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ノアザミ(野薊)
 ノアザミ(野薊)は、キク科アザミ属の多年草です。中国、朝鮮、台湾、ベトナム、ロシアに変種が分布します。日本では、本州、四国、九州に分布する日本固有種です。名の由来は、野に咲く薊から。薊の語源は不明です。幾つかの説があり、あざむ(惘)語源説は、アザムはアサマから転訛したもので、傷むとか傷ましいの意(中村 1980)と説明されています。中国名は、薊(jì)。

 キク科(Asteraceae Bercht. et J.Presl (1820))は、世界に約950属2万種が分布します。日本には約70属360種があり、帰化植物は100種以上あります。Asteraceaeは、aster(星)の意味。保留名のCompositae Giseke, 1792は、「合成された」との意味から。アザミ属(Cirsium Mill. (1754)は、主に北半球に分布し、世界に300種以上、日本に60種以上があります。

 山野に自生します。茎を直立させ、草丈は50~100cmになります。茎には白毛が密生します。葉は羽状中裂します。根生葉は放射状に広がり、花期にも残ります。茎葉は茎を抱き、互生し、鋭い棘(歯牙)があります。

 花期は5月から8月。茎頂に小花の集まりである頭花を上向きにつけます。蕾には、くも毛があり、先端から開き始め、周囲から中央へと順次開花します。紅紫色で径4〜5cm。筒状花(管状花)は花弁5枚があります。舌状花はありません。一般に両性花とされますが、厳密には、雌株と両性株がある1)雌性両全性異株2)(川窪, 1996)です。

 雄性先熟です。雄性期には、紫色で5本が合着した筒状の雄しべの中に桃色の雌しべがあります。小花が刺激を受けると雄しべの葯筒が花糸によって引き下げられ、白色で粘着性がある花粉と同時に雌しべが飛び出します。この時の雌しべは柱頭が閉じて受粉しません。

 虫媒花です。花粉は訪花した虫3)に付着して運ばれます。花粉や葯は、紫外線の下で蛍光を発します。紫外線からの遺伝子保護と送粉昆虫の誘引(福井, 2007)4)と考えられています。この後は雌性期となり、雌しべが成長、先端の柱頭が2裂して受粉可能となります。

 総苞は球形で、幅2〜4cm。総苞片は6~7列あり、総苞にほぼ密着し、腺体から粘液5)を出します。果実は痩果です。羽毛状の冠毛があり、長さ約1.5cm。種子は長さ約3mm。風散布されます。染色体数は、2n=34。

 根を乾燥させたものを生薬の薊根(薊)6)と称して、利尿、解毒、止血、強壮薬として用いられます。葉は、棘焼きと灰汁出しをして食用とされます。

脚注:
1)Male sterility and gynodioecy in Japanese Cirsium. Nobumitsu Kawakubo. Acta Phytotax. Geobot. 46(2) 153-1641995. 川窪伸光(1959- )
1-2)ノアザミの雌株に関する研究 小豆むつこ 共生のひろば 3号, 29-31, 2008年3月
1-3)Morphological change of florets in the flowering period in Cirsium japonicum Fisch. ex DC. (Compositae) - comparison between female and hermaphrodite florets -, Mutsuko AZUKI, Shizuka FUSE and Akira TAKAHASHI, Humans and Nature 20: 73-79 (2009)
2)雌性両全性異株:雌株と雌雄同株の混在。
3)送粉昆虫は、蝶、蜂、虻、甲虫、等。
4)「むしのめ - 虫が視る花の色と姿?!」、京都薬科大学薬用植物園、2007年. 福井宏至(1941-2013)
5)粘液は、食害昆虫を阻止する役目と考えられています。(川窪伸光)
6)薊根(アザミコン)、薊(ケイ)。成分は、ペンタデセン(1-pentadecene)、アプロタキセン(aplotaxene)、カプロン酸(caproicacid)、ツヨプシン(thujopsene)、シペレン(cyperene)等。(渡辺斉)

参考:
ノハラアザミ(野原薊) フジアザミ(富士薊)

Japanese common name : No-azami
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Cirsium japonicum Fisch. ex DC.

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蕾には、くも毛がある。先端から開き始め、周囲から中央へと順次開花する。

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総苞は球形、粘液で粘る。総苞片は6~7列で密着し、先端が僅かに浮き上がる。

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雄性先熟。左:雄性期、右:雌しべが飛び出した状態。

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頭状花の断面。筒状花の集合体。

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茎には白毛が密生。中央左に見えるのは種子。葉は羽状中裂して鋭い歯牙がある。


ノアザミ(野薊)
キク科アザミ属
学名:Cirsium japonicum Fisch. ex DC.
synonym : Cirsium japonicum Fisch. ex DC. var. maritimum Konta et Katsuy.
花期:5月~8月 多年草 草丈:50~100cm 花径:4~5cm

