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ハクチョウソウ(白蝶草)
 ハクチョウソウ(白蝶草)は、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草です。北アメリカが原産です。日本には、1863年頃に文久遣欧使節によって移入されたと言われています。当時は、ヤマモモソウ属(Gaura L. (1753))のヤマモモソウ(山桃草)とされていました。現在はマツヨイグサ属です。逸出して日本全国で野生化している帰化植物です。名の由来は、白い花冠をチョウに見立てたもの。中国名は、山桃草(shān táo cǎo)。英名は、White gaura。

 アカバナ科(Onagraceae Juss. (1789))は、世界に約37属640種が分布します。日本には5属28種があります。マツヨイグサ属(Oenothera L. (1753))は、約125種があり、日本に自生種は無く、14種が帰化しています。

 茎は根元で分岐して直立します。草丈は50~150cm。茎葉はロゼット状。葉は互生します。葉柄が無い披針形で、長さ1~9cm。まばらに鋸歯があります。茎や茎葉には毛があります。

 花期は5月から11月頃までと長く続きます。長い茎の先に総状花序を出します。花柄と萼は赤味を帯びます。蕾に毛があります。萼は4枚で、後方に大きく反り返り、斜めに立ち上がります。

 花径は2~3cm。花色は白色で、桃色もあります。花弁は倒卵型で、長さ12~20mm。4枚が上側に半円状に並びます。雄しべと雌しべは長く突き出ます。雄しべは8本で葯は赤褐色。雌しべは1本で、白色の柱頭は4裂します。

 一日で萎む一日花ですが、下から順に咲き続けます。子房下位で4室。果実は蒴果です。長さ7~8mm、幅約3mmの紡錘形で堅果。種子は長さ2~2.5mmで赤褐色。染色体数は、2n=2x=14。

 種子繁殖します。園芸では、挿し木、株分けでも行われます。繁殖力が強く、放置すると簡単に雑草化します。

Japanese common name : Hakuchou-sou
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Oenothera lindheimeri (Engelm. et A.Gray) W.L.Wagner et Hoch

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左:萼片は4枚、雄しべ8、柱頭は4裂する。右:萼は4枚で後方に反り返る。

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左:風でよく揺れる。右:葉はまばらに鋸歯がある披針形。

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左:茎は根元で分岐して直立する。右:1~2年で野生化するほど繁殖力が強い。


ハクチョウソウ(白蝶草)
別名:ヤマモモソウ(山桃草)
流通名:ガウラ
アカバナ科マツヨイグサ属
学名:Oenothera lindheimeri (Engelm. et A.Gray) W.L.Wagner et Hoch
Synonyms : Gaura lindheimeri Engelm. et A.Gray
花期:5月~11月 多年草 草丈:60~150cm 花径:2~3cm

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【学名解説】
Oenothera : oinos(酒)+ther(野獣)/マツヨイグサ属
lindheimeri : Ferdinand Jakob Lindheimer (1801-1879)氏の
Engelm. : Georg (George) Engelmann (1809-1884)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
A.Gray : Asa Gray (1810-1888)
W.L.Wagner : Warren Lambert Wagner (1950- )
Hoch : Peter Coonan Hoch (1950- )
---
Gaura : 立派な、華美な/ヤマモモソウ属

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から6.25km 安倍川柳町緑地公園
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 24 August 2018
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by pianix | 2018-08-25 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ヤマノイモ(山の芋)
 ヤマノイモ(山の芋)は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属の蔓性多年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、本州から沖縄にかけて分布する在来種です。名の由来は、山に生える芋である事から。里芋に対する名称との説もあります。別名は、ジネンジョ(自然薯)、ジネンジョウ(自然生)、ヤマイモ(山芋)等。中国名は、日本薯蕷(Rìběn shǔyù)。英名は、Yam。

 ヤマノイモ科(Dioscoreaceae R.Br. (1810))は、熱帯及び暖温帯に8属約800種が分布します。ヤマノイモ属(Dioscorea L. (1753))は、東アジア北部に広く分布します。ヤマノイモ科の内、約600種がヤマノイモ属です。約40種が食用とされ、約15種が栽培されていて、日本には13種があります。珠芽があり根茎の根が肥厚するヤマノイモの仲間と、根茎の根が肥厚しないオニドコロの仲間に分ける事ができます。

 日当たりの良い山地の林縁などで自生します。ひげ根がある肥厚した長い担根体(地下茎)があります。地中深くに伸び、長さ1m以上、太さ3cm程になります。食用とされ、粘りが強い事から、「とろろ」として利用されます。栽培では、パイプや波板シートに設置して掘り出しやすいようにしています。

 葉は、対生します。基部が心形の三角状披針形で、長さ5~10cm、幅3~5cm。無毛で鋭尖頭、全緑。葉腋に径1cm内外で腋芽が肥大した偏球形のムカゴ(零余子)を付けます。幅25~28mm。ムカゴは栄養繁殖器官で、落下後に芽を出します。これは食用となります。

 花期は、7月から8月。雌雄異株。葉腋から雄花序と雌花序を出します。雄花序は立ち上がり、花は白色でほとんど開かず、花被片は外花被片3個、内花被片3個の計6個。無柄で径約2mm。雄しべは6個。雌花序は下垂し、基部から順に咲きます。雌しべは3個、柱頭は2裂します。果実は、蒴果です。3つの陵に3室があり、長さ約15mm、幅約25mm。種子は、薄膜状の翼があり、10~15mmの扁平円形。染色体数は、2n=40。

