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ナヨクサフジ(弱草藤)
 ナヨクサフジ(弱草藤)は、マメ科ソラマメ属の1年草です。ヨーロッパ原産で、飼料として移入されました。1943(昭和18)年に帰化が確認され、現在は全国に野生分布しています。名の由来は、在来種のクサフジ(草藤)よりも茎が細く柔らかい事から。英名は、hairy vetch。中国名は、歐洲苕子(ōu zhōu sháo zǐ)。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があります。日本には、70属198種11亜種7変種17品種が分布します。ソラマメ属(Vicia L. (1753))は、北半球と南半球の温帯域に2亜属22節、約140種があります。

 河川敷や荒れ地に自生します。茎は稜があり、軟毛がまばらにあります。蔓性で他の物に絡みついたり這いながら150~200cmに伸びます。葉は互生します。羽状複葉で先端は巻きひげになります。小葉は狭楕円形で、6~12対(12~24枚)。葉柄の基部付近に不定形の托葉が互生します。

 花期は、5月から8月。葉腋から総状花序を出し、10~30の花を一方向に偏って穂状に斜上させます。花序長は約10cm。蕾は黄緑色で先端は黄白色。花は紫色の蝶形花で、長さ約1.5cm。左右相称の離弁花冠で、旗弁1枚、舟弁(竜骨弁)2枚、翼弁2枚の計5弁で構成されます。舟弁は時間経過と共に白色化します。

 花柄は長さ2~3mmで、萼筒の下部に付き後部が突き出ます。萼裂片は5裂し線形です。旗弁の筒状の爪部は、立ち上がった舷部の2倍の長さ(クサフジ、ツルフジバカマは同長)。旗弁基部に蜜標があり、奥に蜜腺があります。雄しべは10本あり、内1本が独立しています。

 果実は、豆果です。狭長楕円形で長さ2~3cm。若い内は扁平で、熟すと膨らみ、鞘が固くなり、裂開します。種子は径4~5mmの球形で、鞘内に3~6個程が入っています。染色体数は、2n=14, 28。アレロパシー効果(他感作用)があります。

 緑肥作物としての利用があります。環境省の生態系被害防止外来種リストで、適切な管理が必要な産業上重要な外来種(産業管理外来種)に指定されています。

 類似種として、毛が多いビロードクサフジ(天鵞絨草藤)Vicia villosa Roth subsp. villosa、小葉の幅が広いオオバクサフジ(大葉草藤)Vicia pseudo-orobus Fisch. et C.A.Mey.、在来種のクサフジ(草藤)Vicia cracca L.、ツルフジバカマ(蔓藤袴)Vicia amoena Fisch. ex Ser.があります。

参考:クサフジ(草藤)

Japanese common name : Nayo-kusa-fuji
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Vicia villosa Roth subsp. varia (Host) Corb.
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蔓性で他の物に絡みついたり這いながら150~200cmに伸びる。
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総状花序を出し一方向に偏って穂状に斜上させる。
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花柄は萼筒の下部に付く。筒状の爪部は、立ち上がった舷部の2倍の長さ。

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蕾は黄緑色で先端は黄白色。花序の下から咲く。萼筒に毛がある。

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茎は稜がある。葉に若干の毛がある。

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左:雄しべと花柱が残っている若い果実。果実は豆果。


ナヨクサフジ(弱草藤)
マメ科ソラマメ属
学名:Vicia villosa Roth subsp. varia (Host) Corb.
花期:5月~8月 1年草 草丈:蔓性(150~200cm) 花弁長:約1.5cm

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【学名解説】
Vicia : vincire(巻き付く)/ソラマメ属
villosa : villosus(長軟毛のある)
Roth : Albrecht Wilhelm Roth (1757-1834)
subsp. : subspecies(亜種)
varia : variatus(変わりやすい)
Host : Nicolaus Thomas Host (1761-1834)
Corb. : François Marie Louis Corbière (1850-1941)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から5.75km右岸 2009.04.15
安倍川/河口から4.25km左岸 2010.05.18, 2010.06.09
安倍川/河口から6.75km左岸 2016.05.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 11 December 2018
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by pianix | 2018-12-19 00:00 | | Comments(0)
トキリマメ(吐切豆)
 トキリマメ(吐切豆)は、マメ科タンキリマメ属の蔓性多年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、本州(宮城県以西)、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、不明です。葉先が尖る事から尖り(とぎり)との説があります。中国名は、漸尖葉鹿藿(jiàn jiān yè lù huò)。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があります。日本には、70属198種11亜種7変種17品種が分布します。タンキリマメ属(Rhynchosia Loureiro (1790))は、世界に約250種あり、日本には3種が分布します。