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【学名解説】
Cirsium : cirsion[静脈腫(cirsos)に効くCarduus pycnocephalus L.]の転用/アザミ属
japonica : 日本の[japonicus(男性形)/japonica(女性形)/japonicum(中性形)]
Fisch. : Friedrich Ernst Ludwig von (Fedor Bogdanovic) Fischer (1782-1854)
ex : ~による
DC. : Augustin Pyramus de Candolle (1778-1841)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河川敷 2004(12/24), 2005(5/5, 5/7, 5/10), 2007(5/2, 5/12, 5/22)
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 03 March 2019
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by pianix | 2019-03-04 00:00 | | Comments(0)
トキリマメ(吐切豆)
 トキリマメ(吐切豆)は、マメ科タンキリマメ属の蔓性多年草です。日本、中国、朝鮮半島に分布します。日本では、本州(宮城県以西)、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、不明です。葉先が尖る事から尖り(とぎり)との説があります。中国名は、漸尖葉鹿藿(jiàn jiān yè lù huò)。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、世界に約650属18,000種があります。日本には、70属198種11亜種7変種17品種が分布します。タンキリマメ属(Rhynchosia Loureiro (1790))は、世界に約250種あり、日本には3種が分布します。

 山野に自生します。蔓は長く伸びます。葉は互生します。三出複葉です。小葉は卵型で、長さ5~8cm。基部が広く先にかけて細くなり、先端は尖ります。全体に毛があり、葉裏や萼に黄色の腺点があります。

 花期は7月から9月。葉腋から総状花序を出します。黄色の蝶形花で、長さ約1cm。旗弁、翼弁2枚、舟弁(竜骨弁)2枚の5弁からなります。左右相称。舟弁の中に雌しべと雄しべがあります。雄しべは合着9本と離生1本の計10本。萼は5裂し、長さ4~5mm。萼片は萼筒より短い。

 果実は、豆果です。長楕円形で長さ1.5~2cm。熟すと赤褐色となり、裂けて2個の種子を出します。種子は黒色の偏球形で、約6mm。鞘の縁にぶら下がります。

 類似種に、葉の基部が細く、扇形に広がり、葉先にかけて太くなるタンキリマメ(痰切豆)Rhynchosia volubilis Lour. があります。

Japanese common name : Tokiri-mame
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Rhynchosia acuminatifolia Makino
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葉は、基部が広く先にかけて細くなり先端は尖る。


トキリマメ(吐切豆)
別名:オオバタンキリマメ(大葉痰切豆)
マメ科タンキリマメ属
学名:Rhynchosia acuminatifolia Makino
花期:7月~9月 多年草 草丈:蔓性 花冠長:約1cm 果期:10~11月

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【学名解説】
Rhynchosia : thynchos(くちばし=竜骨弁の形)/タンキリマメ属
acuminatifolia : acuminatifolius(鋭尖した葉の)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)

撮影地:静岡県静岡市
麻機遊水地第3工区 2018.10.03
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 7 November 2018
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by pianix | 2018-11-07 00:00 | | Comments(0)
ホシアサガオ(星朝顔)
 ホシアサガオ(星朝顔)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。熱帯アメリカが原産です。日本では、本州中部以西に分布する帰化植物です。非意図的侵入と考えられています。名の由来は、花冠裂片が星形に開く朝顔の仲間である事から。中国名は、三裂葉薯(sān liè yè shŭ)。

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は、熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には5属10種があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、熱帯から亜熱帯に約500種が分布します。

 土手や河川敷、荒れ地等で自生します。茎は分枝しながら他物に巻き付いて長く延びます。葉は、互生します。全縁の卵円形から心臓形、3裂するものなど形状変化があります。長さ2~7cm、幅3~6cm。葉柄は3~6cm。

 花期は、7月から10月。葉腋から長い花柄を出し、茎頂に1~5個の花をつけます。小花柄にはイボ状の低突起がまばらにつきます。萼片は約7mmで尖ります。花冠は漏斗形で五角形の星形に浅裂し、径10~18mm。淡紅紫色で筒部内面が濃色となります。両性花。雌しべ1本、雄しべ5本。葯色は白色。類似種であるマメアサガオ(豆朝顔)の葯色は、紅紫色です。

 果実は朔果です。球形で、上部に白毛があり、径7~9mm。子房2室、4胚珠。種子は卵形で4種子あり、黒色で滑らか、長さ4~5mm。染色体数は、2n=30。

 環境省の「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」で、分布拡大期~まん延期とされ、大豆畑に影響が大きく、「その他の総合対策外来種」に指定されています。

 類似種として、ベニバナマメアサガオ(紅花豆朝顔)Ipomoea lacunosa L. f. purpurata Fernald 、萼や茎などに毛があり、芋状の根茎があるイモネノホシアサガオ(芋根の星朝顔)Ipomoea trichocarpa Ell. 、マメアサガオ(豆朝顔)Ipomoea lacunosa L. があります。

Japanese common name : Mame-asagao
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Ipomoea triloba L.