 根茎(担根体)の周皮を取り除き乾燥させたものを、生薬の山薬(第十七改正日本薬局方)として滋養強壮、止瀉、鎮咳に用います。

 ヤマノイモ属は種類が多く、またよく似ているので注意を要します。代表的なものを列挙します。
 ヤマノイモと同じように葉が対生する、帰化種のナガイモ(長薯)Dioscorea polystachya Turcz. 。別名ツクネイモ、中国名は薯蕷。栽培種の逸出で野生する時があります。
 葉が互生するものに、トコロ(野老)の仲間があります。
 オニドコロ(鬼野老)Dioscorea tokoro Makino 別名トコロ(野老)、中国名は山萆薢。山野に多くあり、ヤマノイモと混生している場合があります。雌花は黄緑色。
 タチドコロ(立野老)Dioscorea gracillima Miq. 中国名は纖細薯蕷。本州と九州(2n=20)、四国(2n=40)に分布します。雌花は淡橙黄色。
 ヒメドコロ(姫野老)Dioscorea tenuipes Franch. et Sav. 別名エドドコロ(江戸野老)、中国名は細柄薯蕷。雌花は黄緑色。本州中部以西に分布します。
 カエデドコロ(楓野老)Dioscorea quinquelobata Thunb. 雌花は橙色で、葉が3~9裂します。
 キクバドコロ(菊葉野老)Dioscorea septemloba Thunb. 別名モミジドコロ(紅葉野老)。雌花は黄緑色や暗紫色で、葉は5〜9裂します。
 帰化種のニガカシュウ(苦荷首烏)Dioscorea bulbifera L.f. spontanea (Makino) Makino et Nemoto 別名マルバトコロ、中国名は黃獨。ムカゴがつきます。

Japanese common name : Yama-no-imo
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Dioscorea japonica Thunb.

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左:雄花はほとんど開かない 右:雌花と果実

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左:ムカゴが着生。 右:葉は基部が心形の三角状披針形。

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果実は蒴果。3室あり、円形の薄膜状の翼がある種子を出す。

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左:ヤマノイモ栽培農地     右:梱包状態の販売商品



ヤマノイモ(山の芋)
別名:ジネンジョ(自然薯)、ヤマイモ(山芋)
ヤマノイモ科ヤマノイモ属
学名:Dioscorea japonica Thunb.
花期:7月~8月 多年草 草丈:蔓性 花径:約2mm

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【学名解説】
Dioscorea : Pedanius(Pedanios) Dioscorides (ca.40-ca.90 AD)に因む/ヤマノイモ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
ca. : circa(およそ)
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ヒメドコロ(姫野老)Dioscorea tenuipes Franch. et Sav.
tenuipes : 細い柄のある
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Sav. : Paul Amedée Ludovic Savatier (1830-1891)
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タチドコロ(立野老)Dioscorea gracillima Miq.
gracillima : gracillimus(非常に細長い)
Miq. : Friedrich Anton Wilhelm Miquel (1811-1871)
---
カエデドコロ(楓野老)Dioscorea quinquelobata Thunb.
quinquelobata : quinquelobatus(五浅裂した)
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キクバドコロ(菊葉野老)Dioscorea septemloba Thunb.
septemloba : septemlobus(種の中の真正のもの)
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ニガカシュウ(苦荷首烏)Dioscorea bulbifera L.f. spontanea (Makino) Makino et Nemoto
bulbifera : 鱗茎のある
L.f. : Carolus Linnaeus filius (1741-1783)
spontanea : spontaneus(野生の、自生の)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Nemoto : 根本莞爾 Kwanji Nemoto (1860-1936)/日本植物総覧共著者

撮影地:静岡県静岡市
葵区内牧 2006.08.18, 2006.10.27, 2006.10.30, 2006.11.24
葵区昭府町(茶臼山) 2017.12.21
葵区新伝馬 2017.12.30
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

26 December 2017, 31 December 2017
Last modified: 2 January 2018
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by pianix | 2017-12-26 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ノコギリソウ(鋸草)
 ノコギリソウ(鋸草)は、キク科ノコギリソウ属の1年草です。日本、朝鮮半島、中国、ロシア極東、ネパール、北アメリカに分布します。日本では、北海道と本州に分布する在来種です。名の由来は、葉が櫛歯状に切れ込む形状を鋸に例えたもの。中国名は、高山蓍草(gāo shān shī cǎo)。英名は、Chinese yarrow。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化種は100種以上あります。ノコギリソウ属(Achillea L. (1753))は、北半球の温帯から寒帯にかけて約85種類が分布します。日本には、亜種と変種が数種類分布します。

 山地の草原に自生します。草丈は30~80cm。茎は上部で分枝し、軟毛があります。葉は、互生します。無柄の長楕円形から披針形線状で、長さ約8cm、幅約1cm。羽状に中裂から深裂します。中心に薄緑色の葉脈(主脈)が通ります。セイヨウノコギリソウよりも葉質は堅め。

 花期は、7月から9月。葉腋から分枝した茎頂に密な散房花序をつけます。頭花の径は約1cm。花色は、白から薄桃色。総苞は鐘球形で毛が散生し、総苞片は2列。中心部に筒状花(両性)、周囲に舌状花(雌性)があります。1頭花の舌状花の花被片は5~7枚で、先端が浅く3裂し、長さ3.5~4.5mm。果実は、痩果です。長さ約2~3mmの扁平形。染色体数は、2n=36。

 似た種に、亜種で北海道に分布し草丈が低いシュムシュノコギリソウ(占守鋸草)Achillea alpina L. subsp. camtschatica (Heimerl) Kitam.、キタノコギリソウ(北鋸草)Achillea alpina L. subsp. japonica (Heimerl) Kitam.、アカバナエゾノコギリソウ(赤花蝦夷鋸草)Achillea alpina L. subsp. pulchra (Koidz.) Kitam.、九州に分布するアソノコギリソウ(阿蘇鋸草)Achillea alpina L. subsp. subcartilaginea (Heimerl) Kitam.[準絶滅危惧(NT)]、中部地方以北の山地草原に分布し頭花数が少なく舌状花が3mm以下のヤマノコギリソウ(山鋸草)Achillea alpina L. var. discoidea (Regel) Kitam.があります。園芸種として、2~3回羽状複葉に細裂する、セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)Achillea millefolium L. があります。