 山野に自生します。蔓は長く伸びます。葉は互生します。三出複葉です。小葉は卵型で、長さ5~8cm。基部が広く先にかけて細くなり、先端は尖ります。全体に毛があり、葉裏や萼に黄色の腺点があります。

 花期は7月から9月。葉腋から総状花序を出します。黄色の蝶形花で、長さ約1cm。旗弁、翼弁2枚、舟弁(竜骨弁)2枚の5弁からなります。左右相称。舟弁の中に雌しべと雄しべがあります。雄しべは合着9本と離生1本の計10本。萼は5裂し、長さ4~5mm。萼片は萼筒より短い。

 果実は、豆果です。長楕円形で長さ1.5~2cm。熟すと赤褐色となり、裂けて2個の種子を出します。種子は黒色の偏球形で、約6mm。鞘の縁にぶら下がります。

 類似種に、葉の基部が細く、扇形に広がり、葉先にかけて太くなるタンキリマメ(痰切豆)Rhynchosia volubilis Lour. があります。

Japanese common name : Tokiri-mame
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Rhynchosia acuminatifolia Makino
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葉は、基部が広く先にかけて細くなり先端は尖る。


トキリマメ(吐切豆)
別名:オオバタンキリマメ(大葉痰切豆)
マメ科タンキリマメ属
学名:Rhynchosia acuminatifolia Makino
花期:7月~9月 多年草 草丈:蔓性 花冠長:約1cm 果期:10~11月

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【学名解説】
Rhynchosia : thynchos(くちばし=竜骨弁の形)/タンキリマメ属
acuminatifolia : acuminatifolius(鋭尖した葉の)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
麻機遊水地第3工区 2018.10.03
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 7 November 2018
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by pianix | 2018-11-07 00:00 | | Comments(0)
ゲンゲ(紫雲英)
 ゲンゲ(紫雲英)は、マメ科ゲンゲ属の越年草1)です。中国原産で、江戸時代以前に移入されたとされている帰化植物です。日本では、全国に分布します。名の由来は、渡来時の漢名を充てたもの。紫雲英は、紫色雲の花(英)の意味。一般的に、レンゲソウ(蓮華草)の名で親しまれています。蓮華草は、蓮華の花に似る事から。中国名は、紫云英(zǐ yún yīng)。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、約650属12000種が分布します。日本には41属100種が分布します。ゲンゲ属(Astragalus L. (1753))は、北半球の温帯に約4000種が分布し、日本には帰化種を含めて約14種があります。

 根に根粒菌が根粒を形成して共生します。根粒菌から窒素の供給を受けます。畑では、この窒素固定作用による窒素肥料として活用されます。近年は、化学肥料(硫安[硫酸アンモニウム]、塩安[塩化アンモニウム]、硝安[硝酸アンモニウム]、尿素、チリ硝石、石灰窒素等)の利用が多くなり、緑肥の利用は減少傾向にあります。

 茎は毛があり、基部で分枝して這った後、斜上します。葉は、奇数羽状複葉で9~11個つきます。小葉は倒卵形から楕円形で、長さ1〜1.5cm。葉裏に毛があります。葉柄基部には卵形の托葉が互生します。

 花期は、4月から6月。花柄を15cm程伸ばして、紅紫色の蝶形花を輪状に7~10個付けます。蝶形花は、左右相称の蝶に似た形状の花です。旗弁と、翼弁2枚に包まれた舟弁(竜骨弁)2枚の計5枚の花弁があります。虫媒花。介在する昆虫が花に乗ると、翼弁と舟弁が下がり、雄しべと雌しべが露出して葯が付着する仕組みです。萼は毛があり、5裂します。

 両性花です。雄しべは10本あり、基部は筒状に子房を取り巻き、9裂します。1本が独立している二体雄ずい2)を形成します。果実は、豆果です。約3cmで黒色に熟します。種子は長さ約3mm。染色体数は、2n=16, 32。