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左:蕾。右:花冠は漏斗形で五角形の星形に浅裂。筒部内面が濃色。

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 右:葯色は白色。右:雄しべ。
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根。
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他の物を覆うように伸びる。葉は卵円形から心臓形、3裂する等、変化がある。

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小花柄には、イボ状の低突起がまばらにつく。

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果実は朔果で球形、上部に白毛がある。種子は4個。


ホシアサガオ(星朝顔)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea triloba L.
花期:7月~10月 1年草 草丈:蔓性 花径:10~18mm

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【学名解説】
Ipomoea:ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
triloba:trilobatus(三裂片の)
L.:Carl von Linne (1707-1778)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から14.25km 左岸河川敷 2005.11.02
安倍城跡 (Alt.435m) 2011.10.18
帆掛山 (Alt.304m) 2017.09.21
麻機遊水地第4工区 2017.10.27
麻機遊水地第3工区 2017.10.29, 2018.09.18
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

8 October 2018
Last modified: 7 November 2018
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by pianix | 2018-10-08 00:00 | | Comments(0)
ショウジョウカ(猩猩花)
 ショウジョウカ(猩猩花)は、アオイ科イチビ属の常緑低木です。グアテマラ、ウルグアイ原産の栽培種です。多くの品種があり、世界の広くで栽培されています。名の由来は、花を中国の伝説上の動物である猩々の赤ら顔に例えたもの。中国名は金铃花(jīn líng huā)で、日本にはオミナエシ科オミナエシ属に同名のキンレイカ(金鈴花)があります。

 アオイ科(Malvaceae Juss. (1789))は、約240属3700種。旧分類では約75属1500種が分布します。イチビ属(Abutilon Mill. (1754))は、アジアからヨーロッパにかけての温帯から熱帯に約100種があります。日本には3属があり、2種が自生します。

 水はけの良い明るいところを好みます。幹は灰褐色で、横長の疣状突起があり、高さ2~3mになります。葉は互生します。葉柄は3~5cm。掌状形に3~5中裂し、長さ5~15cm。葉に黄班が入るものがあります。

 花期は6月から11月。温暖な地域では四季咲きとなります。越冬気温は3~5℃。葉腋から長い花柄を出し、橙色の花をつけます。萼は筒状で緑色、星状毛があり、先が5裂します。5枚の花弁は交互に重なり合い、暗赤色で血管のような脈状模様が入ります。花冠は鐘状形で径2~4cm。花弁長は、4~5cm。下向きに咲き、雄しべと雌しべが花冠から突き出ます。雄しべは合着して筒状となり、葯色は黄色。その先端に5本の雌しべ花柱が伸び、柱頭は赤色。花柱最下部に白毛に覆われた子房があります。花後は花冠ごと落下します。果実は、蒴果です。種子は長さ約5mm。染色体数は、2n=16。

★  ★  ★

 里山を歩くと家庭菜園としての農耕地が点在しているのが目に付きます。野菜を作られている方が多いのですが、傍らにきれいな花が咲いている時があります。そのような場合は、必ずと言って良いほど女性の方が作業をされています。作業する農地に彩りを与えるための、女性の細やかな心遣いなのでしょう。掲載した木が植えられている山の農地は、男性の姿しか見たことがありません。草花と異なり、樹木は男性の趣味かもしれません。はたして女性が植えた物なのかどうか、興味があります。

Japanese common name : Syouzyou-ka
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Abutilon pictum (Gillies ex Hook.) Walp.

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葉腋から長い花柄を出し、橙色の花をつける。

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花冠は鐘状形。雄しべは合着して筒状、先端に5本の雌しべがつく。

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萼には星状毛がある

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左:花後は花冠ごと落下する。花柱最下部に子房 右:花柱を取り除いた子房

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左:子房は白毛に覆われている 右:子房断面 胚珠

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左:成熟した果実断面 右:種子

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葉は掌状形で3~5中裂する。幹は灰褐色。


ショウジョウカ(猩猩花)
旧別名:アブチロン・ストリアツム
アオイ科イチビ属
学名:Abutilon pictum (Gillies ex Hook.) Walp.
synonym : Abutilon striatum Dicks. ex Lindl.
花期:6月~11月 常緑低木 樹高:2~3m 花冠径:約4cm

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【学名解説】
Abutilon : a(否定)+ bous(牡牛)+tilos(下痢)/イチビ属
pictum : pictus(有色の、色彩ある)
Gillies : John Gillies (1792-1834)
ex : ~による
Hook. : William Jackson Hooker (1785-1865)
Walp. : Wilhelm Gerhard Walpers (1816-1853)
---
synonym : (シノニム)同物異名
striatum : striatus(線条のある、線溝のある)
Dicks. : James (Jacobus) J. Dickson (1738-1822)
Lindl. : John Lindley (1799-1865)

撮影地:静岡県静岡市
賤機山(昭府町) 2017.11.23, 2017.12.06, 2017.12.28, 2018.01.15, 2018.02.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

12 December 2017, 31 December 2017
Last modified: 11 February 2018
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by pianix | 2017-12-12 00:00 | | Comments(0)
モミジルコウ(紅葉縷紅)
 モミジルコウ(紅葉縷紅)は、ヒルガオ科サツマイモ属の1年草です。原産地はアメリカ。園芸交配種です。名の由来は、モミジのような掌状に細裂する葉を付けるルコウソウ(縷紅草)である事から。縷は、細い糸の事で、紅色の花を付けるので縷紅草であり、葉の切れ込みからモミジを冠したもの。英名は、Cardinal climber。中国名は、葵葉蔦蘿(kuí yè niǎo luó)