Japanese common name : Nokogiri-sou
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Achillea alpina L. var. longiligulata H.Hara

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左:茎は上部で分枝し軟毛がある。 右:葉は互生し羽状に中裂から深裂する。



ノコギリソウ(鋸草)
別名:ハゴロモソウ(羽衣草)
キク科ノコギリソウ属
学名:Achillea alpina L. var. longiligulata H.Hara
花期:7月~9月 多年草 草丈:50~100cm 花径:(頭花)約1cm

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【学名解説】
Achillea : ギリシャ神話のAchillesの名に因む/ノコギリソウ属
alpina : alpinus(高山生の)
L. : Carl von Linné (1707-1778)
longiligulata : longus(長い)+ligulatus(舌状の)
H.Hara : 原 寛 Hiroshi Hara (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬用植物園 2006.10.19, 2007.10.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 26 November 2017
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by pianix | 2017-11-23 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Trackback | Comments(0)
ゴキヅル(合器蔓)
 ゴキヅル(合器蔓)は、ウリ科ゴキヅル属の蔓性1年草です。日本、朝鮮、中国、東アジアに分布します。日本では、本州、四国、九州に分布する在来種です。地域によっては、絶滅危惧I類、絶滅危惧II類、準絶滅危惧種に指定されています。名の由来は、果実が蓋付きの椀である合器(ごうき)のようである事から。中国名は、盒子草(hé zi cǎo)。

 ウリ科(Cucurbitaceae Juss. (1789))は、15連、約95属942種1)以上が分布します。日本には、5属10種が自生分布し、栽培種及び帰化種は10属11種があります。ゴキヅル属(Actinostemma Griff. (1841)) は、日本、朝鮮、中国、インドシナに3種があります。

 日当たりの良い水辺や湿った草地で自生します。蔓性で、葉腋から糸状の巻きひげを出し、他の物に絡みついて覆い被さるように繁殖します。茎は細く、稜があります。上部の茎は径約1mm、巻きひげは、径約0.1mm。巻きひげは托葉の変形と考えられています。茎の稜や萼片、花柄、葉脈、葉縁、葉柄に白色の短毛が密生します。葉は互生します。濃緑色で、長さ5〜10cm、幅2.5〜7cmの三角状披針形、広心形、狭長心形と形状に変異の幅があり、鋭頭。

 花期は、7月から11月頃。総状花序を出し、葉腋から糸状の花柄の先に白色の花をつけます。萼と花冠は同じ形で5全裂します。裂片は披針形で先端は細く尖り、尾状に伸びて放射状に広がります。萼片と花被片の中央に縦筋があります。顎片と花被片が交互に重なり並ぶので10枚の花びらに見えます。花径は約7mm。

 雌雄異花同株。雄花は、5個の雄しべがあります。雌花は、5個の退化雄しべと1個の雌しべがあり、子房は緑色。雌花と雄花の見分けは容易で、花冠裏側の基部に子房があるかどうかで判別できます。雄花は花柄が顎につながりますが、雌花は花柄が子房につながり、その上に顎があります。子房下位。果期には、雄花、雌花とも顎と花冠を落とします。

 果実は、蓋果2)です。長さ約20mm、幅約12mmのドングリに似た長楕円形の果実で、下垂します。上部(付け根部分)が緑色で疣状突起があり、下部は淡緑色。熟すと果実中央付近が横に割れて上部は残り、下部の蓋にあたる果皮と2個の種子を落とします。まれに3個の種子があります。種子は、黒褐色のしわがある扁平卵形で長さ11~13mm、幅8~9mm。落下後は水に浮きます。種子繁殖します。染色体数は、2n=66。

 ゴキヅルの種子及び地上部には、サポニン成分中にトリテルペノイド配糖体(Triterpenoid glycosides, Dammarane型、Baccharane型、Oleanane型)が含まれ3)、種子には、オレアノール酸(Oleanolic Acid)とギプソゲニン配糖体(Gypsogenin glycosides)が含まれます4)。中国では利尿剤等として用いられてきました。

1)Phylogenetic relationships in the order Cucurbitales and a new classification of the gourd family (Cucurbitaceae). Hanno Schaefer & Susanne S. Renner (TAXON Volume 60, Number 1, February 2011: pp122-138)
2)蓋果(がいか、pyxidium):蒴果の一種で、熟すと果皮が横に裂開する果実。上部が蓋のように取れて種子を放出し、下部が椀状に残る。オオバコやスベリヒユなどがある。
3)ウリ科植物ゴキヅルActinostemma lobatum MAXIM.の成分研究 地上部に含まれるトリテルペノイド配糖体の構造. 藤岡 稔大(福岡大薬)、他. release date:2017.08.18
4)Studies on the Constituents of Actinostemma lobatum MAXIM. VI. Structures of Lobatosides I, J and K, Oleanolic Acid and Gypsogenin Glycosides Isolated from the Seed : Chemical and Pharmaceutical Bulletin Vol. 40 (1992) No. 5 P 1105-1109 : Toshihiro FUJIOKA,etc. 2008

Japanese common name : Goki-duru
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Actinostemma tenerum Griff.