 蜜源、窒素肥料、飼料としての活用があります。品種として花冠が白い、シロバナゲンゲ(白花紫雲英)Astragalus sinicus L. f. albiflorus S.Okamoto があります。

脚注:
1)越年草(えつねんそう):秋に発芽し、年を越して翌年に開花結実して枯れる植物。あくまでも人間社会の暦による分け方で、12ヶ月を超えないので冬型1年草とも言う。1年草は、年内に発芽して枯れる植物。
2)二体雄ずい(二体雄しべ):雄しべ花糸の合着が二つに分かれるる形態。雄しべの全部が筒状に合着するものを単体雄蕊、二つにまとまるものを二体雄蕊と言う。マメ科では1本対9本になるものが多い。

Japanese common name : Genge
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Astragalus sinicus L.

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輪状に蝶形花をつける。葉は奇数羽状複葉。
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スズメノテッポウと共演

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左:草丈は10~30cm。右:蝶形花の部分名称。

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雄しべ基部は子房を包み、先が9裂、1本独立の二体雄ずい。緑色は子房。
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果実は豆果。種子は約3mm。

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葉は倒卵形。葉裏や茎に伏せ毛がある
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シロバナゲンゲ(白花紫雲英)
Astragalus sinicus L. f. albiflorus S.Okamoto


ゲンゲ(紫雲英)
別名:レンゲソウ(蓮華草)、レンゲ(蓮華)
マメ科ゲンゲ属
学名:Astragalus sinicus L.
花期:4月~6月 越年草 草丈:10~30cm 花冠長:10~15mm

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【学名解説】
Astragalus : ギリシャ古語の距骨(くるぶし)/ゲンゲ属
sinicus : sinensis(支那の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
---
f. : forma(品種)
albiflorus : 白花の
S.Okamoto : 岡本清逸 Seiitsu Okamoto (col. 1914 - )

撮影地:静岡県静岡市
葵区城北(水田) 2007.03.30, 2009.04.09, 2018.04.16
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

30 April 2018
Last modified: 10 May 2018
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by pianix | 2018-04-30 00:00 | | Comments(0)
ベニゴウカン(紅合歓)
 ベニゴウカン(紅合歓)は、マメ科ベニゴウカン属の常緑低木です。メキシコ原産で、日本では栽培種として扱われています。渡来時期は明治初年と言われていますが詳細は不明です。名の由来はネムノキ(合歓木)に似て、赤色の花を付ける事から。別名のヒゴウカン、ヒネムとも緋合歓で、読みが異なるだけです。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、約650属12000種が分布します。日本には41属100種が分布します。ベニゴウカン属(Calliandra Bentham, 1840)は。中南米に約150~200種があるとされています。

 樹高は1~2mになります。葉は2回羽状複葉です。2~5対を互生し長さ約2.5cm。小葉は披針形で2列対生し、長さ約5mm。葉柄や葉裏に微細な柔軟毛があります。この為、葉表は緑で裏は薄緑色になります。葉は夜に閉じます。

 花期は4から11月頃。葉腋から長い花柄を出し、小さな花冠から緋色で径約2cmの頭状花をつけます。長さ2~2.5cmの雄しべが房状に20本程出て扇形になり目立ちます。花柄は下向きになります。夜に開き午後に萎れる一日花です。

 果実は豆果です。寒さに弱く日当たりを好みます。温暖な地では路地植えができます。繁殖は挿し木や実生で行います。染色体数は、2n=16。

 他に、花が大きいオオベニゴウカン(大紅合歓)Calliandra haematocephala Hassk. があります。

Japanese common name : Beni-goukan
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Calliandra eriophylla Benth.