 ヒルガオ科(Convolvulaceae Juss. (1789))は熱帯から亜熱帯に約58属1650種が分布し、日本には5属10種があります。サツマイモ属(Ipomoea L. (1753)) は、熱帯から亜熱帯に約500種が分布します。

 茎は蔓となって他の物に絡み合って立ち上がり、2~4m程になります。巻き方は、上から見て反時計回りの右巻。葉は互生します。楕円形の葉は掌状に深裂し、長さ4~6cm、裂片は披針形。葉は小さなモミジ葉状で、秋に紅葉します。

 花期は7~10月頃。葉腋から長い柄を出し、径約2~3cmの五角形花を付けます。鮮紅色の漏斗状で、花筒の長さは約4cm。花冠先端は反り返ります。雄しべ5本、雌しべ1本。葯色は白色。虫媒花。果実は蒴果です。楕円球形で、径約8mm。種子は長さ4~5mm。染色体数は、2n=58。

 交配母種は、ルコウソウ(縷紅草)マルバルコウ(丸葉縷紅)で、性質が強いため本州中部地方以西に帰化しています。

Japanese common name : Momizi-rukou
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Ipomoea x multifida (Raf.) Shinners

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左:反り返った花冠から飛び出した雄しべと雌しべ 右:葉は掌状に深裂


モミジルコウ(紅葉縷紅)
別名:モミジルコウソウ(紅葉縷紅草)、ハゴロモルコウソウ(羽衣縷紅草)
ヒルガオ科サツマイモ属
学名:Ipomoea x multifida (Raf.) Shinners
花期:7月~10月 1年草(蔓性) 蔓長:2~4m 花径:2~3cm

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【学名解説】
Ipomoea : ips(芋虫)+homoios(似た)/サツマイモ属
x : 二種間交配種
multifida : multifidus(多数に中裂した)
Raf. : Constantine Samuel Rafinesque-Schmaltz (1783-1840)
Shinners : Lloyd Herbert Shinners (1918-1971)

撮影地:静岡県静岡市
静岡県立大学薬学植物園 2006.09.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

Last modified: 27 September 2016
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by pianix | 2016-09-28 00:00 | 静岡県立大学薬用植物園 | Comments(0)
ベニゴウカン(紅合歓)
 ベニゴウカン(紅合歓)は、マメ科ベニゴウカン属の常緑低木です。メキシコ原産で、日本では栽培種として扱われています。渡来時期は明治初年と言われていますが詳細は不明です。名の由来はネムノキ(合歓木)に似て、赤色の花を付ける事から。別名のヒゴウカン、ヒネムとも緋合歓で、読みが異なるだけです。

 マメ科(Fabaceae Lindl. (1836))は、約650属12000種が分布します。日本には41属100種が分布します。ベニゴウカン属(Calliandra Bentham, 1840)は。中南米に約150~200種があるとされています。

 樹高は1~2mになります。葉は2回羽状複葉です。2~5対を互生し長さ約2.5cm。小葉は披針形で2列対生し、長さ約5mm。葉柄や葉裏に微細な柔軟毛があります。この為、葉表は緑で裏は薄緑色になります。葉は夜に閉じます。

 花期は4から11月頃。葉腋から長い花柄を出し、小さな花冠から緋色で径約2cmの頭状花をつけます。長さ2~2.5cmの雄しべが房状に20本程出て扇形になり目立ちます。花柄は下向きになります。夜に開き午後に萎れる一日花です。

 果実は豆果です。熟すと黒化し、ふたつに裂開して捻れます。長さ約4cm、幅約6mmで9~12室があります。種子は長さ約4mm、幅約2.5mmの長方形か三角形(果実端)の濃い茶色で扁平。寒さに弱く日当たりを好みます。温暖な地では路地植えができます。繁殖は挿し木や実生で行います。染色体数は、2n=16。

 他に、花が大きいオオベニゴウカン(大紅合歓)Calliandra haematocephala Hassk. があります。

Japanese common name : Beni-goukan
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Calliandra eriophylla Benth.

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雄しべが扇形に広がる。頭状花と蕾。

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葉は羽状複葉。左手人差し指での大きさ比較。葉柄や葉裏に微細な柔軟毛がある。

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果実と種子


ベニゴウカン(紅合歓)
別名:ヒゴウカン(緋合歓)/ヒネム(緋合歓)
マメ科ベニゴウカン属
学名:Calliandra eriophylla Benth.
花期:4月~11月 常緑低木 樹高:1~2m 花径:約2cm 

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【学名解説】
Calliandra : callos(美しい)+andros(雄しべ)/ベニゴウカン属
eriophylla : eriophyllus(軟毛葉の)
Benth. : George Bentham (1800-1884)

撮影地:静岡県静岡市
駿河区中田本町/(有)静岡ゴルフガーデン (植栽) 2015.10.25, 2015.12.27, 2019.03.05
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