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蔓は巻きひげで立ち上がる。花冠は顎5花被片5で放射状に開く。

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<雄花>                <雌花>

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<雌花> 花冠の中央が緑色の子房。花冠裏側の子房は疣状突起がある

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葉は互生し、角状披針形、あるいは広心形や狭長心形で、形状には変異がある

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葉裏の葉脈は浮き出る

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茎の稜や萼片、花柄、葉脈、葉縁、葉柄に白色の短毛が密生

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果実は蓋果。熟すと果実中央付近が横に割れる。種子が2個入っている。
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種子表面にはしわがある。長さ約13mm。落下して水に浮く。


ゴキヅル(合器蔓)
別名:モミジバゴキヅル(紅葉葉合器蔓)、ツタバゴキヅル(蔦葉合器蔓)
ウリ科ゴキヅル属
学名:Actinostemma tenerum Griff.
synonym : Actinostemma lobatum (Maxim.) Maxim. ex Franch. et Sav. var. racemosum (Maxim.) Makino
花期:7月~11月 1年草 草丈:蔓性(約2m) 花径:約7mm 果実長:約20mm

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【学名解説】
Actinostemma : akti(放射線)+stamma(冠)/ゴキヅル属
tenerum : 細い
Griff. : William Griffith (1810-1845)
---
synonym : 同物異名
lobatum : lobatus(浅裂した)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)
Franch. : Adrien Rene Franchet (1834-1900)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Sav. : Paul Amedee Ludovic Savatier (1830-1891)
var. : varietas(変種)
racemosum : racemosus(総状花序をつけた)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
麻機遊水地第3工区 2017.09.23, 09.24, 09.25, 09.29, 10.04
麻機遊水地第4工区 2017.09.29, 10.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 9 October 2017
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by pianix | 2017-10-09 18:00 | 水辺の植物 | Trackback | Comments(0)
チヂミザサ(縮み笹)
 チヂミザサ(縮み笹)は、イネ科チヂミザサ属の1年草です。世界に広く分布します。日本では全国に分布する在来種です。名の由来は、笹の葉に似ているが波打って縮んでいるように見える事から。中国名は、求米草。英名は、wavy-leaf basket grass。

 イネ科(Poaceae Barnhart (1895))は、世界に約600属9500種以上が分布する規模の大きな科で、野生種は日本に700種程が知られています。チヂミザサ属(Oplismenus P.Beauv. (1810))は、世界に10数種が分布します。

 チヂミザサ(縮み笹)は2変種に分類されます。花序軸や葉鞘に開出する毛が多いのがケチヂミザサ(毛縮み笹)で、少ないものはコチヂミザサ(小縮み笹)です。

 山地の林縁に自生します。茎は細く中空で、枝分かれしながら節から根を出して横に這います。途中で節から立ち上がり、高さ10~30cmになります。葉は互生します。狭卵形または広披針形で鋭頭、長さ3~7cm、幅10~15mm。葉の縁は波打ちます。基部は葉鞘となって茎を抱きます。

 花期は8月~9月。山地の林縁に自生します。茎の先に穂状花序をつけます。花序長は約10cm。花序枝から鱗状の苞葉である穎(えい)で狭卵形の小穂(しょうすい)を形成します。小穂は緑色の狭卵形で長さ3~3.8mm。総状花序が短縮した構造で、横向きにつけます。小穂の付け根にあるものが苞穎(ほうえい)、花を包むものが花穎(かえい)です。

 苞穎は2つあり、第一苞穎(外苞穎)は広披針形で長さ約3mm、第二苞穎(内苞穎)は狭卵形で長さ約2.5mmです。芒(のぎ)は第一苞穎に長さ12~20mm、第二苞穎に3~4mmがつきます。花穎は、外花頴(がいかえい)と内花頴(ないかえい)があります。外花頴は、約1.5mmの芒があり、葉腋部分に小花を持ち雄しべと雌しべがつきます。雄しべは花糸の先に薄黄色の葯を付け、雌しべは白や赤紫色のブラシ状です。内花頴は退化して不稔性。両性花で風媒花。

 果実が熟すと、苞頴に伸びる3本の芒に粘液を出し、動物に付着して種子の拡散をします。粘液を使って動物付着散布する仲間に、メナモミ、ヌマダイコン、ノブキ、タネツケバナ等があります。果実は穎果1)です。長さ約2mm。種子は楕円形。染色体数は、2n=54。

 仲間に、沖縄に多く分布し分枝して小穂をつけるエダウチチヂミザサ(枝打縮み笹)Oplismenus compositus (L.) P.Beauv. があります。

 ここで使用している用語は、他の呼び方もあるため参考に列挙します。
第一苞穎(fast Glume):外苞穎、外頴、第一護穎
第二苞穎(second Glume):内苞穎、内頴、第二護穎
外花頴(Lemma):護頴、花頴、外桴(がいふ)、外穎
内花頴(Palea):内頴、内桴(ないふ)

1)穎果(えいか):痩果のひとつで、乾燥した頴が種子と密着した果実。穀果とも。

Japanese common name :Tidimi-zasa
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ケチヂミザサ(毛縮み笹)
Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult. var. undulatifolius f. undulatifolius
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コチヂミザサ(小縮み笹)
Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult. var. undulatifolius f. japonicus (Steud.) T.Koyama ex W.T.Lee

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叢生する花期のコチヂミザサ
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第一苞穎の芒は長く(12~20mm)、第二苞穎の芒は短い(3~4mm)

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雄しべは花糸の先に薄黄色の葯を付け、雌しべは白や赤紫色のブラシ状

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左:基部は葉鞘となって茎を抱く 右:笹に似た葉で、縁がうねる
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粘液を出してストックに付いた果実



チヂミザサ(縮み笹)
イネ科チヂミザサ属
学名:Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult.

