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■ハナイバナ(葉内花)は、キュウリグサ(胡瓜草)に良く似ています。ハナイバナの花中央にある副花冠(鱗片)は10個で、白色です。キュウリグサの場合は、副花冠(鱗片)は5個で、淡黄色です。どちらも、2~3mmの小さな花です。安倍川流域で見た数で言えば、キュウリグサの方が多く、ハナイバナは少なめです。
Japanese common name : Hanaibana ![]() ![]() ハナイバナ(葉内花) ムラサキ科ハナイバナ属 学名:Bothriospermum zeylanicum (J.Jacq.) Druce synonym : Bothriospermum tenellum (Hornem.) Fisch. et C. A. Mey. 花期:4月~11月 1~2年草 草丈:10~30cm 花径:2~3mm ![]() 【学名解説】 Bothriospermum : bothrion(小穴)+sperma(種子)/ハナイバナ属 zeylanicum : ceylanicus(セイロンの) J.Jacq. : Joseph Franz von Jacquin (1766-1839) Druce : George Claridge Druce (1850-1932) --- tenellum : tenellus(非常に軟い・細い・弱い) Hornem. : Jens Wilken Hornemann (1770-1841) Fisch. : Friedrich Ernst Ludwig von Fischer (1782-1854) et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&に同じ) C. A. Mey. : Carl Anton Andreevic von Meyer (1795-1855) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から11.25km 左岸土手 2007.01.18 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] ■ワスレナグサ(勿忘草)が、河原に咲いています。実は、オオカワヂシャとカワヂシャの観察の為に何度も同じ場所へ足を運んだのですが、その傍らに咲いていました。安倍川の支流に数カ所、野生しているのを確認していますが、本流では初めてでした。近縁種で、在来種のエゾムラサキ(蝦夷紫)Myosotis sylvatica (Ehrh.) Hoffn.と見間違えているかもしれないと、これも再度確認に出かけました。ワスレナグサの萼には伏毛があり、エゾムラサキの萼には鉤状の毛があります。 Japanese common name : Sin-wasurenagusa ![]() ![]() ![]() ワスレナグサ(勿忘草/忘れな草) 和名:シンワスレナグサ(真忘れな草)/別名:ミオソチス(Myosotis) ムラサキ科ワスレナグサ属 学名:Myosotis scorpioides L. 花期:5月~7月 多年草 草丈:20~45cm 花径:6~9mm ![]() 【学名解説】 Myosotis : myos(二十日鼠)+otis(耳)|葉の状態を例えた/ワスレナグサ属 scorpioides : サソリの尾のような・卷いた形の L. : Carl von Linne (1707-1778) 撮影地:静岡県静岡市 安倍川/河口から6.75km 右岸河川敷 2007.01.19 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] 3 February 2007 Last modified: 31 May 2014 ![]() ■
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by pianix
| 2007-02-03 00:00
| 花
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ワスレナグサ(忘れな草/勿忘草)は、和名がシンワスレナグサ(真忘れな草)で、ムラサキ科ワスレナグサ属の多年草です。ヨーロッパ原産で、日本には、明治時代に渡来したと言われています。観賞用に導入され栽培されていたものが逸出し、1950年代に北海道と長野県で野生化が確認されました。北海道・本州・四国に分布します。
「勿忘」を現代日本語にすると、「忘れるな」となります。名の由来は、英語のforget-me-notを直訳したもの。恋人ベルタに、この花を贈ろうとしてドナウ川に落ちて死んだドイツの騎士ルドルフの物語から、最後に残した言葉「僕を忘れないで(Vergiss-mein-nicht)」に因みます。英名は、True Forget-me-not、あるいはWater Forget-me-notと呼ばれ、他のワスレナグサ属と区別しています。 ムラサキ科(Boraginaceae Juss. (1789))は地中海沿岸などの温帯に約154属2500種類が分布します。日本には14属28種があり、11種の草本が自生します。ワスレナグサ属(Myosotis L. (1753)は、北半球の温帯から亜寒帯(ユーラシア大陸・アフリカ・オセアニア)にかけて約50種が分布します。日本にはエゾムラサキの1種が自生分布します。 水湿地に生育し群生します。地下茎があり、根は横に這います。伏毛のある茎は束生し、20~45cm程の草丈になります。葉は互生し全縁、柄がある倒披針形で、産毛があります。上部では柄がなく長楕円形になります。 花期は5月から7月頃。渦巻き状になる蠍(さそり)形状の花序(巻散花序)となり、径6~9mmで淡青色の合弁花冠を付けます。