23 November 2015
Last modified: 06 March 2019
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by pianix | 2015-12-01 08:00 | | Comments(0)
ショウジョウバカマ(猩々袴)
 ショウジョウバカマ(猩々袴)は、シュロソウ科ショウジョウバカマ属の多年草です。日本や朝鮮半島、サハリンに分布します。日本では、北海道から九州までに分布する在来種です。名の由来は、花を猩々の赤ら顔、葉を袴に例えたものと言われています。猩々は、中国の伝説上の動物です。

 APG1)植物分類体系では、シュロソウ科(Melanthiaceae Batsch ex Borkh. (1797))で、北半球温帯に約16属170種が分布します。旧分類(新エングラー体系、クロンキスト体系)では、ユリ科(Liliaceae Juss. (1789))で、世界の温帯と熱帯に約240属4000種が分布します。ショウジョウバカマ属(Helonias L. (1753))は、日本や台湾、朝鮮半島、サハリンに6種分布し、日本には3種が分布します。

 野や山地の湿地や林下に自生します。根生葉はロゼット状の葉で、放射状に広がり、やや革質のヘラ型で全縁、無毛、長さ5~20cm。草丈は10~30cmで、鱗片葉が花茎に数個付きます。

 花期は4~5月。茎頂に花柄を出し、総状花序に3~10の花を付けます。花披片は倒披針形で6枚。淡紅色から濃紅紫色で、濃淡の個体差があります。花被片基部が膨らみます。雌性先熟で、開花前は雌性期、開花後に雄性期となります。雄しべ6個で、葯は黒紫色。子房上位。

 花後に茎が伸び、花被が退色して緑色になります。花は上を向くようになり果実が熟してきます。果実は蒴果です。長さ約8mmで、3~5にくびれます。熟すと裂開し、5mm程の両端に糸状の付属体が付いた線形の種子を多数出します。風による種子散布を行います。種子及び葉先に生じる不定芽(栄養繁殖体)により繁殖します。染色体数は、2n=34。

 他に、花弁が白い、ツクシショウジョウバカマ(筑紫猩々袴)Helonias breviscapa (Maxim.) N.Tanaka、別名シロバナショウジョウバカマ(白花猩々袴)。鹿児島、沖縄、台湾に分布し小型白色系で絶滅危惧II類(VU)の、コショウジョウバカマ(小猩々袴)Helonias kawanoi (Koidz.) N.Tanaka。白花種で絶滅危惧IB類のオオシロショウジョウバカマ(大白猩々袴)Helonias leucantha (Koidz.) N.Tanaka。台湾に分布する、ヒメショウジョウバカマ(姫猩々袴)Helonias umbellata (Baker) N.Tanakaがあります。

1)APG : Angiosperm Phylogeny Group (被子植物系統グループ)は、ゲノム解析に基づく分類体系を構築する団体。

参考文献:YAKUGAKU ZASSHI Vol. 73 (1953) No. 1 P 84-85 邦産植物ステリン成分の研究 (第2報) ショウジョウバカマの成分 (1) 武田 健一, 岡西 為人, 島岡 有昌

Japanese common name : Syoujou-bakama
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Helonias orientalis (Thunb.) N.Tanaka
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茎頂に花柄を出し数個の花を付ける。花披片は倒披針形。

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左:開花前 右:開花途中。葯は黒紫色。

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左:根生葉は放射状に広がる。右:花茎につく鱗片葉は成長と共に間隔が広がる。

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花色は淡紅色から濃紅紫色がある。

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左:花後は緑色になる。 右:果実は蒴果。裂開して糸状の種子を出す。
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葉先に出た不定芽


ショウジョウバカマ(猩々袴)
シュロソウ科ショウジョウバカマ属
学名:Helonias orientalis (Thunb.) N.Tanaka
synonym : Heloniopsis orientalis (Thunb.) Tanaka
花期:4月~5月 多年草 草丈:10~30cm 花冠長:1~1.5cm 花径:約1.5cm

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【学名解説】
Helonias : ギリシャ語のhelos(沼地)に生息する/ショウジョウバカマ属
orientalis : 東方の
Thunb. : Carl Peter Thunberg (1743-1828)
N.Tanaka : 田中教之 Noriyuki Tanaka (?) 帝京大学教授
---
Heloniopsis : Helonias(属名)+opsis(似る)/ショウジョウバカマ属
breviscapa : brevi(短い)+scaposus(花茎)
Maxim. : Carl Maximowicz (1827-1891)
Tanaka : 田中長三郎 Tyôzaburô Tanaka (1885-1976)
---
synonym(シノニム):同意語、異名。

撮影地:静岡県静岡市
ダイラボウ(Alt. 561.1m) 2015.03.26
誓願寺山麓 2015.03.25
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture JAPAN]

7 February 2015, 30 April 2015, 27 April 2016
Last modified: 11 June 2016
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by pianix | 2015-04-28 00:00 | | Comments(0)
ヒガンバナ(彼岸花)
 ヒガンバナ(彼岸花)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。日本と中国に分布します。日本では全国に分布し、中国から稲作と共に渡来した史前帰化植物と考えられています。名の由来は、秋の彼岸頃に開花する事から。別名のマンジュシャゲ(曼珠沙華)は古い呼び名で、古代インド梵語(サンスクリット語)manjusaka(マンジュシャケ)の音写です。如意花と訳し天界の花とされます。多数の別名があります。中国名は、石蒜(Shí suàn)。