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雄しべが扇形に広がる。頭状花と蕾。

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葉は羽状複葉。左手人差し指での大きさ比較。葉柄や葉裏に微細な柔軟毛がある。


ベニゴウカン(紅合歓)
別名:ヒゴウカン(緋合歓)/ヒネム(緋合歓)
マメ科ベニゴウカン属
学名:Calliandra eriophylla Benth.
花期:4月~11月 常緑低木 樹高:1~2m 花径:約2cm 

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【学名解説】
Calliandra : callos(美しい)+andros(雄しべ)/ベニゴウカン属
eriophylla : eriophyllus(軟毛葉の)
Benth. : George Bentham (1800-1884)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区中田本町/(有)静岡ゴルフガーデン (植栽) 2015.10.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 23 November 2015
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by pianix | 2015-12-01 08:00 | | Comments(0)
アレチヌスビトハギ(荒れ地盗人萩)
 アレチヌスビトハギ(荒れ地盗人萩)は、マメ科ヌスビトハギ属の1年草です。北アメリカ原産で、日本では関東以西に多く分布します。1940(昭和15)年に大坂で確認された帰化植物です。名の由来は、実の形を盗人の足形に見立てたヌスビトハギ(盗人萩)があり、荒れ地でも育つ繁殖力を持つ種である事から。英名は、Panicledleaf tick-trefoil、あるいは Panicled tick-trefoil。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があり、日本には70属198種、11亜種7変種17品種があり、41属100種が自生します。ヌスビトハギ属(Desmodium Desv. 1813)は約400種あり、日本には9種が自生します。

 野原や荒れ地に自生します。茎は木質化し、開出毛が多くあり、分枝して高さ50~100cmになります。葉は3出複葉です。小葉は長さ5~8cm、幅1~4cmの狭卵形で先端は尖り、両面に伏毛があります。

 花期は、8月から10月頃。円錐花序に花を付けます。花は紅紫色の蝶形花(ちょうけいか)で、花冠の長さは7~8mm。蝶形花の花弁は5枚で、旗弁(flag)1枚、竜骨弁あるいは舟弁(keel)2枚、翼弁(wing)2枚で構成されています。旗弁は丸みを帯びて、薄緑色で長楕円形の斑紋が2つあります。雄しべ9個と雌しべは、訪虫されると竜骨弁から跳ね上がって飛び出しますが、出たままになり収納されない破裂型です。

 果実は節果(せっか:loment)で、扁平で節毎にくびれます。節果とは、鞘に節があって分離されるものを言います。節毎を小節果と言います。長さ6~7mm前後の小節果が3~6個あります。熟すと節が茶色になり、節からちぎれて扁平の三角形状になります。小節果ひとつに種子が一つ入っていて、表面にある鉤状の毛によって動物に取り付き、散布されます。在来種のヌスビトハギに比べ、節果のくびれは大きくありません。花は可愛いけれど、果実には閉口させられます。染色体数は、2n=22。

Japanese common name : Areti-nusubito-hagi
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Desmodium paniculatum (L.) DC.

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左:雄しべと雌しべは訪花されて竜骨弁から飛び出ると戻らない。右:全体

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▲ 左:節果 右:葉は3出複葉


アレチヌスビトハギ(荒れ地盗人萩)
マメ科ヌスビトハギ属
学名:Desmodium paniculatum (L.) DC.
花期:8月~10月 1年草 草丈:50~100cm 花冠長:7~8mm

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【学名解説】
Desmodium : desmos(絆・鎖)+eidos(構造)/ヌスビトハギ属
paniculatum : paniculatus(円錐花序の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)
DC. : Augustin Pyramus de Candolle (1778-1841)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.09.03 - 09.05
麻機湧水地第3工区 2018.09.17
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 6 September 2006
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by pianix | 2006-09-06 00:00 | ひっつき虫 | Comments(2)
コマツナギ(駒繋)
 コマツナギ(駒繋)は、マメ科コマツナギ属の落葉小低木です。日本と中国が原産で、国内では本州・四国・九州に分布する在来種です。名の由来は、馬を繋ぎ留められる程、根が丈夫であるからとか、葉が馬の好物で場所を離れないから、等と言われています。駒とは馬の事です。中国名は馬棘(mǎ jí)

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があり、日本には70属198種、11亜種7変種17品種があり、41属100種が自生します。コマツナギ属(Indigofera L. (1753))は、熱帯から亜熱帯に約700種が分布します。Indigoferaは、藍色を持つの意味で、藍色の染料が採れる事からの命名です。

 根は地中深く張り側根も長く出ます。茎は叢生し40~100cmになります。葉は、奇数羽状複葉で互生し、小葉は7~13枚。長さ8~20mm、幅2~10mmの長楕円形で全縁。茎や葉には伏毛があり、葉は夜に閉じます。

 花期は7月から9月頃。葉腋から4~10cmの円錐花序を出します。小花は淡紅色で、長さ4~5mmの蝶形花です。花序の下から上に向かって順に咲きます。果実は長さ25~30mm、幅2.5~3mmの豆果です。熟すと黒色となり、裂開して黄褐色の種子3~8個を散布します。染色体数は2n=16。

Japanese common name : Koma-tunagi
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Indigofera pseudotinctoria Matsum.