萼は5裂し、先端は尖ります。花冠は5裂し、平開します。中央にある鱗片状の副花冠(corona)は黄色で、花冠の切れ目に向かって放射状に白色の稜が走ります。雄しべは5本で、子房は4裂します。両性花です。 果実は小堅果状の4分果で、種子は艶のある黒色をしています。風や雨、動物などにより伝播されます。染色体数は、2n=66。 耐寒性多年草で、冷涼地では夏を越すことが可能です。園芸では1年草として扱います。低温を経験する事で花芽ができます。一般的には春の花ですが、北海道では初夏の花になります。小型で豪華さはありませんが群生すると美しさが引き立つ花です。 近縁種に、在来種のエゾムラサキ(蝦夷紫)Myosotis sylvatica Hoffm. があります。ヨーロッパ原産のノハラワスレナグサ(野原忘れな草)Myosotis alpestris F.W.Schmidt は、萼に鉤状の毛があり、花径は3mm程と小型。園芸店ではワスレナグサとして売られていることがあります。 Japanese common name : Sin-wasurena-gusa ![]() ![]() シンワスレナグサ(真忘れな草) 別名:ワスレナグサ(勿忘草/忘れな草) ムラサキ科ワスレナグサ属 学名:Myosotis scorpioides L. 花期:5月~7月 多年草 草丈:20~45cm 花径:6~9mm ![]() 【学名解説】 Myosotis : myos(二十日鼠)+otis(耳)|葉の状態を例えた/ワスレナグサ属 scorpioides : サソリの尾のような・卷いた形の L. : Carl von Linne (1707-1778) --- sylvatica : sylvaticus(森林生の) Hoffm. : Georg Franz Hoffmann (1760-1826) --- alpestris : 亜高山の F.W.Schmidt : Franz Wilibald Schmidt (1764-1796) 撮影地:静岡県静岡市 内牧川(安倍川水系)/右岸 2006.04.24 [Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN] Last modified: 2 May 2006 ![]() ■
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by pianix
| 2006-05-02 00:00
| 水辺の植物
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Introduction
「草花と自然Blog」へお越し下さってありがとうございます。このブログは2005年8月1日に開始しました。
【筆者プロフィール】 自然体験活動指導者 静岡県環境学習指導員 ◆このブログは、「草花と自然」の観察記録余話として作成しています。「草花と自然」では、静岡市安倍川に限定した野草観察記録を年間を通して記載しています。その間に撮りためた園芸種を含めた花などを、ここに記載する事にしました。従って「草花と自然」に掲載しなかった花が含まれています。 ◆対象は中学生位です。専門的なことをなるべく排除して、さらに必要な知識を得るための基礎となる内容を心がけています。少しでも生物についての興味を持って頂けるきっかけになったら幸いです。 ◆私の趣味は、アマチュア無線・競歩等です。興味のあるものは、天文学・理論物理学等です。残念ながら花には深い思い入れがありません。名前を覚えるのが苦手なので、せめて目にした野草の名前の幾つかを覚えようと観察を始めました。もっとも、聖書に書かれている「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の草でさえ、神はこのように装ってくださる。」(マタイ 6:28-30抜粋・新共同訳)に触発されたのが根底にあります。 【検索する】 和名はカタカナ表記です。漢字で検索しないほうが良好な結果が得られます。 【写真を拡大する】 写真をクリックすると拡大されます。その写真をクリックすると元に戻ります。ブラウザの設定によっては動作しません。 【コメントする】 記事タイトルをクリックすると「コメントする」ボタンが最下部に現れます。パスワードは削除する時に必要なものです。投稿者のあなたが決めて下さい。 【トラックバックする】 承認制としさせて頂いていますので、確認後に有効にさせていただきます。問い合わせの必要はありません。 【間違いの指摘】 コメント欄の「非公開コメント」にチェックを入れて書き込んで頂ければありがたいです。 【注意】 民間療法、生薬などは、使い方を誤ると重大な結果を招きます。知識無く利用する事は危険です。専門家の指導無しに利用する事は避けてください。 その他 Masami Saito All Rights Reserved ・このブログに掲載されている写真・画像・イラスト・文章を無断で使用することを禁じます。 ・写真にリンクを貼ることは固くお断りします。 ・当Blogの著作権は齊藤正巳に帰属します。 ・当Blogを利用することで生じる損害その他一切の不利益について、作者は責任を負いません。 ・種子等の配布は行っていません。問い合せされてもお応えできません。 問い合わせ 静岡県の推計人口 総数3,666,457人 (前月比-2,176人) 男1,805,689(-1,100) 女1,860,768(-1,076) 関連情報Webサイト 静岡県公式ホームページ →環境局 →環境ふれあい課 静岡市HP →スポーツ振興課 静岡県立大学 →薬草園 →環境科学研究所 最新のコメント
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