コチヂミザサ(小縮み笹)Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult. var. undulatifolius f. japonicus (Steud.) T.Koyama ex W.T.Lee
ケチヂミザサ(毛縮み笹)Oplismenus undulatifolius (Ard.) Roem. et Schult. var. undulatifolius f. undulatifolius
花期:8月~10月 1年草 草丈:10~30cm 小穂長:3~3.8mm 果期:11月

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【学名解説】
Oplismenus : hoplismos(芒のある)/チヂミザサ属
undulatifolius : うねった葉の
Ard. : Pietro Arduino (1728-1805)
Roem. : Johann Jacob Roemer (1763-1819)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Schult. : Josef August Schultes (1773-1831)
var. : varietas(変種)
f. : forma(品種)
japonicus : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Steud. : Ernst Gottlieb von Steudel (1783-1856)
T.Koyama : 小山鐵夫 Tetsuo Michael Koyama (1933- )
ex : ~による
W.T.Lee : W.T.Lee (col.1924- )
---
compositus : 枝分かれした
L. : Carl von Linne (1707-1778)
P.Beauv. : Ambroise Marie Francois Joseph Palisot de Beauvois (1752-1820)

撮影地:静岡県静岡市
ダイラボウ(Alt.561m) 2008.11.05
高山(牛ヶ峰 Alt.717m) 2014.09.23
安倍城跡(Alt.435m) 2014.09.26, 2015.09.11, 09.15, 09.23, 09.28
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 11 September 2017
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by pianix | 2017-09-11 00:00 | ひっつき虫 | Trackback | Comments(0)
ホオノキ(朴の木)
 ホオノキ(朴の木)は、モクレン科モクレン属の落葉高木です。北海道、本州、四国、九州に分布する日本固有種です。近縁種は、中国、朝鮮半島に分布します。名の由来は、包むとの意味からと言われています。中国名は、日本厚朴(rì bĕn hòu piáo)。英名は、Japanese Umbrella Tree。

 モクレン科(Magnoliaceae Juss. (1789))は、アジア、アフリカの温帯および亜熱帯に13属240種が分布します。属名のマグノリア(Magnolia L. (1753))は、フランスのモンペリエ植物園園長マニョール(Pierre Magnol (1638-1715))の名に因むもので、アジアとアメリカ大陸に約90種があります。日本にはモクレン属6種、オダマキ属1種が自生します。

 全国の山地に自生します。大きなものでは、高さ約30m、径約1.5mになります。樹皮は灰白色。他感作用(アレロパシー1))があり2)、周囲に他の植物は生育しにくくなります。葉は互生します。枝先に螺旋状に集まります。葉柄は長さ2~4cm。葉身は倒卵形で、全縁、長さ30~45cm、幅10~25cm。葉裏は軟毛があり白灰色。

 花期は、5月~6月。枝先に上向きに花をつけます。花は杯形で径20cm。離弁花です。花被片は9~12個あり、外側3枚は顎状となり短く、内側は花弁状。乳白色で強い芳香があります。香りは虫の誘引の為と言われています。虫媒花です。甲虫類(ハナアブやハナムグリ)が訪花します。

 両性花です。花床の上部に雌しべ、下部に雄しべが密生します。雄しべ花糸は約2cmで赤色、葯は黄白色。雌性先熟です。花弁が少し開いた時が雄しべ成熟期(雄性期)、平開した時が雌しべ成熟期(雌性期)で、その後、雄しべと花弁を脱落させます。個々の花は時期をずらして開花します。

 果期は、9~11月。果実は長楕円形の集合袋果(etaerio of follicles)です。100~150個の袋果3)がつきます。長さ10~15cmで、熟すと赤褐色となり、裂開して艶のある赤色の仮種皮4)に包まれた長さ約1cmの種子を出します。仮種皮の下には肉質内層があります。白い糸状の珠柄5)で袋果と種子がつながります。

 個々の袋果には、0~2個の種子があります。個体の他の花粉により自家受粉を起こす事があり、自家受粉果より他家受粉果のほうが2種子袋果の割合が高い6)との報告があります。種子は黒色。集合果は最終的に茶褐色になり落下します。染色体数は、2n=38。

 葉は抗菌作用7)があるため、食べ物の包材として利用されます。飛騨高山の郷土料理である朴葉味噌をはじめ、朴葉餅、朴葉寿司にも使われます。材は軽く柔らかで歪みや変形が少ないので、まな板、刀の鞘、版木、マッチの軸、鉛筆材、下駄の歯等に利用されます。

 日局「厚朴」8)は、本種の樹皮を乾燥させたもので、整腸、健胃、収斂、利尿、去痰作用があります。成分は、精油、アルカロイド (マグノクラリン、マグノフロリン等) 、ジフェニール化合物 (マグノロール、ホーノキオール等)。果実を「朴の実」と称し、民間薬(風邪、嘔吐、疝気)として使われていました。中国産と区別するために日本産を和厚朴、中国産を唐厚朴と言う場合があります。

脚注:
1)アレロパシー(Allelopathy):植物が放出する天然の化学物質(生理活性物質)が他の生物に、阻害的あるいは促進的(共栄的)な作用を及ぼすこと。Hans Molisch (1856-1937)が晩年に提唱した用語。αλληλων(お互い)+παθος(身に降りかかる)=allēlōn+pathos=Allelopathy
2)森林におけるアレロパシー 小島康夫 北海道大学 日本林学会北海道支部論文集 43巻 (1995) p. 1-3
3)袋果(たいか)follicle:裂開果の一種で、一枚の心皮子房が成熟して袋状になった果実。内縫線あるいは外縫線に沿って裂開する。
4)仮種皮(かしゅひ)aril:種子の表面を覆う付属物。胚珠や胎座の一部が発達したもの。種衣(しゅい)。
5)珠柄(しゅへい)funiculus:種子になる部分の胚珠を子房の胎座に付着させている柄。
6)健全なホオノキ種子の選び方、他殖種子をより多く採る方法 中村和子・石田清 森林総合研究所北海道支所 研究リポート No.35(1996)
7)ホオノキの葉成分の各種病原微生物に対する抗菌効果 環境感染 巻:23 号:Supplement ページ:311 2008 武井泰・永井慎・上平公子
・抗菌成分:eudesmol,magnolol,honokiol - Antifungal Constituents in the Bark of Magnolia obovata Thunb.Mitsunori MORI, Masakazu AOYAMA, Shuichi DOI
・ホオノキ葉の精油成分:α- and β-pinene, camphene, limonene, bornyl acetate, caryophyllene, caryophyllene epoxide, and chavicol. - YAKUGAKU ZASSHI Vol. 96 (1976) No. 2 P 218-222
8)第十七改正日本薬局方 「本品はホオノキMagnolia obovata Thunberg (Magnolia hypoleuca Siebold et Zuccarini), Magnolia officinalis Rehder et Wilson 又はMagnolia officinalis Rehder et Wilson var. biloba Rehder et Wilson (Magnoliaceae)の樹皮である。本品は定量するとき、マグノロール0.8%以上を含む」

Japanese common name : Hoo-no-ki
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Magnolia obovata Thunb.