 ヒガンバナ科(Amaryllidaceae Jaume Saint-Hilaire (1805)) は、世界の熱帯から温帯にかけて約59属860種が分布します。クロンキスト体系ではユリ科(Liliaceae Juss. (1789))に分類され、世界の熱帯と温帯に約280属4000種が分布します。ヒガンバナ属(Lycoris Herbert (1821))は東南アジアに3属1)約30種が分布します。

 鱗茎及び全草共に有毒です。毒成分は、リコリン (lycorine, C16H17NO4)、ガランタミン(galantamine, C17H21NO3)です。誤食した場合、睡眠作用、痙攣、吐き気、下痢の症状が現れます。半数致死量(LD50)は、10,700mg/Kg(マウス)。重篤な中毒はまれとされています。飢餓の時に、水にさらして毒抜きをして食べた救荒作物としても知られています。

 民間療法で外用生薬・石蒜(せきさん)として肩こり、浮腫、乳腺炎の治療に用いられる場合があります。ヒガンバナアルカロイド(Amaryllidaceae alkaloids)は、鎮痛、抗ウイルス、抗マラリア、抗腫瘍、中枢神経作用などの薬理作用が報告されています。ガランタミンはアルツハイマー病治療薬として用いられますが、現在は合成精製されたものを使用します。※危険なので素人は用いないようにする。

 田の畦道、土手、墓地等、人の生活圏内に自生します。広卵形で大きさ2~6cmの鱗茎があり、栄養繁殖(鱗茎の分球により増殖)します。埋没しても上方の地表下に移動する性質があります。鱗茎に含有するリコリンはアルカロイド系成長阻害物質でもあり、季節変動があるアレロパシー作用によって周囲の植物発生を制御します。花後の10月に葉を出します。葉は線形で長さ30~50cm、幅4~8mm。中央に薄緑色の筋が入ります。

 花期は9月。鱗茎から花茎を30~50cmに立ち上げ、茎先に1つの包をつけます。包から5~8個程の花を輪生状に横向きに出し、散形花序を形成します。花被は倒披針で6枚あり赤色、長さ約4cm、幅5~6mm。縮れていて外側に反り返ります。雄しべ6本、雌しべ1本で、花冠より突出します。子房下位。

 年間の生活形態は次の通りです。9月に花が咲き、10月に葉を出す。4月に葉が枯れ8月に至る。つまり、他の草木が生い茂る季節は葉を落とし、競合する相手が少ない冬に葉を伸ばし鱗茎に栄養を蓄えます。

 染色体数は、2n=3x=33(=33A)。3倍体の不稔性(sterility)であるため結実しません。中国産シナヒガンバナ(支那彼岸花)Lycoris radiata (L'Hér.) Herb. var. pumila Grey の染色体数は2n=22。稔性があり結実し、ヒガンバナの原種と言われています。日本産より早咲きですが、小ぶりなため、コヒガンバナ(小彼岸花)の別名があります。シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠沙華)=シロバナヒガンバナ(白花彼岸花)Lycoris x albiflora Koidz.の染色体数は2n=3x=17(=5M+1T+11A)で、ヒガンバナ同様に結実しません。シナヒガンバナ(支那彼岸花)とショウキズイセン(鍾馗水仙)Lycoris traubii W.Hayw. の自然交配種と考えられています。

脚注:
1) ヒガンバナ属(Lycoris Herbert (1821))、ハマオモト属(Crinum L. (1753))、ハエマンサス属(Haemanthus L. (1753))

参考文献:
ヒガンバナ科植物含有Lycorine型アルカロイドに関する化学的研究(Toriizuka, 2009)
ヒガンバナ自生地における雑草発生制御の実態(Takahashi, Ueki, 1982)
ヒガンバナの他感作用と作用物質リコリン・クリニンの同定(Fujii, Iqbal, Nakajima,1999)

Japanese common name : higan-bana
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Lycoris radiata (L'Hér.) Herb.

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雄しべ6本、雌しべ1本で花冠より突出する。茎頂に花を輪生状につける。*2

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左:蕾と花。*2  右:子房下位。*3
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鱗茎。ヒガンバナアルカロイドのリコリンやガランタミンが含まれる。*4
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花後の10月頃から葉を出す。*6
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シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠沙華)*5
Lycoris x albiflora Koidz.


