岐し集散花序を出します。花冠は細長い筒状で、5裂した裂片は白色で平開します。雄しべ4本、雌しべ1本があり、花冠から長く突き出ます。萼は紅紫色をしています。葉は対生し、枝と共に臭いを発しています。 果実は藍色で、中には種子が4個入っています。受粉は虫に、種子散布は鳥によって行われます。花びらに見える赤い部分は萼です。これを正月の羽根突きの羽根に見立てる人もいれば、小型の茹でタコに見る人もいます。クサギは、染色に使われます。果実は草木染めで空色に、萼は鉄媒染で灰色に染まるそうです。花色が紅色をしているのはベニバナクサギ (紅花臭木)です。 参考:クサギ(臭木) ボタンクサギ(牡丹臭木) Japanese common name : Kusagi ![]() ![]() クサギ(臭木) 別名:ヤマウツギ(山空木)/クサギリ(臭桐)/クサギナ(臭木菜) 漢名:シュウゴリュウ(臭梧桐) シソ科クサギ属 学名:Clerodendrum trichotomum Thunb. 花期:8月~9月 落葉低木 樹高:3~5m 花径:20~25mm 果期:10~11月 果実:6~7mm ![]() 【学名解説】 Clerodendrum : cleros(運命)+dendron(樹木)=Clerodendron/クサギ属 trichotomum : trichotomus(三分岐の) Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川河口から11.75km/右岸河川敷 2005.11.01 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] Last modified: June 10, 2008 ![]() ■
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by pianix
| 2006-01-13 00:00
| 実
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ボタンクサギ(牡丹臭木)は、シソ科クサギ属の落葉低木です。半円球状に花を咲かせるので、遠くから見れば赤い紫陽花の雰囲気です。しかし、葉も、雄花と雌花が長く突きだした花も、クサギそっくりです。当然、葉を揉めば臭い臭いがするのですが、眺める分には別段気になりません。園芸として育てられていますが、性質が強い事から野生化する事もあるようです。
シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。オドリコソウ属Lamiumに由来する名です。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。旧科名のクマツヅラ科(Verbenaceae Jaume Saint-Hilaire, 1805)は、南半球に約100属3000種が分布します。クサギ属(Clerodendrum L. (1753))は、約100種が知られています。 余談です。私は花の名前を知りたいと観察に出かけます。花の名前を覚えるのが大変なのに、学名には植物学者の名前が登場します。人の名前を覚えるのが大の苦手なのです。それでも調べようとすると相当の時間がかかってしまいます。海外のサイトに行って訳の分からない言葉と対面し、頭をクラクラさせています。 参考:クサギ(臭木) Japanese common name : Botan-kusagi ![]() ボタンクサギ(牡丹臭木) 別名:ヒマラヤクサギ(ヒマラヤ臭木)/ベニバナクサギ(紅花臭木) シソ科クサギ属 学名:Clerodendrum bungei Steud. 花期:7月~9月 落葉低木 樹高:100~150cm 花序径:10cm ![]() 【学名解説】 Clerodendrum : cleros(運命)+dendron(樹木)=Clerodendron/クサギ属 bungei : Alexander von Bunge (1803-1890)氏の/ウクライナの植物学者 Steud. : Ernst Gottlieb von Steudel (1783-1856) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から9.75km 左岸土手(植栽) 2005.10.14 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] Last modified: June 25, 2008 ![]() ■
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by pianix
| 2005-10-22 00:00
| 花
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このクサギ(臭木)は、河川敷のネムノキに寄り添うように咲いていました。赤紫色の萼と白花のコントラストが美しいのですが、やや萼のほうが目立つ感じがします。5裂した白色の花冠に、長い雌しべ1本と4本の雄しべが突き出ています。
草を揉むと独特の臭気を漂わせるので「臭木」。確認のため臭いを嗅ぎに行きました。葉を採って嗅ぐと、やや青臭い。でも、揉んでみても言われているほど臭くはありませんでした。頭は悪いが顔と鼻は悪くないはず(本当なのか)。念のため葉を集めて持ち帰りました。花は良い香りがします。 次なる楽しみは臭いではなく果実。花よりもインパクトがあるのではないかと期待しています。 クサギ(臭木)は、シソ科クサギ属の落葉低木です。日本全国のほか、中国や台湾にも分布します。シソ科(Lamiaceae Martinov (1820))は、北半球の地中海沿岸や中央アジアを中心に約250属7000種が分布します。日本には約28属90種があります。オドリコソウ属Lamiumに由来する名です。保留名である新エングラー体系でのシソ科の学名Labiataeは、Labea(唇)に基づいた名称で、戦前は唇形科とされていました。英名ではMint familyと言われるように、香気を持つものが多くあります。旧科名のクマツヅラ科(Verbenaceae Jaume Saint-Hilaire, 1805)は、南半球に約100属3000種が分布します。クサギ属(Clerodendrum L. (1753))は約100種が知られています。 臭いを嗅いだ日:2005.08.24 参考:クサギ(臭木)/実 ボタンクサギ(牡丹臭木) Japanese common name : Kusagi ![]() クサギ(臭木) 別名:ヤマウツギ(山空木)/クサギリ(臭桐)/クサギナ(臭木菜) 漢名:シュウゴリュウ(臭梧桐) シソ科クサギ属 学名:Clerodendrum trichotomum Thunb. 花期:8月~9月 落葉低木 樹高:3~5m 花径:20~25mm 果期:10~11月 果実:6~7mm ![]() 【学名解説】 Clerodendrum : cleros(運命)+dendron(樹木)=Clerodendron/クサギ属 trichotomum : tri(三)+chotomus(分岐)/三分岐の Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から11.75km 右岸河川敷 2005.08.15 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 24 August 2005 Last modified: August 12, 2008 ![]() ■
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by pianix
| 2005-08-24 00:00
| 花
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
【筆者プロフィール】 自然体験活動指導者 静岡県環境学習指導員 ◆このブログは、「草花と自然」の観察記録余話として作成しています。「草花と自然」では、静岡市安倍川に限定した野草観察記録を年間を通して記載しています。その間に撮りためた園芸種を含めた花などを、ここに記載する事にしました。従って「草花と自然」に掲載しなかった花が含まれています。 ◆対象は中学生位です。専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けるきっかけになったら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【検索する】 和名はカタカナ表記です。漢字で検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】 写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】 記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】 承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】 コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】 民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 その他 Masami Saito All Rights Reserved ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogの著作権は齊藤正巳に帰属します。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布は行っていません。問い合せされてもお応えできません。 問い合わせ 静岡県の推計人口 総数3,666,457人 (前月比-2,176人) 男1,805,689(-1,100) 女1,860,768(-1,076) 関連情報Webサイト 静岡県公式ホームページ →環境局 →環境ふれあい課 静岡市HP →スポーツ振興課 静岡県立大学 →薬草園 →環境科学研究所 最新のコメント
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