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左:蕾。すでに受粉を終えたものもある 右:雄しべ成熟期の始まり

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左:雄しべが脱落する 右:赤色は雄しべ花糸

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左:雄しべが落ち、花冠も枯れる 右:果実のみになる

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左:熟して赤くなった集合果 右:枝先に大きな葉を輪生状に互生する

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左:樹皮は灰白色 右:全体


ホオノキ(朴の木)
モクレン科モクレン属
学名:Magnolia obovata Thunb.
synonym : Magnolia hypoleuca Siebold et Zucc.
花期:5月~6月 落葉高木 樹高:15~30m 花径:15~20cm 果期:9~11月

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【学名解説】
Magnolia : Pierre Magnol (1638-1715)に因む/モクレン属
obovata : obovatus(倒卵形の)
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
---
synonym : Magnolia hypoleuca Siebold et Zucc.
hypoleuca : hypoleucus(下面が白色の)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
---
コウボク(厚朴)
Magnolia officinalis Rehder et E.H.Wilson
officinalis : 薬用の
Rehder : Alfred Rehder (1863-1949)
E.H.Wilson : Ernest Henry Wilson (1876-1930)
---
オウヨウコウボク(凹葉厚朴)
Magnolia officinalis Rehder et E.H.Wilson var. biloba Rehder et E.H.Wilson
var. : varietas(変種)
biloba : bi(2つの)+lobus(耳たぶ)=bilobus(二浅裂の)

撮影地:静岡県静岡市
安倍城跡 (Alt.435m) 2012.05.16, 2013.06.04
ダイラボウ (Alt.561m) 2016.09.01, 2017.05.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

28 August 2017
Last modified: 29 August 2017
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by pianix | 2017-08-28 00:00 | | Trackback | Comments(0)
ツメレンゲ(爪蓮華)
 ツメレンゲ(爪蓮華)は、ベンケイソウ科イワレンゲ属の多年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、関東以西、四国、九州に分布する在来種です。準絶滅危惧(NT)に指定されています。名の由来は、多肉質の葉の尖った先端を爪に、円形に重なり合ったロゼットの葉序を蓮華座に例えたもの。中国名は、晚紅瓦松(wan hong wa song)。

 ベンケイソウ科(Crassulaceae J.St.-Hil. (1805))は、約33属1400種が分布します。イワレンゲ属(Orostachys Fisch. ex A.Berger, in Engl. et Prantl (1930))は、温帯域に約10種が分布します。

 日当たりの良い岩場などに自生します。密生して数段に重なった根出葉でロゼットを形成し、数年間を過ごします。葉は互生します。多肉質の披針形で先端に突起があり、長さ3~6cm、幅0.5~1.5cm。

 花期は、10月から11月。花茎を10~30cmに伸ばして穂状花序をつけます。葉状の包葉があります。花序下から順に咲きます。花径は5~10mm。雄しべ10個、雌しべ5個。葯色は紅色。

 開花して結実すると株が枯死する、一回結実性植物です。子株によって次の花を咲かせます。種子は微細。風媒花です。染色体数は、2n=24,48。

 クロツバメシジミ(黒燕小灰蝶)Tongeia fischeri (Eversmann, 1843) [絶滅危惧II類(VU)] 幼虫の食草としても知られています。※国内亜種は3種あります。

 類似種に、葯色が黄色のイワレンゲ(岩蓮華)Orostachys malacophylla (Pall.) Fisch. var. iwarenge (Makino) H.Ohba [絶滅危惧II類(VU)]、チャボツメレンゲ属の、チャボツメレンゲ(矮鶏爪蓮華)Meterostachys sikokianus (Makino) Nakai [絶滅危惧II類(VU)] があります。

☆  ☆  ☆

 東海自然歩道の峠越え(相沢~油山)を往復した帰り、沢沿いの岩場に咲いているのに気が付きました。このような時には必ず安価なデジカメしか持っていません。沢の岩場を下りて撮影しましたが、残念ながら予定が詰まっていてゆっくりする時間がありませんでした。次回に期待して帰りました。

Japanese common name : Tume-renge
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Orostachys japonica (Maxim.) A.Berger

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肉穂状花序は、10~30cm。花序下から順に咲く。

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花径は5~10mm。葉は互生。多肉質の披針形で先端に突起がある。


ツメレンゲ(爪蓮華)
別名:ヒロハツメレンゲ(広葉爪蓮華)、ヒロハイワレンゲ(広葉岩蓮華)
ベンケイソウ科イワレンゲ属
学名:Orostachys japonica (Maxim.) A.Berger
花期:10月~11月 多年草 草丈:10~30cm 花冠長:

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【学名解説】
Orostachys : oros(山)+stachys(穂)/イワレンゲ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Maxim. : Carl Johann (Ivanovič) Maximowicz (1827-1891)
A.Berger : Alwin Berger (1871-1931)
---
J.St.-Hil. : Jean Henri Jaume Saint-Hilaire (1772-1845)
Fisch. : Friedrich Ernst Ludwig von (Fedor Bogdanovic) Fischer (1782-1854)
Engl. : Heinrich Gustav Adolf Engler 1844-1930
Prantl : Karl Anton Eugen Prantl (1849-1893)