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小花は淡紅色で、長さ4~5mmの蝶形花

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葉は奇数羽状複葉で互生し、伏毛がある


コマツナギ(駒繋)
マメ科コマツナギ属
学名:Indigofera pseudotinctoria Matsum.
花期:7月~9月 落葉小低木 樹高:40~100cm 花冠長:4~5mm

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【学名解説】
Indigofera : indigo(藍)+fero(有する)/コマツナギ属
pseudotinctoria : pseudo(偽の、疑似)+キアイ(木藍)*
Matsum. : 松村 任三 Jinzo Matsumura (1856-1928)
---
*タイワンコマツナギ(台湾駒繋)Indigofera tinctoria L.
tinctoria : tinctorius(染色用の)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 右岸土手 2006.07.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

11 August 2006
Last modified: 2 March 2017
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by pianix | 2006-08-11 00:00 | | Comments(0)
クサフジ(草藤)
 クサフジ(草藤)は、マメ科ソラマメ属の多年草です。北半球の温帯から亜寒帯に広く分布し、国内では全国に分布する在来種です。名の由来は、花がフジ(藤)のような草本である事から。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があります。日本には、70属198種11亜種7変種17品種が分布します。ソラマメ属(Vicia L. (1753))は、北半球と南半球の温帯域に2亜属22節、約140種があります。

 茎は蔓性で、先端が巻きヒゲになり、他の植物などに巻き付いて茎長は80cm~150cmになります。葉は偶数羽状複葉で互生します。小葉は18~24枚で、長さ15~30mm、幅2~6mmの狭卵形で薄い。類似種のツルフジバカマ(蔓藤袴)は小葉が10~16枚で長楕円形。花期は5月から8月頃。葉腋から花柄を出し、総状花序を上向きに付けます。小花は青紫色の蝶形花(ちょうけいか)で、花冠長は15~30mm。

 蝶形花の花弁は5枚で、旗弁(flag)1枚、竜骨弁あるいは舟弁(keel)2枚、翼弁(wing)2枚で構成されています。旗弁の付け根には蜜のありかを示す蜜標があり、この奥に蜜があります。旗弁の基部である爪部と幅が広い部分の舷部(そうぶ)は、ほぼ同じ長さです。類似種のナヨクサフジ(弱草藤)は旗弁が舷部より長くなります。虫媒花です。果実は豆果で、長さ2~3cmの長楕円形。種子は径3mm程の球状で2~6個あります。

 類似種として、海岸近くに生えるヒロハクサフジ(広葉草藤)Vicia japonica A.Gray があります。

Japanese common name : Kusa-fuji
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Vicia cracca L.

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左:花冠 右:葉は偶数羽状複葉で互生する


クサフジ(草藤)
マメ科ソラマメ属
学名:Vicia cracca L.
花期:5月~8月 多年草 茎長:80~150cm(蔓性) 花冠長:15~30mm

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【学名解説】
Vicia : vincire(巻き付く)/ソラマメ属
cracca : マメの古名
L. : Carl von Linne(1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12.25km 右岸土手 2006.06.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 4 August 2006
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by pianix | 2006-08-04 00:00 | | Comments(0)
ミヤコグサ(都草)
 ミヤコグサ(都草)は、マメ科ミヤコグサ属の多年草です。東アジアの温帯(朝鮮・中国・ヒマラヤ)が原産です。国内では全土に分布する在来種(史前帰化)です。名の由来は、奈良や京都の都周辺に咲いていたという説、ミャクコングサ(脈根草)が転訛したものとの説があります。中国名は、百脈根(bǎi mài gēn)。英名は、Bird's foot trefoil。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があり、日本には41属100種が自生します。ミヤコグサ属(Lotus L. (1753))は世界に約150種が分布します。

