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スケバハゴロモ(透羽羽衣)は、半翅目ハゴロモ科の昆虫で、カメムシの仲間です。本州・四国・九州に分布します。名の由来は、透明な翅を持つハゴロモの仲間である事から。同じハゴロモ科の、ベッコウハゴロモ(鼈甲羽衣)Orosanga japonicus (Melichar, 1898)やアミガサハゴロモ(編笠羽衣)Pochazia albomaculata (Uhler, 1896)と似た姿をしています。
体長は6mm程度で、翅の後端までが9~10mmです。体は黒褐色で、蝉に似ています。翅は、前翅・後翅の4枚があり、透明で、暗褐色の外縁と脈があります。幼虫は白色糸状の蝋物質を放射状に付けます。ベッコウハゴロモの幼虫が褐色と白色の斑模様なのに対し、スケバハゴロモは薄緑色をしています。 半翅目は、同翅亜目(ヨコバイ亜目)と異翅亜目(カメムシ亜目)に分けられます。スケバハゴロモは同翅亜目(ヨコバイ亜目)です。この同翅亜目には616種があり、口に相当する部分がどこにあるかという分類で、腹吻群(ふくふんぐん)と頸吻群(けいふんぐん)および鞘吻群(しょうふんぐん)の3群に分けられます。最近では同翅亜目という括り方は使われなくなってきています。 Japanese common name : Sukeba-hagoromo ![]() スケバハゴロモ(透羽羽衣) カメムシ目(半翅目)ハゴロモ科 学名:Euricania fascialis (Walker, 1858) ![]() 体長:6mm/(翅端まで)9~10mm 出現期:7月~9月 分布:本州・四国・九州 食草:広食性(ウツギ・キイチゴ・クワ・ブドウ) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川支流/内牧川上流 2006.08.23 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] Last modified: 9 September 2006 ![]() ■
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by pianix
| 2006-09-09 00:00
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ベッコウハゴロモ(鼈甲羽衣)は、ハゴロモ科の昆虫です。蛾に見えます。頭を見ると蝉にも似ています。半翅目、つまりカメムシ目に属します。ここにセミ上科がありますから、蝉にも似ているわけです。翅を度外視すれば、かなり蝉に近い事が分かります。蝉がカメムシの仲間と言うと不思議がる方がいますが、針状の口を持ち、植物や動物から吸汁するのが特徴であることで納得できます。有吻目とも言われます。半翅目は、同翅亜目(ヨコバイ亜目)と異翅亜目(カメムシ亜目)に分けられ、ベッコウハゴロモは、同翅亜目です。
1cmに満たない体長の、小さな昆虫です。褐色の翅に2本の横線が入っていますが、褐色(ベッコウ色)の色がはげると黒っぽい色合いに見えます。翅の後端に渦巻き状の斑紋が付いています。葛の葉に止まっている事が多いようです。クズ、ヤマノイモ、ウツギ、ミカンなどの茎から汁を吸います。 ベッコウハゴロモの幼虫は、成虫とは全く異なる姿をしています。体の尻尾部にタンポポの冠毛(綿毛)のような毛束を付けている奇妙な形です。落下した時にパラシュートの働きをすると言われています。同じハゴロモ科のアオバハゴロモ(青羽羽衣)も埃のような体の幼虫で、この科の幼虫は驚くべきものばかりです。幼虫も成虫も、跳ね飛んで逃げます。面白い形で不思議一杯ですが、柑橘類や桑をお持ちの方にとっては頭を悩ます昆虫です。卵で越冬します。 参考:アオバハゴロモ(青羽羽衣) Japanese common name : Bekkou-hagoromo ![]() ベッコウハゴロモ(鼈甲羽衣) カメムシ目(半翅目)ハゴロモ上科ハゴロモ科Orosanga属 学名:Orosanga japonicus (Melichar, 1898) ![]() 体長:(翅端全長)9~11mm/(体長)6~8mm 出現期:7月~9月(年1回) 分布:本州・四国・九州・沖縄 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から14.25km 左岸河川敷 2005.08.26 20 November 2005 Last modified: June 21, 2008 ![]() ■
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by pianix
| 2005-11-20 00:00
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
【筆者プロフィール】 自然体験活動指導者 静岡県環境学習指導員 ◆このブログは、「草花と自然」の観察記録余話として作成しています。「草花と自然」では、静岡市安倍川に限定した野草観察記録を年間を通して記載しています。その間に撮りためた園芸種を含めた花などを、ここに記載する事にしました。従って「草花と自然」に掲載しなかった花が含まれています。 ◆対象は中学生位です。専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けるきっかけになったら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【検索する】 和名はカタカナ表記です。漢字で検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】 写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】 記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】 承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】 コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】 民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 その他 Masami Saito All Rights Reserved ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogの著作権は齊藤正巳に帰属します。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布は行っていません。問い合せされてもお応えできません。 問い合わせ 静岡県の推計人口 総数3,666,457人 (前月比-2,176人) 男1,805,689(-1,100) 女1,860,768(-1,076) 関連情報Webサイト 静岡県公式ホームページ →環境局 →環境ふれあい課 静岡市HP →スポーツ振興課 静岡県立大学 →薬草園 →環境科学研究所 最新のコメント
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