撮影地:静岡県静岡市
葵区相沢(東海自然歩道) 2014.11.04
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 January 2017
Last modified: 20 January 2018
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by pianix | 2017-01-12 00:00 | | Trackback | Comments(0)
アケボノソウ(曙草)
 アケボノソウ(曙草)は、リンドウ科センブリ属の2年草です。日本、中国、ヒマラヤに分布します。日本では、北海道から九州に自生する在来種です。名の由来は、花被片にある模様を夜明けの空(曙)に見立てたものと言われています。中国名は、獐牙菜(zhāng yá cài)。

 リンドウ科(Gentianaceae Juss. (1789))は、世界に約80属1000種が分布し、日本には10属約30種が分布します。センブリ属(Swertia L. (1753))は、世界に約80種、日本には9種あります。

 山地の湿潤な場所に自生します。発芽後はロゼットで過ごし、2年目に茎を伸ばします。茎には4稜があり、分枝しながら高さ60~90cmになります。葉は、互生します。根生葉は長い柄があり楕円形、花期には無くなります。茎生葉に柄は無く、卵状で3本の葉脈が目立ち、全縁、無毛で、長さ5~16cm、幅2~5cm。

 花期は9月から10月。葉腋から分枝して集散状円錐花序を付けます。花冠は白色で、星形に5深裂し、鋭頭で、径約2cm。4~7深裂するものもあります。裂片は約10mmで、先端に紫色の点状斑点があり、中程に円形で黄緑色の蜜腺である腺体が2個横に並びます。蟻、蜂、蠅などが介在します。萼裂片は広倒披針形で長さ約5mm。果実は蒴果です。種子は長さ約1mmで瘤状突起があります。染色体数は、2n=18,24。

 紫色の斑点が無い品種の、ホシナシアケボノソウ(星無し曙草)Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke f. impunctata (Makino) Satake があります。ミヤマアケボノソウ(深山曙草)Swertia perennis L. subsp. cuspidata (Maxim.) H.Hara は、花色が紫色です。

Japanese common name : Akebono-sou
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Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke

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4裂した花冠。通常は5裂だが4~7裂もある。緑色の腺体は2個。雄しべは裂片と同数。

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左:3脈が目立つ葉。茎生葉は葉柄が無い。 右:蕾。葉腋から分枝して花柄を出す。


アケボノソウ(曙草)
リンドウ科センブリ属
学名:Swertia bimaculata (Siebold et Zucc.) Hook.f. et Thomson ex C.B.Clarke
花期:9月~10月 2年草 草丈:60~90cm 花冠径:約2cm

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【学名解説】
Swertia : Emanuel Sweert (1552-1612)に因む/センブリ属
bimaculata : bimaculatus(二斑点がある)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
Hook.f. : Joseph Dalton Hooker (1817-1911)
Thomson : Thomas Thomson (1817-1878)
ex : ~による
C.B.Clarke : Charles Baron Clarke (1832-1906)
---
f. : forma(品種)
impunctata : im(無い)+punctatus(斑点)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
Satake : 佐竹義輔 Yoshisuke Satake (1902-2000)
---
perennis : 多年生の
L. : Carl von Linne (1707-1778)
subsp. : subspecies(亜種)
cuspidata : cuspidatus(急に尖った)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
H.Hara : 原 寛 Hiroshi Hara (1911-1986)

撮影地:静岡県静岡市
林道高山線(Alt. ca.490m地点) 2016.10.12
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 5 January 2017
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by pianix | 2017-01-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
テイカカズラ(定家葛)
 テイカカズラ(定家葛)は、キョウチクトウ科テイカカズラ属の蔓性常緑低木です。日本や朝鮮半島、中国、インド、タイに分布します。日本では、本州から九州に分布する在来種です。九州の一部や沖縄には、オキナワテイカカズラ(沖縄定家葛)1)が分布します。名の由来は、藤原定家(1162-1241)の謡曲「定家」に因みます。中国名は、亞洲絡石(yà zhōu luò shí)。英名は、Japanese star jasmine。

 キョウチクトウ科(Apocynaceae Juss. (1789))は、熱帯・温帯に分布し、215属2100種に及ぶ大きな植物群です。テイカカズラ属(Trachelospermum Lemaire (1851))は、東南アジアや北アメリカに約16種が分布します。

 低山の林床に自生します。地を這い、気根を出して岩や樹木に這い上ります。茎は太いところで4~5cm程になります。花が付く枝は径2~3mm。葉は対生します。広楕円形や長楕円形で長さ3~7cm、幅2~3cm、全縁で光沢のある革質。地上付近の葉は小さく暗緑色で葉脈沿いに斑紋があり、上部の葉は大きく明緑色で斑紋はありません。

 花期は5月から6月頃、一時期間を置いて9月頃まで続きます。枝先や葉腋から集散花序を出します。白色の筒状花で、花冠先端が5裂して平開します。裂片は徐々に捻れて反り返り、時計回りに旋回してスクリューのような形状になります。花径は2~3cm、筒部は長さ7~8mm。時間経過と共に白色から淡黄色に変色します。芳香があります。両性花。中央部は黄色。蜜壺の穴は5個あり中央に雌しべ、周囲の雄しべ5個は合着します。虫媒花で、口吻が長い蝶や蛾が媒介します。

 果実は袋果です。2本対になった径4~5mmの、先端が尖った細い円柱形で、湾曲したハの字状に下垂し、長さ15~30cm。熟すと縦に裂開して種子を出します。種子は長さ12~14mmの線形。先端に白色の種髪が付き、長さ約25mm。風媒花です。染色体数は、2n=20。