 茎は根元で分枝して地を這います。斜上し、草丈15~35cmになります。茎や葉、萼は無毛です。対してセイヨウミヤコグサには毛があります。奇数羽状複葉で、5枚の倒卵状楕円形をした小葉があります。内2枚は托葉になっているので3出複葉に見えます。長さ6~13mmで幅は3~8mm。萼は筒状で、萼片は萼の長さの半分以上裂けます。

 花期は4月から10月頃。花茎を長く伸ばして、先に2~3個の花を付けます。花径10~15mmの蝶形花で、黄色。花弁は、上部にある旗弁 (standard petal)、左右にある翼弁 (wing petals)、下に2つある竜骨弁 (keel petals) の計5枚からなります。2個の竜骨弁は筒状になり、雄しべと雌しべを包みます。両性花です。雄しべは10本あり、基部は筒状に子房を取り巻き、9裂します。1本が独立している二体雄ずいを形成します。雄性先熟です。染色体数は、2n=12。

 果実は長さ20~35mmの豆果で、細長い円柱形をしています。熟すと2裂して黒色の種子を出します。種子は、堅い種皮に覆われています。マメ科の特徴である根粒菌は、Mesorhizobium loti(ミヤコグサ根粒菌)。本種はゲノムサイズ(約4億5千万塩基対)が小さくライフサイクルが短い(2ヶ月)事からマメ科のモデル植物として扱われています。

 類似種として、在来種で開花後に黄赤色になるニシキミヤコグサ(錦都草)Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel f. versicolor Makino 、帰化種のセイヨウミヤコグサ(西洋都草)Lotus corniculatus L. var. corniculatus(染色体数:2n=24)があります。種や挿し芽で簡単に増殖できます。

Japanese common name : Miyako-gusa
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Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel

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左:萼の部分。萼や茎に毛が無い。右:セイヨウミヤコグサは毛がある

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右:豆果。左はセイヨウミヤコグサ。初めは緑で、熟すと黒色化する。
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セイヨウミヤコグサ(西洋都草)
Lotus corniculatus L. var. corniculatus


ミヤコグサ(都草)
別名:エボシグサ(烏帽子草)
マメ科ミヤコグサ属
学名:Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel
花期:4月~10月 多年草 草丈:15~35cm 花径:10~15mm

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【学名解説】
Lotus : ギリシャ古語の植物名/ミヤコグサ属
corniculatus : 角のある・小角状の
L. : Carl von Linne (1707-1778)
var. : varietas(変種)
japonica : 日本の[japonicus(男性)/japonica(女性)/japonicum(中性)]
Regel : Eduard August von Regel (1815-1892)
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ニシキミヤコグサ(錦都草)
学名:Lotus corniculatus L. var. japonicus Regel f. versicolor Makino

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【学名解説】
japonicus: 日本の[japonicus(男性)/japonica(女性)/japonicum(中性)]
f. : forma(品種)
versicolor : 斑入りの、変色の、種々の色のある
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
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セイヨウミヤコグサ(西洋都草)
英名:Birdsfoot trefoil
学名:Lotus corniculatus L. var. corniculatus

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撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.05.10, 2006.06.29
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 June 2006
Last modified: 02 November 2016
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by pianix | 2006-06-28 00:00 | | Comments(2)
クララ(眩/苦参)
 クララ(眩/苦参)は、マメ科クララ属の多年草です。中国が原産で、朝鮮半島にも分布し、アメリカに帰化しています。日本では本州以南に分布する在来種です。外国女性と間違えられそうな名になっています。名の由来は、根を噛むと目が眩むほど苦い事から眩草(くららぐさ)であって、それが短縮されたものと言われています。中国名は、苦參(kŭ cān)。英名は、shrubby sophora。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があり、日本には41属100種が自生します。クララ属(Sophora L. (1753))は、世界に約50種があります。

 根は人参に似た直根で、肥大した塊根になります。乾燥させた塊根は、日本薬局方の生薬で苦参(クジン|Sophorae Radix)として健胃・利尿・解熱・鎮痛薬に用いられます。当然ながら素人療法は危険です。茎や葉には、マトリン(matrine)等のアルカロイドを含み、誤食すると痙攣を引き起こします。