ヒガンバナ(彼岸花)
別名:マンジュシャゲ(曼珠沙華)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
学名:Lycoris radiata (L'Hér.) Herb.
花期:9月 多年草 草丈:30~50cm 花径:6~12cm

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【学名解説】
Lycoris : ギリシャ神話の海の女神Lycorisに因む/ヒガンバナ属
radiata : radiatus(放射状の)
L'Hér. : Luis Hernández Sandoval (1958- )
Herb. : William Herbert (1778-1847)
---
x : 二種間交配種
albiflora : albiflorus(白花の)
Koidz. : 小泉源一 Genichi Koidzumi (1883-1953)
---
pumila : pumilus(低い)

撮影地:静岡県静岡市
安倍川/河口から12.75km 左岸河川敷 2005.09.30
*4 安倍川/河口から8.5km 左岸河川敷 2006.09.22
*3 安倍川/河口から5.75km 右岸河川敷 2007.09.27
*2 藁科川(安倍川水系)/河口から1.5km 左岸河川敷 2007.09.28
*5 内牧川(安倍川水系)/上流 2006.09.25
*6 賤機山 2010.11.08
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture]

8 November 2010, 12 November 2010
Last modified: 6 June 2014
Scientific name confirmed: 9 September 2015
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by pianix | 2010-11-08 00:00 | | Comments(4)
キツネノカミソリ(狐の剃刀)
 キツネノカミソリ(狐の剃刀)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草です。日本、朝鮮半島に分布し、日本では本州、四国、九州に分布する在来種です。名の由来は、葉を剃刀に見立てたもので、キツネは「劣る」の意味や、花色を狐火に例えた等の諸説があります。

 ヒガンバナ科(Amaryllidaceae J. Saint-Hilaire1), 1805) は、世界の熱帯から温帯にかけて約59属860種が分布します。クロンキスト2)体系ではユリ科(Liliaceae Juss.3), (1789))に分類され、世界の熱帯と温帯に約280属4000種が分布します。ヒガンバナ属(Lycoris Herbert4), 1821)は、東南アジアに3属約30種が分布します。

 山野の明るい林縁に自生します。広卵形の鱗茎から、春に葉柄のある緑色の葉を2列に出します。葉は、長さ30~40cm、幅8~10mmの狭長状。花をつける夏に葉は枯れます。年間の生活形態は次の通りです。4月に葉が出て、5~6月に葉が枯れる。7月から茎が伸び始め、8月に花が咲く。9月に果期となり、冬越しをして3月に至る。

 鱗茎5)及び全草共に有毒です。有毒成分は、リコリン (lycorine, C16H17NO4)、ガランタミン(galantamine, C17H21NO3)です。ガランタミンはアルツハイマー病治療薬として用いられますが、現在は合成精製されたものを使用します。誤食した場合、睡眠作用、痙攣、吐き気、下痢の症状が現れます。

 花期は8~9月頃。花茎を上部で3~5本に枝分かれさせながら30~50cmに立ち上げ、花を茎先に散形状に付けます。花序基部に総苞片があり、長さ約4cmの披針形。花冠は漏斗型で、橙色の花弁6枚の花を咲かせます。花被片長は5~8cm。雄しべは6本で、先で上向きに反り返り、花被片とほぼ同長。雌雄同花。子房下位。染色体数は、2n=2X=22(=22A)6)、2n=3X=32。2倍体と3倍体とがあり、3倍体は結実しません。果実は蒴果です。径約15mmの扁球形で内部は3室に別れ、中軸胎座7)。種子は黒色、径5~7mmの円形で扁平形。

 類似種に大型の、オオキツネノカミソリ(大狐の剃刀)Lycoris sanguinea Maxim. var. kiushiana T.Koyama8) があり、雄しべ、雌しべ共に花被片より長く突出しています。キツネノカミソリと共に白花品種9)があります。八重咲き品種のヤエキツネノカミソリ(八重狐の剃刀)Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea f. plena T.Yamaz. は、高尾山で発見されました。ムジナノカミソリ(狢の剃刀)Lycoris sanguinea var. koreana (Nakai) T.Koyamaは、野生絶滅(EW)とされています。

脚注:
1) J.Saint-Hilaire : Jean Henri Jaume Saint-Hilaire (1772-1845)
2) Cronquist : Arthur John Cronquist (1919-1992)
3) Juss. : Antoine Laurent de Jussieu (1748-1836)
4) Herbert : William Herbert (1778-1847)
5) 鱗茎は、地下茎の一種で、葉の付け根が重なって肥大したもの。特徴として玉葱のようにむいていく事ができる。かけらになっても再生能力が高く、根によって鱗茎を地下に引込む能力もある。ヒガンバナ、ラッキョウ、チューリップなども鱗茎をもつ。
6) アクロセントリック染色体(acrocentric chromosome:A-type)
7) 中軸胎座【ちゅうじくたいざ】(axial placentation):胚珠が子房の中軸に付く。
8) synonym : Lycoris sanguinea Maxim. var. kiushiana (Makino) Makino ex Akasawa
9) シロバナキツネノカミソリ(白花狐の剃刀)Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea f. albiflora Honda、シロバナオオキツネノカミソリ(白花大狐の剃刀)Lycoris sanguinea Maxim. var. kiushiana T.Koyama f. albovirescens E.Doi ex Akasawa

Japanese common name : Kitune-no-kamisori
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Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea

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2008.08.08 / 2008.09.03 どちらも群生地ではなく山道脇に咲いていたもの。

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2014.07.30

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左:果実は蒴果(2014.09.23) 右:キツネノカミソリの葉(2008.03.27)