 全草が有毒です。成分は、アルクチイン(Arctiin, C27H34O11)、トラケロシド(Tracheloside, C27H34O12)等。茎に含まれる乳液で、かぶれる事があります。

 テイカカズラミサキフクレフシ(定家葛実先膨附子)ができることがあります。テイカカズラミタマバエ(定家葛実玉蠅)幼虫の寄生による虫瘤です。幼虫が出す刺激物でテイカカズラの実を変形させると言われています。20~30匹の幼虫が住んでいます。テイカカズラミタマバエ(Asteralobia sp.)は、ハエ目(双翅目)タマバエ科(Cecidomyiidae)のハエの一種で、幼虫は黄色で長さは2~3mm。成虫は蚊のような体型で、以前はタマカ(玉蚊)科とされてきました。双翅目の記載種は2014年で7658種。タマバエ科の既知数は、193種です。虫瘤は、虫営や英名のゴール(gall)と呼ばれます。

脚注:
1)Trachelospermum gracilipes Hook.f. var. liukiuense (Hatus.) Kitam.

参考:
 カズラと名が付く主なものに、フウトウカズラ(風藤葛)サネカズラ(実葛)、テイカカズラ(定家葛)があります。その他に、ヘクソカズラ(屁糞葛)ネナシカズラ(根無葛)アメリカネナシカズラ(亜米利加根無蔦)スイカズラ(吸葛)ホタルカズラ(蛍葛)ノウゼンカズラ(凌霄花) 等があります。

Japanese common name : Teika-kazura
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Trachelospermum asiaticum (Siebold et Zucc.) Nakai

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左:咲き始め 右:花冠裂片が丸まりプロペラ状になる
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筒部は長さ7~8mmで、訪れる虫は口吻が長いものに限定される

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白かった花冠は黄色に変色する
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樹木の上に覆い被さるテイカカズラ。2010.06.16 帆掛山

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湾曲し、ハの字型に下垂する果実。初め緑色で、陽が当たる側から赤褐色になる

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左:種子は線形で種髪が付く 右:テイカカズラミサキフクレフシ


テイカカズラ(定家葛)
別名:チョウセンテイカカズラ(朝鮮定家葛)、ケナシテイカカズラ(毛無定家葛)、ナガバテイカカズラ(長葉定家葛)
キョウチクトウ科テイカカズラ属
学名:Trachelospermum asiaticum (Siebold et Zucc.) Nakai
花期:5月~9月 常緑低木(蔓性) 花径:2~3cm 果期:10~11月

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【学名解説】
Trachelospermum : trachelos(頚)+sperma(種子)/テイカカズラ属
asiaticum : asiaticus(アジアの)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Gerhard Zuccarini (1790-1848)
Nakai : 中井猛之進 Takenoshin Nakai (1882-1952)

撮影地:静岡県静岡市
山原山(Yanbara-yama, Alt. 448m) 2010.05.28
帆掛山(Alt. 304m) 2010.06.16, 2015.05.08
梶原山(Alt. 279m) 2016.10.31
安倍城跡(Alt. 435m) 2014.07.11 / 09.15, 2015.09.02, 2016.05.31
賤機山(Shizuhata-yama, Alt. 171m) 2016.05.23 / 06.01 / 08.24
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

20 September 2016
Last modified: 01 November 2016
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by pianix | 2016-10-05 00:00 | | Trackback | Comments(0)
マメアサガオ(豆朝顔)
 マメアサガオ(豆朝顔)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。北アメリカ原産。日本では1955年に東京で帰化が確認され、現在は関東以西に分布域を広げています。輸入雑穀に種子が混入していた事による非意図的移入と考えられます。農地では害草とされます。名の由来は、花が朝顔に似て、小型である事を豆に比喩したもの。和名の命名者は。淺井康宏(Yasuhiro Asai 1933-)氏。別名のヒラミホシアサガオ(平実星朝顔)は、果実がやや扁平で花冠が星形である事から。英名は、Small-flowered white morning-glory。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には4属があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、熱帯から亜熱帯に約500種が分布します。

 土手や河川敷、荒れ地等で自生します。根は淡黄色。茎は4稜で赤味を帯び、蔓性で、分枝しながら地を這い、巻き付いて長く伸びます。蔓の巻き方は、上から見て反時計回り、右巻き(dextrorse)1)。葉は、互生します。心臓形や長卵形の全縁、あるいは2裂、3裂葉があり、長さ5~10cm、幅4~8cmで先は尖る。葉腋からイボ状突起がある花柄を出します。

 花期は8月から10月頃。花冠は白色から淡紅色。径1.5cmから2cmの漏斗型筒状花で、先端は5裂して尖ります。雄しべは5個で、葯色は紫色、花粉は白色。

 果実は蒴果です。やや扁平の球形で、毛があり、径約1cm。熟すと2つに割れ、黒色で、長さ約6mmの種子を、4(3~6)個出します。染色体数は、2n=30。

脚注:
1)学術用語集植物学編増訂版(1990)の定義による。

Japanese common name : Mame-asagao
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Ipomoea lacunosa L.

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花径は約15mm。茎は4稜があり、赤味を帯びる。花柄は緑色でイボ状突起がある

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左:葉表 《葉は互生。長卵形や心臓形の全縁、あるいは3裂》 右:葉裏
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心臓形と2裂葉が混在する個体

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扁平な果実
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種子

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マメアサガオ(豆朝顔)
別名:ヒラミホシアサガオ(平実星朝顔)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea lacunosa L.
花期:8月~10月 1年草 蔓性(2~5m) 花径:15~20mm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
lacunosa : lacunosus(孔、又は凹みを持った)
L. : Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から9.0km 左岸河川敷 2012.10.07, 2012.10.08, 2016.09.19
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

17 September 2016
Last modified: 6 October 2016
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by pianix | 2016-09-21 00:00 | | Trackback | Comments(0)