 茎の断面は円形で、下部は木質化し、草丈は80~150cmになります。葉は、互生する奇数羽状複葉で、葉序の長さは20~25cmです。小葉は長さ2~4cm、幅4~14mm程の狭長楕円形で、15~43枚が付きます。

 花期は6月から7月頃。茎や枝先に長さ16~25cmの総状花序を出します。小花は長さ15~20mmの蝶形花で、淡黄色あるいは淡紅色です。蝶形花は、旗弁・翼弁・舟弁あるいは竜骨弁と呼ばれる部分からなります。両性花です。

 果実は長さ7~8cmの豆果で、4~5個の種子があります。オオルリシジミ幼虫の食草としても知られています。染色体数は、2n=18。

Japanese common name : Kurara
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Sophora flavescens Aiton

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蝶形花を密生させる

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葉は互生。奇数羽状複葉。
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クララ(眩/苦参)
別名:マトリグサ(マトリ草)/クサエンジュ(草槐)
マメ科クララ属
学名:Sophora flavescens Aiton
花期:6~7月 多年草 草丈:80~150cm 総状花序:16~25cm

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【学名解説】
Sophora : 蝶のような(アラビア語)/クララ属
flavescens : 黄色っぽくなる
Aiton : William Aiton (1731-1793)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から11.25km 左岸土手 2006.05.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

3 June 2006
Last modified: 13 June 2012
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by pianix | 2006-06-03 00:00 | | Comments(0)
コメツブツメクサ(米粒詰草)
 コメツブツメクサ(米粒詰草)は、マメ科シャジクソウ属の1年草です。ヨーロッパ、西アジアが原産で、日本へは明治の後期に渡来した帰化種です。侵入経路は不明とされています。日本全国に分布します。名の由来は、米粒状の小さな花をつけるツメクサの仲間である事から。英名は、lesser trefoil、あるいはSuckling clover。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があります。日本には、70属198種、11亜種、7変種、17品種があります。シャジクソウ属(Trifolium L. (1753))は温帯から亜熱帯に約300種があり、日本の在来種として自生するのは1種のみです。

 茎は分枝しながら地を這い、草丈15~40cmになります。葉は3出複葉で互生します。小葉は長さ5~10mmの倒卵形で、葉先は少し窪み、2~7mmの葉柄があります。花茎はまばらに分枝し、茎頂に総状花序を球形に付けます。

 花期は5月から9月頃。頭花は淡黄色で、長さ3~4mmの蝶形花が5から20個集まったものです。蝶形花は旗弁1、翼弁2、舟弁(竜骨弁)2の計5枚の花弁で構成された離弁花です。両性花です。雄しべ10本で、9本が基部で筒状に合着する二体雄しべです。雌しべ1本。子房上位。

 花期を過ぎると淡黄褐色に変色します。萼は長さ2mm程。果期にも花弁は残り下垂し、茶色に変色した中に果実を包みます。果実は豆果で、長さ2mm程の倒卵形です。匍匐茎と種子で繁殖します。染色体数は、2n=30。

 似た仲間に、ウマゴヤシ属のコメツブウマゴヤシ(米粒馬肥し)Medicago lupulina L. があり、20~30個の小花が集った頭花をつけ、受粉後に花弁を落します。

Japanese common name : Kometubu-tume-kusa
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Trifolium dubium Sibth.
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頭花は長さ3~4mmの蝶形花が5から20個集まる
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花茎はまばらに分枝し、茎頂に総状花序を球形に付ける
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群落


コメツブツメクサ(米粒詰草)
別名:キバナツメクサ(黄花詰草)/コゴメツメクサ(小米詰草)
マメ科シャジクソウ属
学名:Trifolium dubium Sibth.
花期:5月~9月 1年草 草丈:15~40cm 花(蝶形花長):3~4mm 花序径:7mm

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【学名解説】
Trifolium : treis(三)+folium(葉)/シャジクソウ属
dubium : dubius(疑わしい・不確実の)
Sibth. : John Sibthorp (1758-1796)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.25km 右岸河川敷 2006.04.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

31 May 2006
Last modified: 12 April 2018
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by pianix | 2006-05-31 00:00 | | Comments(0)