キツネノカミソリ(狐の剃刀)
ヒガンバナ科ヒガンバナ属
学名:Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea
花期:8月~9月 多年草 草丈:30~50cm 花冠長:50~55mm

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【学名解説】
Lycoris : ギリシャ神話の海の女神Lycorisに因む/ヒガンバナ属
sanguinea : sanguineus(血紅色の)
Maxim. : Carl Johann Maximowicz (1827-1891)
var. : varietas(変種)
---
kiushiana : kiusianus(九州の)
Makino : 牧野富太郎 Tomitaro Makino (1862-1957)
ex : ~による
Akasawa : 赤澤 時之 Yoshyuki Akasawa (1915-2003)
---
f. : forma(品種)
albovirescens : albo(白)+virescens(淡緑色の)
albiflora : albiflorus(白花の)
plena : plenus(八重の)
Honda : 本田 政次 Masaji Honda (1887-1984)
T.Koyama : 小山 鐵夫 Tetsuo Michael Koyama (1933- )
T.Yamaz. : 山崎 敬 Takasi Yamazaki (1921-2007)

撮影地:静岡県静岡市
高山(牛ヶ峰 Alt.717m)2008.03.27, 2008.08.08, 2008.09.03, 2014.09.23
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture]

31 October 2010, 3 November 2010, 24 September 2014
Last modified: 23 August 2015
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by pianix | 2010-10-31 00:00 | | Comments(0)
ツルニンジン(蔓人参)
 ツルニンジン(蔓人参)は、キキョウ科ツルニンジン属の多年草です。東アジアに分布し、日本では北海道、本州、四国、九州に分布します。名の由来は、蔓性であり、根が朝鮮人参に似ている事から。別名のジイソブ(爺蕎)は、バアソブ(婆蕎)に対して付けられ、花冠内側の斑点をお爺さんのソバカスに見立てたものです。ソブはソバカスの方言。

 キキョウ科(Campanulaceae Juss. (1789))は、Campanula(釣鐘)に由来し、温帯から熱帯に約60属2000種があります。ツルニンジン属(Codonopsis Wall. (1824))は、東アジアに約55種ほど分布し、日本には2種が自生します。

 山野の林縁に自生します。髭根がある肥大した紡錘形の塊根があります。去痰効果があるとされています。蔓性で、草木に絡みつき200cm程になります。葉は、初め互生し、枝先で3~4枚の輪生となります。卵状楕円形で、長さ3~10cm、幅1.5~4cm、葉裏は白っぽい。根茎、茎、葉には白乳液があります。このことから中国では羊乳(yáng rŭ)と呼ばれています。

 花期は8月~10月。側枝の先に花を下向きに付けます。萼片は大きく5裂し、裂片は20~25mmで平開します。花冠は釣鐘形で、先が浅く5裂して外側に開きます。花冠径は25~35mmで、外側は白緑色、内側には紫褐色の斑紋があります。花冠基部には蜜源である5つの距があります。

 雄しべは5本で、雄性先熟です。雌しべ柱頭は3~5裂します。子房半下位。果実は5角形の蒴果で、萼片につき約30mmで扁平、裂開して種子を散布します。種子は淡褐色で翼がある半月状、長さ約5mm。染色体数は、2n=16。

 同属の類似種であるバアソブ(婆蕎)Codonopsis ussuriensis (Rupr. et Maxim.) Hemsley は、全体に白い毛があり、花冠外側は紫褐色、種子に翼が無く黒褐色であることが本種との区別点となります。

Japanese common name : Turu-ninjin
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Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv.

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花冠基部には蜜源である5つの距がある。葉は3~4枚が輪生する。

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花冠内側には紫褐色の斑紋がある。雄しべ5本が花冠側に倒れている。

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左:萼の開きはじめ。葉の裏面は粉白色。 右:萼が開き距が見えるようになる。

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樹木に絡みつくと盛大に伸びる(2014.09.17 花沢山)

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左:果実は5角形の蒴果で萼が残る 右:種子は淡褐色で翼がある半月状


ツルニンジン(蔓人参)
別名:ジイソブ(爺蕎)
キキョウ科ツルニンジン属
学名:Codonopsis lanceolata (Siebold et Zucc.) Trautv.
花期:8月~10月 多年草 草丈:~200cm(蔓性) 花冠径:25~35mm

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【学名解説】
Codonopsis : codon(鐘)+opsis(似)/ツルニンジン属
lanceolata : lanceolatus(皮針形の)
Siebold : Philipp Franz von Siebold (1796-1866)
et : et alii(及び・命名者が2名の時など・&(and)に同じ)
Zucc. : Joseph Gerhard Zuccarini (1797-1848)
Trautv. : Ernst Rudolf von Trautvetter (1809-1889)

撮影地:静岡県静岡市
竜爪山(Alt. 1051m) 2008.09.25
安倍城跡(Alt. 435m) 2008.09.27, 2008.10.03
花沢山(Alt. 449m) 石部コース 2014.09.17 《静岡市・焼津市》
[Location : Shizuoka City, Shizuoka Prefecture]

21 October 2010, 24 September 2014
Last modified: 8 March 2015
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by pianix | 2010-10-21 00:00 | | Comments(0)